HTC、スタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus」正式発表。Daydream対応はキャンセルに

海外メディアUploadVRは、HTCがスタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus」を正式発表したことを報じた。

HTC初のスタンドアロン型VRヘッドセットがついに登場

VIVE Focus発表の経緯

同メディアによると、HTCは中国・北京で今週開催している開発者カンファレンスVive Developer Conferenceにおいて、同社初のスタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus」を正式発表した。

同ヘッドセットは、今年5月に開催されたGoogleの開発者カンファレンスで開発することを発表していた。その段階では、Googleが展開するモバイル型VRヘッドセット・ブランドDaydreamに対応すると発表されていた。しかし、このほど発表されたヘッドセットはDaydreamに対応しないことが、GoogleのVR・AR部門を率いるClay Bavor氏のツイートで明らかになった。

Confirmed, no Daydream standalone from HTC, but we remain great partners. https://t.co/t3RvgJIMUp

—Clay Bavor (@claybavor) 2017年11月14日

上記のツイートを日本語に訳すと、以下のようになる。

HTCからDaydreamスタンドアロン(型VRヘッドセット)が出ないのは断言します。

しかし、わが社にはまだ素晴らしい(Daydream対応スタンドアロン型VRヘッドセットに関する)パートナーがいます。

同氏が言う「素晴らしいパートナー」は、Lenovoのことを指していると考えて間違いない。というのも、以上のツイートの直後、同氏は以下のようなツイートを投稿しているからだ。

Have been using and loving my pre-release @Lenovo standalone headset, running Daydream. More soon. Can't wait for you to try it. pic.twitter.com/lwb6PCG4tD

—Clay Bavor (@claybavor) 2017年11月14日

上記のツイートを日本語訳すると、以下のようになる。

Daydreamに対応したLenovo製スタンドアロン型VRヘッドセットは、以前発表した通りのままです。

(Lenovo製スタンドアロン型VRヘッドセットがリリースされるのは)あともう少しです。それを試すのにそんなに待たせません。

上のツイートにあるように、LenovoがDaydream対応スタンドアロン型VRヘッドセットは以前から知られていた。具体的には、HTCとLenovoが提携して同ヘッドセットを開発する、と発表されていた。

この度のHTCの発表とClay Bavor氏のツイートを総合すると、当初HTCはLenovoと提携してDaydream対応スタンドアロン型VRヘッドセットを開発していたが、開発途中でプロジェクトから離脱して、独自仕様のスタンドアロン型VRヘッドセットを開発する道を選んだ、と見ることができる。そして、残されたLenovoが引き続きDaydream対応スタンドアロン型VRヘッドセットを開発している、というのが現状だ。

HTCがDaydream対応をキャンセルして、独自仕様のスタンドアロン型VRヘッドセットをリリースすると決断した背景には、Daydreamという他社が管理するプラットフォームではなく、自社が管理するプラットフォームを展開したい、という思惑があると考えられる。

VIVE Focusの仕様

スタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus」は、スマホやPC、さらにはトラッキングセンサーも不要な文字通りVRヘッドセットひとつあればVR体験が可能なVRヘッドセットだ。同ヘッドセットの主な仕様を列挙すると、以下のようになる。

• ・6自由度(xyz座標値と各座標軸の傾きを検知)のトラッキングに対応


• ・3自由度(xyz座標値を検知)のトラッキングに対応した専用コントローラーが付属


• ・HTC独自コンテンツプラットフォーム「Vive Wave」からコンテンツを購入

同ヘッドセットは、仕様的には先月Oculus社主催の開発者カンファレンスOculus Connect 4で発表された「Oculus Go」とほぼ同等と考えてよい。

HTC社の発表によると、同ヘッドセットに対応したコンテンツはDaydreamおよびGear VRに対応したコンテンツから容易に開発することができ、VIVEあるいはOculus Riftのようなハイエンド型VRヘッドセット対応コンテンツからの移植も機能を限定すれば可能、とのこと。

もっとも注目される価格とリリース日に関しては、現時点では不明だ。そして、リリース当初は中国のみで販売し、そのほかの地域への展開に関しても現時点では未定だ。

いまだ勃興していないスタンドアロン型VRヘッドセット市場に関しては、FacebookとHTCの参入が確定し、GoogleとSamsungも進出することが予想されている。今のところ、Facebookが若干リードしているように思われるが、この新たなVR市場は2018年前半には勃興しているのではないだろうか。

ソース：UploadVR

https://uploadvr.com/htc-vives-google-daydream-headset-cancelled-6dof-vive-focus-announced/

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