Ubisoftの人気ゲーム『アサシンクリード』のVR映画版が12月21日に劇場限定で公開される。UploadVRがその詳細を取り上げている。
10月中旬、私たちはマイケル・ファスベンダー(X-MEN:フューチャー&パスト、イングロリアス・バスターズ)が主演する『アサシンクリード』のVRムービーが劇場公開されることを知った。このプロジェクトは、AMD、Alienware、Practical Magic、20th Century Fox、New Regency、Ubisoftの協力関係による大がかりなものである。
360度映像は、20th Century Fox、New Regencyと共同でPractical Magicによって撮影された。劇場にはグラフィックカードとしてAMD Radeon RX 480を搭載したAlienware Aurora PCに接続されたOculus Riftヘッドセットを備えたブースが用意される。映画は劇場限定公開で、12月21日に公開される。
Practical MagicのCEOで創設者でもあるマシュー・ルイスは、VRでの新しい技術を数多く作り上げることになったと語る。大きな予算をかけたスペイン裁判所のシーンはマルタで撮影されたが、VR体験部分はロサンゼルスで撮影された。ルイスによれば、マルタとロンドンの映画製作会社から提供されたセット、小道具、その他を徹底的にスキャンするために、ドローンとスキャン装置を活用したという。
ルイスは
「私たちは、数日かけて映画の世界をスキャンして、ロサンゼルスにデータを持ち帰りました。その後、美術部門において現実に、またバーチャルの世界に、非常に高い解像度でセットを再現することができました」
と話した。
50人から60人のキャストがロサンゼルスに集まり、スペイン裁判のシーンを終わらせた。360度映像の性質のために、その場面で後ろに隠れがちなタレントも目立つようになったとルイスは語った。
「あなたの周り、あらゆる方向でアクションが行われます。何度も映像を見れば、初回には見逃していたものが目に入るでしょう。最後の最後まで、小道具の微細な造形まで、360度映像で見ることができます」
とルイスは語った。
「360度カメラのリグ(カメラを載せる台)には満足していませんでした。そこで、オリジナルの要素を取り入れたモーションコントロールリグによってほとんどのアクションを撮影しています。主にRED Dragonカメラを使用し、6Kの解像度であらゆるものを何度も撮影しました。廊下で戦うシーンは、実は異なるアングルから撮影した6K映像を26枚も重ねて作成しています。フル解像度で見ると、とても映画的な映像です。豪華で、繊細で、鮮明です。ダイナミックレンジがあり、映像が圧縮されていたり一部が潰れていたりはしません。そのことは、私たちにとって非常に重要でした。また、文字通り何百ものLEDライトを管理できるLitegearの力を借りて、モーションコントロールのときに作品世界を照らし出す照明を完璧にコントロールできました。Litegear無しでは、無理でした」
ポストプロダクションでも、様々なソフトウェアを組み合わせて作業をしているという。単一の製品によるものではなく、複数のカスタムされたソフトウェアやプラグインを使ってこの映像が作り出されたのである。
「編集作業自体は、ポストプロダクションで行う作業のほんの一部にすぎないものでした。ビジュアルエフェクトは非常に複雑で、数ヶ月の作業が必要になりました。VR業界全体でポストプロダクションに使うツールはまだ未成熟です。最高品質ソフトウェアを揃えました。とはいっても、用意できたのはアルファ版ソフトウェアばかりでした。ハードウェアも限界ギリギリのものを調達しました。6Kの映像を26本同時に処理することを想像してみてください。手に入る限りで最高のハードウェアが必要でした。それがなければ、この仕事は終わりませんでした。今でも座ってプログレスバーを眺めていることになったでしょう」
マイケル・ファスベンダーは、映画の中でオリジナルキャラクターであるアギール・デ・ネラを演じる。これはUbisoftベストセラー作品の世界に新たに加わるキャラクターだ。ルイスたちは、ロンドンでファスベンダーを撮影した。
ファスベンダーは冒険活劇の中心となるキャラクターだ。VRで、ユーザーはあるオリジナルキャラクターの立場を体験できる。
「視聴者はアギールを演じているわけではありません。それはマイケル・ファスベンダーの才能に残された最高の仕事なのです。あまり語りたくありませんが、視聴者が暗殺者なのは確かです」
ルイスは、ゲーマーであればVR作品の中に用意されたイースターエッグに気づくだろうという。イースターエッグはゲームに登場する「アニムス」で撮影した最初のシーンに多くある。他にも、ゲームからインスピレーションを得た要素がある。
「私たちはカメラを繰り返し動かし、視聴者に様々な動きを体験させます。『アサシンクリード』で試みられ、成功してきた動きはたくさんあります。人々がいつも悲鳴を上げる部分があり、外から見ていると面白いですよ」
ルイスのチームは原作を知っている。誰もが、すぐにLeap of FaithをVRでしなければならない!とルイスは冗談を言った。
「これは冗談ですが、私たちはVRにおけるLeap of Faithを果たしたと言えます」
※Leap of Faithは、高い塔から干し草の山に向かって飛び降りる、原作でおなじみのシーン
ルイスは、Capture for The CWのような複雑で映画的なプロジェクトに取り組むここ数年の経験は貴重なものだと語った。
「一般的に難しいと言われていることですが、私たちは撮影中にVRカメラを移動させるのが好きです。数年前、GoogleのVRカメラのためにリグを作りました。それをジャスティン・リンが『Help!』の制作に使用し、今年のカンヌでVRのゴールドライオンを受賞しました。それ以来、私たちは独自にVR用のリグを作り続けています。エンジニアリングやプロトタイプ作成のため、経験豊富な技術者たちに協力してもらっています」
ゲーマーのために、Oculus RiftかSamsung Gear VRで12月1日から『アサシンクリード』の映像を見ることができる。また、Facebookでも360度映像が公開される。映画は12月2日から1月1日の間に、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティン、ニューヨークのAMC劇場での演劇の公開が予定されている。
参照元サイト名:uploadvr
URL:http://uploadvr.com/assassins-creed-vr-experience/
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