サバイバルホラーというジャンルをゲームにもたらした人気シリーズ「バイオハザード」の最新作、「バイオハザード7 レジデント イービル」がついに発売された!
既に公開されている動画や体験版、本作に連なる短編VR作品「KITCHEN(キッチン)」などによって本作がもたらす「恐怖」の片りんに触れ、楽しみにしていたという人も少なくないのでは?
そんな期待のタイトルを発売に先駆けて事前プレイできるという機会に恵まれたので、そこで体験した内容をご紹介したい!
「バイオハザード7 レジデント イービル」とは?
「バイオハザード7 レジデント イービル」は、「バイオハザード」シリーズの最新作であり、内容はもちろん、これまでの作品同様のサバイバルホラー。
「バイオハザード」シリーズのゲームシステムは、「4」以降アクション要素の比重が高まっていた。
これによって、ゾンビやクリーチャーといった存在を「恐怖の対象」から「倒すべき対象」のように感じていたプレイヤーも多かったようだ。
そんな中、発売された「バイオハザード7 レジデント イービル」は、「アクション要素」以上に「恐怖」「ホラー」であることが強く意識されている。
そのことは動画や体験版、「KITCHEN」などからも強烈に伝わってくるし、本作がCEROレーディングDのバージョンのほかに、恐怖表現を追求したCEROレーティングZの「グロテスクVer.」を発売することからも伺い知れる。
こうした中で純粋に1プレイヤーとして気になるのは、「そこまで怖さを押しているけど、本編は実際に怖いのか?」というところだろう。
「バイオハザード」シリーズは軒並みプレイしており、ホラーゲーム・ホラー映画・ホラー小説に怪談とホラーに目がない筆者としても「どれだけ怖いのか?」という点が気になっていた。
プレイしたのはレーティングD 商品版と同内容、難易度はノーマル
今回事前にプレイできたのは、「バイオハザード7 レジデント イービル」…「グロテスクVer.」ではないレーティングDのバージョンで、内容は商品版と完全に同内容のもの。
難易度「カジュアル」と「ノーマル」の2種類が用意されていたが、今回は「ノーマル」を選択!
まずはシネマティックモードで体験!
VR Insideでのレビューということで、もちろんプレイテーションVR(以下PS VR)を使用してプレイ。
しかし、VRモードではなくまずはシネマティックモードでプレイしてみた。
シネマティックモードとは、PS VRのディスプレイに360°表示するのではなく、巨大なスクリーンを表示してそのスクリーンに映像を映すモード。
ヘッドトラッキングがゲームに反映されないため、操作はPS VRナシでプレイした場合と同じになる。
リアリティのある映像表現
プレイしてまず思ったのは、映像の美しさだ。
キャラクターはもちろんのこと背景の細かい点まで、光の映り込み方や影の入り方、実写と見まごうレベルのリアリティがある。
またチラチラと飛ぶ小さな羽虫や埃など、その場の空気感を再現するための細やかな演出も施されているため、シネマティックモードであっても臨場感は強い!
快適な操作性
次に操作についてだが、体験版でプレイ済みの人は既にご存じのとおり、非常に操作性は快適。
「バイオハザード」シリーズと言えば攻撃にあたって「構え」てから「攻撃」という二段構えの操作になっているのが特徴で、今回もプレイステーションではR2ボタンで「構え」が行える。
ただ、これまでのシリーズと異なり「構え」なくても攻撃可能。
もちろん「構え」ない場合には威力や精度が低下してしまうのだが、「構え」なくとも行動できることで咄嗟のアクションがとりやすく、「この行動が取りたいのに咄嗟に取れない」という事態に陥ることはなかった。
ホラーゲームには、あえてもどかしい操作とし、敵から逃れにくくすることで恐怖感を煽るという手法が取られる手法も存在する。しかし、少なくとも本作の恐怖は「もどかしい操作」によって演出されたものではない。
また、アイテムなどが使用できるオブジェクトに接近するとマーカーが表示され、〇ボタンを押すと即座にメニューが開く。
非常に直観的でテンポよくプレイできるため、謎解きをするにあたってもストレスを覚えることはなかった。
その角を曲がりたくない!強烈な怖さ
では肝心の「恐怖」についてだが、実際のところ本作は怖い! それも相当怖い!!
これは、静と動の表現をそれぞれ最大限高めているからだと筆者には感じられた。
どういうことか?
不安感を煽る「静」の表現
初代「バイオハザード」のプレイ経験がある人は思い出してほしい。
静かな廊下で突然ガラスを突き破って襲い掛かってきたケルベロス(犬型のクリーチャー)や、寄宿舎でボスを倒し一息ついて洋館に戻ったタイミングで襲来したハンター(は虫類型のクリーチャー)を!
いずれも、静かで落ち着いたタイミングで出現させることで、この上ない恐怖を感じた!
