OculusとHTCに次いで、PC用VRゴーグル第三の選択肢として登場した「VALVE INDEX」
高品質のディスプレイ性能と新発想のコントローラーでVRユーザーの間で大きな話題となっています。
「VALVE INDEX」とはどのようなVRゴーグルなのか?
特徴や他のVRゴーグルなどの違いなどまとめてみました。
VALVE INDEXとは?
VALVE INDEXとは、VRゲームでもおなじみのゲームプラットフォーム「Steam」を運営するVALVE社が開発したPC用VRゴーグルです。
「Steam VR」を提供しつつ、これまでHTCと共同でHTC VIVEの研究・開発を行ってきたことで集めたVALVE社のVRに関する知見の集大成といえます。
そのため、他のVRゴーグルよりもリアルでクリアな映像能力をもち、臨場感豊かなVR世界を表現できます。
これまでにないほど高い没入感のあるVR体験ができるVRゴーグルです。
VALVE INDEXの特徴
VALVE INDEXの特徴は
・解像度
・リフレッシュレート
・視野角
が極めてハイレベルなディスプレイ性能と正確なトラッキングが挙げられます。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
高解像度
VALVE INDEXの性能でまず目を引くのが解像度の高さです。
VRではOculusRiftとHTC VIVEの1,080×1,200×2という解像度が標準とされています。
この点、VALVE INDEXは1,440×1,600×2と縦横方向に画素数が33%向上し、非常に優秀なスコアです。
OculusRiftの後継機OculusRift Sでも1,280×1,440×2も大きく引き離していて、HTCのプロ用機VIVE Proと同じ解像度となります。
このようにVALVE INDEXはPC用VRゴーグルの現行機の中で最高レベルの解像度です。
そのため、非常にクリアで実物と変わらないような見え方のVR体験ができるようになります。
リフレッシュレートも随一
解像度ともにVALVE INDEXが高い性能を誇るのがリフレッシュレートです。
他のPCVR用ゴーグルのRift SやVIVEと比較した場合、
Rift S:80Hz
VIVE Pro:90Hz
VALVE INDEX:80Hz / 90Hz / 120Hz(デフォルト) / 144Hzに対応
となり、文字通り桁違いのリフレッシュレートを実現しています。
そのため、これまで体験していたものよりも遥かに滑らかな動きのVR体験が可能です。
動きが激しいゲームでもスムーズにプレイすることができます。
視野角も一番
もう一つ他のVRゴーグルと比較して突出しているのが、最大130度という視野角です。
同じPCVR用ゴーグルのRift SやVIVEを見てみると、
Rift S:約110度
VIVE Pro:約110度
であることからもVALVE INDEXの視野角の広さがわかると思います。
視野角はVRでの没入感で重要な要素です。
VR世界で視野の端に「枠」のようなものが見えてしまうと、それだけで現実に引き戻されてしまいます。
その点、VALVE INDEXのように視野角が130度あれば、意識的に視線を向けない限りVR世界の境界は目に入りません。
現実世界と同じ感覚でVR世界を見渡すことができ、高い没入感を得ることができます。
外部センサーでのトラッキング
VALVE INDEXが発表された当初は、その形状からトラッキング方式がカメラを使ったインサイドアウト方式ではないかと考えられていました。
しかし、実際にはVIVEと同じように外部センサーを使ったアウトサイドイン方式を採用しています。
カメラを使ったトラッキングだと画像認識が必要になる分、明るさなど外部の状況にトラッキングが左右されてしまうのが難点です。
そこで、VALVE INDEXでは正確なトラッキングを行うために、赤外線レーザーを照射するベースステーションを使います。
数値化されたデータのやり取りとしてトラッキングを行うことで、シームレスなVR体験を実現しました。
ベースステーションを4台設置することで最大10m×10m、2台設置でも最大6m×6mのスペースが利用可能です。
VALVE INDEX最大の特徴!INDEXコントローラー
VALVE INDEXが他のVRゴーグルと一線を画する最大の特徴がコントローラーです。
これまでのVRコントローラーがどちらかと言えばゲームコントローラーのような発想で作られてきました。
つまり、トリガー操作による疑似的な動作となるため、現実世界と同じような指の動きをVR世界に完全に反映させることはできません。
その点、INDEXコントローラーは87のセンサーを搭載し、手の位置や指の位置、動き、圧力を測定します。
コントローラーはバンドによって手に固定するようになっているため、指を全部放したとしても落下することはありません。
そのため、
・手を開く
・掴む・握る
・ハンドサインを出す
・投げる
といった現実の動作を自然に正確に再現することができるので、これまでのVR体験よりも高い没入感を得ることが可能です。
VALVE INDEXはどんなことが楽しめる
VALVE INDEXはSteamの運営会社が開発したこともあり、Steamプラットフォームで提供されているVRゲームをプレイするのに最適です。
現時点で、Steamで配信されているVR対応タイトル5,325本のうち5,315本楽しむことができます。
「BeatSaber」
「Pistolwhip」
「Arizona Sunshine」
「VRchat」
などゲームやVRSNSをよりクオリティの高いビジュアルと操作性でプレイすることが可能です。
また、既存のゲームに加えて、物体を掴む、投げるといった動作が重要になる
「Half-Life:Alyx」
「Boneworks」
も配信されており、VALVE INDEXの性能を実感できるようになっています。
VTuber活動にも利用可能!
