6月30日に開催されたフジテレビ・グリーの制作したVRコンテンツを体験する「F×G VR WORKS VR体験記者発表会」に参加しました。
VR動画の視聴から始まった異例の記者発表会
記者発表にさきがけ、VR動画の鑑賞会を出席した100名の報道関係者で体験するところから始まる。
開始前に「腰に負担のかかる映像が含まれているのでストレッチをしておくように」とのアナウンス(おそらくアナウンスの声は三宅氏)があり、少々怯えていたが、映像は永島優美アナウンサーの妄想デートを360°動画で見るというもの。
腰が痛くなるというのは「後ろを向かす演出」があるため、腰が痛くなるということだったようだ。
記者発表にはフジテレビ常務取締役の大多亮氏、グリー代表取締役会長兼社長の田中和良氏、フジテレビの山口真局長などが登壇。
ゲストにはサッカー元日本代表の前園真聖氏や女子高校生社長として注目を浴びた実業家の椎木里佳氏が駆けつけた。
B to B向けに企画から制作・プロモーションまで一元して行う
大多氏は最初乗り気ではなかったが、一度VRを体験して改めて可能性を感じ、田中氏は「VRで大事なのは中身、コンテンツを作る上で総合力が問われる」ということで、フジテレビの企画・制作力に期待をこめて協業に至った。
山口局長は「当面はB to Bサービスとして受託開発ようなかたちで進める」とのこと。
今回の協業でVRコンテンツの企画から制作・運用・プロモーションまでを一元して担うのがF×G VR WORKSの強み。
ゲーム・CG開発、オンラインでのプロモーションはグリーが、企画キャスティング、映像制作やリアルでのプロモーションはフジテレビが行うことでお互いに良い補完関係を生んでいる。
また、レギュラーのVRの報道番組を近々で配信する予定だそうだ。
報道の最前線の現場をVRでやりたいとのことで期待感が高まる。
ゲストの椎木・前園氏のVR体験
椎木氏が体験したのは東日本大震災の被災地の様子。
当時・住民が避難した場所を体験し、臨場感があったと語った。
前園氏はスポーツの映像を体験。元サッカー選手だが何故か2015年のワールドカップ女子バレーの映像を体験。
こちらはVIVEを使って椎木とともに映像を同時視聴。
バーチャル空間では230インチの特大モニターでバレーの試合を観戦しながら、VR空間で応援用のグッズを手に取り叩くと振動が発生し、2人から驚嘆の声が会場に響いていました。
「家でもこんな大画面で見ることはないので臨場感が凄かった」と前園氏。
記者からの質問
━━VR事業の売上高などはありますでしょうか?
山口氏:外に出せる目標はない。受託できそうなニーズは多数あるので今年度から黒字にできる期待感はある。
将来は受託開発ではなくプレイヤーとして最初は赤字になるかもしれないが、もやっていきたいと思う。
━━VRに力を入れると既存番組の視聴率の低下にならないか?
大多氏:歴史的にかにばることはやってきている。また、今回の経験を通して番組に行かせる制作力は上がると思っている。
━━椎木氏に対して、VRを用いたビジネス展開はあるか?
椎木氏:私の会社では今のところ予定はないですが、今後はVRコンテンツに登場するモノのデザインを女子高生たちと一緒に可愛くする、などは考えられます。
F×G VR WORKS VRコンテンツ体験
今回の体験コンテンツは全部で6つ。
永島優美アナのバーチャルお忍びデート
永島優美アナとの疑似デート体験が可能なGear VRで見る映像コンテンツ。
フジテレビの番組終了後、永島アナが頭の中でデートの妄想を始める。
映像は永島アナの全編ナレーションが含まれており、スタジオから永島アナがお忍びデートの妄想世界が始める。
お台場からクルージング、水族館と回っていくなか、途中にグリー制作のゲームの世界に入ってピンチに!間一髪、難を逃れたと思ったら今度はトーテムの世界に。
ここでPR告知を読み上げてしまい一人ツッコミしたり、その後、別シーンではダンディ坂野氏が登場し、渾身の「ゲッツ」が繰り出される。
フェードアウトを試みるも「360°だからフェードアウトできねえ」とシュールなツッコミを残し消えていく様には個人的にツボった。
最後は永島アナが妄想世界から軽部氏により妄想世界から現実世界に呼び戻され、追加の仕事を依頼されるというオチまで。
ストーリー構成の上手な映像展開で流石はフジテレビ、内容が面白い!と感じました。
こういったコンテンツはもっと見たい。
マルチスクリーンスポーツ ソーシャルルーム
スポーツ×VRをテーマに、バレーワールドカップの映像を複数人で同時にVIVEで見るコンテンツ。
VR内での230インチの特大モニターを視聴できるというので楽しみにしていたが、思ったほど230インチ感はなかった。
自宅にある55インチよりは大きく感じたものの、大迫力とまでは行かなかった。
他視聴者と一緒にVR空間内で視聴する体験が非常に新鮮で、VR内で機器の貸し借りをしたのが照れくさかった。
このブースは体験希望者が多かった。
VR内覧&家具レイアウトシミュレーター
最も体験者が多かったのはこちらのVR不動産シミュレーション。
VIVEを使って住居空間を構成し、その後を歩きまわるのだが、このブースが最もインタラクションなことができたのが人気の要因だったように思う。
さすがにこれまでいろいろと体験していたので目新しさはなかったものの、初体験の記者などは驚きの様子でした。
空間にテーブル、チャアー、ソファ、シアターボードが出せ、分かりやすいUIでした。
私はこの場所で被災した
ジャーナリズム×VRをテーマに東日本大震災から5年、宮城県南三陸町の高野会館をもとに震災の振りかえりを360°映像で行う。
こちらはOculusで体験し、全編ナレーションつきで当時の震災の様子を細かく伝えていた。
Don’t you Know MARUNOUCHI?
観光×VRをテーマにGear VRで世界的なビジネスセンター・ショッピングの中心・多数の文化施設が立ち並ぶなど多様な顔を持つ「東京・丸の内」のホットスポットをナレーションつきで散策できるようにした観光VR。
制作には1ヶ月かかったそうで、下部に白い円形のスタビライズ処理を施したと思われる空間ができていた。
景色によって人が入る人数が違うので円形の範囲もまちまちだった。
7月18日に台湾で開催される日本観光・文化エキスポ「Touch The Japan」にも出展予定のコンテンツとのことだ。
タイムトリップビュー×VR
現代では決して見ることのできない過去の風景をパノラマムービーで再現。
江戸時代や明治時代の日本橋にタイムスリップする体験が可能となります。
現在から過去に、決められた時間が経過すると明治時代や江戸時代の景色にフェードアウトしていく。
何気に見入ってしまったので、他の場所も順次追加してほしい。
こちらはアプリで配布されています。
記者発表&体験会を終えてみて
体験できたF×G VR WORKSのコンテンツですが、目新しい技術が使われたコンテンツというわけではなく、フジテレビならではの企画の面白さが詰め込まれたコンテンツが印象的でした。
記者発表に体験したような、使っている技術がすごい!だけではなく、中身が面白いVRの価値を今後も提供していくことだろう。
Copyright ©2016 VR Inside All Rights Reserved.