
360度コンテンツといえば、その映像に注目が集まりがちだ。しかし、もしかしたら映像よりも臨場感に関わるかもしれないのが音である。2chのスピーカと5.1chのホームサラウンドシステムでは、同じ映画を見ても全く違う感覚になるはずだ。
このSennheiserAMBEO VR MICは、CESで同社のAMBEOヘッドセットなどと合わせて紹介されたアイテムだ。既に発売され、価格は1,779ユーロ(約22万円)となっている。マイクとしては安くないが、それだけの価値があるのだろうか。掲載されている特長を確認しよう。
SennheiserAMBEO VR MICの特長
本物の経験
このマイクは、VRコンテンツの製作者と協力して開発されたものだ。VRコンテンツのために微調整されており、ユーザの体験を真に没入できるものにしてくれる。
全く新しい、新次元のオーディオ体験をもたらす。
四つのユニット

一つではなく、それぞれが異なる方向を向いた四つのユニットが組み合わされている。この特別な形状のために、あらゆる方向からの音を捉えることが可能だ。一方向ではなく球状の全方位からの音を録音するため、360度映像・VRコンテンツに最適なデータを取得できる。
包括的な製品パッケージ

この製品をデザインするにあたって、開発の初期段階からVRの専門家が参加していた。VR用途を念頭に開発されているため、すぐにVRコンテンツを制作する現場で使い始めることが可能だ。
最新のテクノロジー

録音には、Ambisonicを採用している。これはSENNHEISERのマルチチャンネル技術だ。マイクに到達する音を録音し、再生すると360度あらゆる方向から音が耳に届く感覚を作り出す。この技術はVRを含むオーディオの未来を作る技術だ。
SennheiserAMBEO VR MICを使う意味
このマイクを使えば、開発者はVRと360度映像のための音に関する技術的な問題を避けられる。これまではVR作品で全方向から音が来る感覚を作り出すために、複数のマイクで録音した音を適切にミックスする操作が必要となっていたが、その工程を不要にしてくれるものだ。
音声処理の高度な技術がなくても、高品質な360度オーディオの実現が可能になる。VRコンテンツ制作の金銭的・時間的コストの削減に繋がるだろう。技術面で未熟なチームであっても音楽に高いレベルを求めることができるようになるのも見逃せない点だ。これはインディーズゲーム好きにとって重要なのではないだろうか。
もちろん、ユーザにとってもより自然な音声が提供されることの意義は大きい。こういった製品が普及すれば、大企業が制作したコンテンツでなくても自然な音による高い没入感を得られるようになるだろう。VRコンテンツ全体の底上げが期待される。
ネックとなるのはマイク1本20万円以上という価格だ。これから低価格化が進めば、規模の小さなスタートアップでも導入が容易になるだろう。あるいは、音響機材のレンタルサービスがVR用マイクを扱うようになるかもしれない。
参照元サイト名:SENNHEISER公式サイト
URL:http://en-de.sennheiser.com/microphone-3d-audio-ambeo-vr-mic
Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.
