あなたはお金のやりくり上手な「アリ」? それともちょっとザルぎみな「キリギリス」?
30代ソロ女子が直面する大きな悩みの一つが、お金の問題です。ライフステージがどう変化するかわからないけれども、ひとりで生きていくためのお金はきちんと確保しておきたいもの。そこで、ANGIE女子の家計簿をファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんに診断していただきます。
今回は、出版社で契約社員として働くS.Mさん(37歳)。同年代に比べて低いという収入で、どのようにやりくりしているのでしょうか。節約術や資金運用術などを参考にして、快適で安心のソロライフを送りましょう!
「アリとキリギリスの家計簿診断」大募集!
あなたの家計簿をファイナンシャル・プランナーに診断してもらいませんか?
”名前を出したくない”という方もOK。下記のフォームまで、ふるってご応募ください。
薄謝ではございますが、謝礼もご用意しております。
ご応募はこちらから
【Sさんの家計簿】自炊はほぼナシ! 外食で食費が増えてしまう・・・。
Image by ANGIE
基本的に食事は全て外食なので、どうしても食費が高くなってしまいがち。でも、会社でまで家と同じものを食べたくないんです。お弁当を持って行くくらいなら、お昼を食べない方がマシ!
もう少し食費を減らさなければいけないことはわかっているんですが、なかなか減らせないですね。
携帯代も高いとは思っています。実は、前の機種の本体代金が残っているにも関わらず、失くしてしまって……。かといって、格安スマホにするのも手続きが面倒くさくてやらずじまい。同じようにムダ使いとわかっていてもやめられないのが、食器洗いのときに水を出しっぱなしにしてしまうことです。だから、水道代が少し高めな気がします。
でも、エアコンをほとんど使わないうえに不在がちなので、電気代はそんなにかかってないと思います。それと、基本的に自分を着飾ることに興味がないので、洋服は滅多に買いません。
美容費も2か月に1度の美容室代程度で、エステに行くとしてもクーポンを使ってお金をかけないようにしています。娯楽・レジャー費は本を買うことぐらいですが、図書館で借りるようにもしています。また、臨時収入が入ったら、すぐに貯金するように心がけています。
同年代の友人に比べて手取りが少ないのが大きな悩みの一つ。しかも契約社員なので、契約が切れたら……と不安です。将来安定した生活を送るために貯金はしていますが、銀行に預けていても増えないので、個人年金や確定拠出年金に加入しようか悩んでいます。
【先生の診断結果=キリギリス女子】食費や家賃などの生活費をセーブして!
Illust by YUKIKO KAWAHARA
被服費や美容費といった、多くの働く女性がお金を使いすぎてしまう部分が倹約できているのは素晴らしいことです。
Point1 食費
高いと自覚もされている食費については、外食費も含めたひとり暮らしの食費の平均月45,600円を15,000円近くもオーバーしています。現在の1日あたりの食費が2,000円なので、予算を1日1,500円にして平均額まで下げるようにしましょう。
ひとり暮らしで自炊をした場合、1食は167円ほど、週3日(朝昼晩)くらいを目安に自炊に切り替えれば、オーバーした分をセーブできます。あるいは、1日500円で過ごす日を10日作って、残りは今までどおり1日2,000円で過ごすというのもOKです。
外食でも、オフィスに売りに来るお弁当にしたり、安価な定食屋さんなどを探してみたりなど、1回あたりの予算を下げるようにしましょう。
Point2 家賃
家賃も収入のわりに高めです。家賃は必ず支払わなければならない固定費なので、できれば手取りの1/3以内に抑えたいところ。
引っ越しが難しければ、更新時期に家賃交渉をして月1,000円でもよいので家賃を下げる努力をして。近隣の似た条件のマンションの家賃を調べてみると、交渉しやすいでしょう。
Point3 水道光熱費
ガス代、水道代も要注意。自炊をしないわりに、どちらも高めです。お湯を流しっぱなしにすると、ガス代、水道代がかかってしまいます。
シャワー時間を短縮したり、食器洗いの際はおけに水を溜めたりするなど、ちょっとした工夫を忘れずに。
Point4 携帯電話代
ネット回線料を含まない携帯電話代だけで月15,000円は高いですね。まずは携帯を失くさないように確認することが大事ですが、紛失しても負担が軽くなるよう、予め保証をつけておくのもいいでしょう。
格安スマホへの切り替えには初期費用はかかりますが、月々の支払いが3,000円以下になるプランもあるので、面倒くさがらずに一度是非試算してみてください。
Point5 年金
個人年金か確定拠出年金への加入をお考えとのことですが、老後の資産形成を考えているのであれば、確定拠出年金の方が税制のメリットが大きいです。掛け金が全額所得控除になったり、運用利益が非課税になったりなど、節税につながります。月額20,000円程度から検討してみては?
Sさんの年収が300万円だとして、運用利率3%で60歳までの23年間、毎月20,000円を確定拠出年金に拠出した場合、約1,300,000円の節税になります。ただし、以下のようなデメリットもあるので気をつけて。
・デメリット1
確定拠出年金は預金や投資信託、保険などの運用商品を自分で決めて自己責任で運用。利回りが固定されているなどの保障はなく、将来受け取れる金額が確定しているわけではないので、運用結果によっては損をすることもあります。
・デメリット2
原則60歳まで引き出すことができません。手続きは、銀行などの金融機関でできるので、是非窓口で相談してみてください。
監修【花輪陽子】
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。
青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、外資系の投資銀行に勤めるもリーマンショックの影響で失業。猛勉強の末にファイナンシャル・プランナーとして独立し、現在はシンガポールを拠点に活動している。著書に『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』(マガジンハウス)、 『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『お金持ちになる女はどっち?』(PHP)など。