もちろんVIVE INDEXが活躍するのはゲームやSNSだけではありません。
特に注目されているのがVTuber活動です。
指の動作を正確に反映できるINDEXコントローラーによって、アバターの動作の表現力が大きく向上しました。
実際、VTuberによるVR配信が多く行われている「バーチャルキャスト」は発売から早々にVALVE INDEXに対応しています。
今後、VTuber活動においてVALVE INDEXの利用が有力な選択肢になっていくのではないでしょうか。
VALVE INDEXはどこで買える?
VALVE INDEXを購入できるのは
の2つです。
販売価格はいずれも138,380円(税込)となっており、どちらを利用するかでお得ということはありません。
このほかにも、「ツクモ」「ドスパラ」「パソコン工房」「ビックカメラ」といった量販店では店頭での販売も行っています。
あらかじめこうした店舗で実機を見てみるのもおすすめです。
他のPC用VRゴーグルと比較してどう?
では、OculusRift SやHTC製品など他のPC用VRゴーグルとVALVE INDEXとで比較してみましょう。
この場合、ネックになるのが138,380円というVALVE INDEXの価格です。
コストパフォーマンスを考えれば、49,800円(税込)のRift Sが最も手頃といえます。
しかし、Rift Sは生産終了が決まっていて、現時点で既に公式サイトでは売り切れという状態です。
そのため、事実上VIVEかVALVE INDEXの二択という状況となっています。
VIVEとならVALVE INDEXがおすすめ
VIVE Pro(153,500円)も10万円を超えているので、価格はVALVE INDEXとあまり差がありません。
となると、性能の面で大きく優れているVALVE INDEXがおすすめです。
ここまで見てきたように、ディスプレイ性能はもちろん指の動きをリアルに再現できるコントローラーがVALVE INDEXの特徴となります。
よりリアルなVR体験を求めている人やVTuber活動にVRゴーグルを活用していきたい人にとっては、VALVE INDEXが大いに役に立つはずです。
手軽さとコストを考えるならQuest2がおすすめ
非常に高性能なVALVE INDEXですが、価格は10万円を超えており気軽に揃えるにはコスパがいいとは言い切れません。
また、購入しても外部センサーを設定しなければならない点も初心者にはハードルが高いところです。
その点、出費を抑えつつサクッと高品質のVRを楽しみたい場合にはOculusQuest2をおすすめします。
というのも、Quest2はPCやスマホなどの外部機器が不要なスタンドアロンで、外部センサーも必要としないインサイドアウトトラッキング方式です。
そのため、面倒な初期設定がほとんどなく簡単に高クオリティのVRを楽しむことができます。
また、価格も上位モデルの256GBタイプでも49,280円となっており、VALVE INDEXの半分以下の価格で購入可能です。
さらに、2020年11月に追加されたPCとの接続ができるようになる新機能OculusLinkを使えば、PCVR用のゲームでもQuest2で遊べるようになりました。
もしもVALVE INDEXとOculusQuest2とで購入を迷っている場合には、Quest2の方を優先して検討することをおすすめします。
VALVE INDEXの口コミ・評判
では、次にVALVE INDEを実際に購入したユーザーのリアルな声を見ていきましょう。
初めてのVRでしたが貯金に余裕あったので購入。ブレード&ソーサリーとonwardをプレイしています。5本指ちゃんと動きますよ!倒した敵に中指立てたりウイッシュしたりできるので楽しいです!(onwardではやりませんが笑)
初VRだからか、ありえないくらいのリアリティに驚愕しました。画質もいい感じです。音は横のヘッドホン…と、いうよりはスピーカーから聞こえてきます。音質もいい感じだと思いますよ。耳に触れることがないので蒸れたり痒くなったりはないです。ただ、そのせいで音漏れがするので…その…えっ…エッチなゲームしたかったらやめときましょう…うん…
引用:Amazon