本作でもこの「静かで落ち着いたタイミング」が巧妙に活用されている。
何せ、老朽化した建物や腐敗した食べ物など、不気味さを感じずにはいられないシチュエーションが、実写としか思えないような超美麗グラフィックで描かれているのだ。
「静かで落ち着いたタイミング」であっても、常に「何かが起こるのでは?」という不安感を煽られる。
感情の込められた暴力が怖い!「動」の表現
次に敵の出現や攻撃に代表される「動」の表現。
これまでのシリーズ作品でも暴力描写や破壊描写はもちろんあったが、本作の暴力描写・破壊描写は表現の質が違うと感じた。
これは、本作に登場する敵が、常軌を逸した人間(ではないかも知れないが)だからというところに起因しているように思う。
動画や体験版で描かれている通り、本作の敵として登場するのは、館に住む家族・ベイカー一家だ。
彼らはゾンビやクリーチャーと違い、意志を持った行動を行い、会話も行う。
このため、敵の行動ひとつひとつに「感情」がこもっているように感じられるのだ。
ゾンビやクリーチャーの攻撃は「本能」によるものだが、人間の攻撃には「怒り」や「破壊の楽しさ」、「狂気」といった感情がこもる。
その感情が、怖さを増幅させるのだ。
もちろんこうした「感情を感じられる」のは、ただ敵が人間だからという以上に、本作の表現力(キャラクターの演技力)が高いからだろう。
初代「バイオハザード」のインパクト再来
筆者は初代「バイオハザード」をプレイした際、「扉を開けたくない」「廊下の角を曲がりたくない」と感じた。
敵が強いとか、造形がグロテスクという以上に、「何かヤバいことが起こりそうに感じてしまう怖さ」を初代「バイオハザード」から感じたのだ。
本作でも廊下を歩いていて、「うわぁ…この廊下の角を曲がりたくないわぁ…」と思い、初代をプレイした時感じたことがまざまざと蘇った。
本作は、怖い。「静」と「動」、この2つの相乗効果によって、間違いなく「この家にいたくない」とまで思える怖さを味わえる。
VRモードの出来はいかほどか!?
シネマティックモードでの怖さを体験した上で、いよいよVRモードでプレイ!
VRによる臨場感によって、本作の怖さはどこまで高まるのか?
VRでの操作も快適!慣れないうちは右スティックの使用は控えめに
シネマティックモードからVRモードへの切り替えは、ゲーム中いつでも実行可能だ。
ただしVRモードへと切り替えるにあたって一旦タイトル画面に戻る必要があるため、同じ場所から即座に再開したい場合、セーブしておく必要がある。
VRモードでの操作は、方向のコントロールがヘッドマウントディスプレイになる。
トラッキング精度は良好で、ヘッドマウントディスプレイを動かした時の違和感はまったくない。
また、方向についてはコントローラーの右スティックを併用することも可能。
初期設定では右スティックを左右に動かすことで、その方向へ30°刻みに回転できるほか、上方向にスティックを倒すことで、頭の向いている方向を正面とすることもできる。操作系は細やかなカスタマイズが可能なので、好みや相性に応じて試して欲しい。
筆者は右スティックで方向転換するよりも頭を動かして方向転換する方が違和感が少なかった。慣れない内は右スティックでの方向転換を控えめにした方がいいかもしれない。
ただトラッキング精度がいいせいか、1時間以上ぶっ続けでプレイしたにも関わらず筆者は一切VR酔いしなかった。
VRによって恐怖の次元が上がる
ただでさえ圧倒的なリアリティを持つ本作のビジュアルの中へとVRで入り込むと、本当に自分が館の中に入りこんだかのように感じられる。
腐敗した食べ物を見かけたり、汚れた場所に入らなきゃいけなかったりといった場合には「本気で嫌だ!」と反射的に思ってしまうほど仮想空間の実在感は高い。
そんな中で味わう、「負の感情を感じられる」暴力表現は壮絶。
「KITCHEN」を体感した人は痛みを感じられるほどのホラー表現を目にして恐怖を感じたハズだが、アレ以上だ。
今回のプレイでは、既に動画で配信されているベイカー一家の食事シーンをVRで味わったが、既に一度映像で見たことのあるシーンでも怖さは段違い。
映像で見ている分には傍観者でいられるが、VRだと現実とゲームの境界がぼかされ、自分が体験しているように感じてしまう。言うまでもなく、傍観者と当事者じゃあドえらい違いだ!
「どっくん、どっくん…」と心臓が鳴るのが感じられるレベルだった。あの時、確実に心拍数がアップしていたことだろう。
ボリューム感もあり、体験できる内容も濃密
本作は敵とのバトルももちろん用意されているが、館の中を移動してのパズル要素の比重も高く、様々なバリエーションのパズルで楽しませてくれる。
次から次に様々なイベントが発生するため、ボリュームもたっぷりでプレイも濃密。
シネマティックモードとVRモード合わせて3時間、ノンストップでどっぷりと遊びこんでしまった。
プレイし終わって数時間を経てもまだ瞼に館の情景が蘇る、とんでもない没入感だ…!
PS VRのキラーコンテンツとなる力を持ったタイトル
PS VRが発売されて以来、すでにいくつものVR作品が発売されているものの、まだまだ草創期ということもあり、ゲーム性の物足りなさやボリューム不足が指摘されることも多い。
そんな中「バイオハザード7 レジデント イービル」は、ゲーム性の面でもボリュームの面でも間違いなく満足させてくれる作品だ。
何より初代「バイオハザード」のあの恐怖感・衝撃を再体験させるパワーを持っている。
PS VRを買ってでもプレイする価値がある、キラータイトルになるレベルの作品だと筆者は感じた。
PS VRを持っている人はもちろん、そうでなかったとしてもホラー好きなら是非プレイしてほしいタイトルだ。
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