約4年ぶりにVRを買い替えました。HTCから離れて、VALVEのみで開発。正常進化しています。まず、軽くなった。これは非常に大きい。次に接続、設定が楽になった。ヘッドマウント接続も途中にHUBは無く、DPとUSBと電源ケーブルにつなぐだけ。ベースステーションに電源入れて、ヘッドマウントを接続して、コントローラの電源入れて、Steam起動したらそれでとりあえず動きます。機能的なことはそこらじゅうでレビューされていますので、そちらで確認してください(笑)
引用:Amazon
2018年初めに初代VIVEを購入し、ずっとVRで遊び続けていました。(steamVRが2400時間くらいだった・・・)
完全に頭がVIVEになっている状態からのvalve indexはすさまじい感動でした。まず最初に視野角の広さ。VIVEはどうしても双眼鏡をのぞき込んでいるような感覚が抜けなかったが、
これはシュノーケルゴーグルくらいの感覚になった。視野角の広さがVR体験に与える影響は非常に大きく、
没入感と現実感が遥かに高い。
でもって、視野角が狭いと周りを見るために首を動かす量が大きくなってしまう。
視野角が広いことにより、余計に首を動かすことが減って首への負担が減ったのもうれしい。引用:Amazon
商品自体はすごく良いですが、映画みたいなVR体験を望むなら、技術の進歩を10年ぐらい待ちましょう。
引用:Amazon
初VR。HLアリックスが気になってデジカでフルセットのヤツを購入
一言でいうと、技術不足とコストの問題でリアルとは程遠い感覚です
これはやっぱり、技術的に熟成されてなおかつコストも度外視してどうかなというレベルなので
ゲーミングPC+15万程度ではこんなものかといったところです引用:Amazon
以上のように、VR初心者やVRゲーマーの両方からVALVE INDEXには好意的な口コミが多いのが特徴です。
特に画質の良さに感動する声が多く、没入感たっぷりのVR体験に満足するユーザーが目立ちます。
ただ、性能の高さを評価しつつ、購入前にハードルを上げすぎて実際の体験が期待したほどではなかったという意見もあるようです。
VALVE INDEX概要
VALVE INDEXのスペックなどを簡単にまとめました。
本体概要
ディスプレイ:RGB LCD(液晶)ディスプレイ
解像度:1,440×1,600 × 2枚(2,880×1,660)
対応フレームレート:80Hz / 90Hz / 120Hz / 144Hz
視野角(FOV):最大約130°
瞳孔間距離(IPD):58mm~70mmの範囲で物理的調整
オーディオ:ヘッドホン一体型、マイク搭載
トラッキング:6DoF
トラッキング方式:アウトサイドイン(VALVE INDEX 1.0および2.0ベースステーションと互換性のあるVALVE INDEX 2.0センサー)
フロントカメラ:ステレオ960 × 960ピクセル、グローバルシャッター、RGB(バイエル)
重量:約750g
価格:138,380円
システム要件(最小構成)
OS: Windows 10、SteamOS、Linux
メモリ:8GB
GPU(グラボ): NVIDIA GeForce GTX 970以上 / AMD Radeon RX480以上
CPU:ハイパースレッディング搭載、またはそれ以上の機能搭載。デュアルコア以上
お手元のPCがVRに対応しているかはこちらで確認することができます。
>>SteamVR Performance Test[Steam]
まとめ
VALVE INDEXはSteamを運営するVALVE社によるVRゴーグルということで気になっている人も多いのではないでしょうか。
ゲームやSNS、動画などVRコンテンツの多くがSteamで配信されていることから、Steamに最適化されたVALVE INDEXは有力なVRゴーグルといえます。
他のVRゴーグルと比較しても
・解像度
・リフレッシュレート
・視野角
といったディスプレイ性能が優秀で、手指の動きをリアルにVR世界に反映できるコントローラーもあり、これまでにないVR体験が可能です。
ただし、コストパフォーマンスを考えるとOculusQuest2に譲る面はありますが、それでも最後まで検討すべき選択肢の一つといえます。
体験のクオリティにこだわりたいというヘビーVRユーザーはもちろん、初めてのVRゴーグルを探している人にもおすすめできるVRゴーグルです。
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