主人公に思い切り感情移入して、物語の世界を楽しむ…そんな魅力を持った「読書」と、あらゆることを自分の感覚かのように体感できるという特徴を持った「VR」。
そんな2つを融合させたVRコンテンツが「FullDive novel: Innocent Forest」だ。
「FullDive novel: Innocent Forest」は、「VR×ライトノベル」をコンセプトとし、究極没入型の読書体験ができるという。
その内容はどんなものか!? 幸いにも今回体験することができたので、この記事でその内容をレポートしたい!
記憶を失う森を舞台とした、癒されるファンタジー
「FullDive novel: Innocent Forest」のポイントは2つあり、ひとつはもちろん、VRであること。
もうひとつは、ノベルである以上、物語そのものだ。
本作の物語は、「その森で、人は一つ記憶を失う」といわれる森に迷い込んだ主人公が、不思議な少女ルクレイと出会い、記憶を辿っていく…というファンタジー。
物語はとても静かで穏やかな雰囲気の中進んでいき、心をやさしく癒してくれるかのようだ。
VR酔いもなく操作は快適!自然な感覚で読書を楽しめる
操作は視点によって選択肢を選び、Gear VRのタッチパネルをタッチして進めていく…というもの。
起動したら「START」のアイコンを見てタッチパネルをタッチするとスタート。
物語がはじまった後は、画面右寄りを見てタッチすると次のページへ、画面左寄りを見てタッチすると前のページへ進むことができる。
VR動画やVRゲームのように背景が大きく動くことはないのでVR酔いはしづらいし、ページ送りについても、そこまで大きく首を動かす必要がないので、快適に読み進むことができる。
また、テキストパネルは上下・左右・奥行など自由に移動させることができ、おのおの読みやすい位置に配置ができるようになっている。この点は読み手の気持ちを考えた親切設計と言えるだろう。
また、画面下に配置された開いた本のアイコンによって、特定のページへジャンプすることも可能。
あのシーンをもう一回味わいたい!という時、そのシーンへカンタンにアクセスできる。
物語中、特定のシーンはVRアニメーションで再生される。
これはいわば、VRアニメーションによる「挿絵」といえるだろう。
このシーンではセリフも文字ではなく声優さんの声によって表現されており、今回CVを担当されたのはなんと、あの日高里菜さん!本作を見る際には、日高さんのボイスもしっかりとチェックして欲しい。
また、本シーン初回はシームレスにアニメーションに切り替わり、読み手の読書体験を妨げない設計になっている点も素晴らしかった。
VR空間が最高の読書空間を提供!VRゲームやVR動画とも異なる没入感
ところで、動画やゲームといった手法で、仮想の現実をさも本当のことのように味わえるというVR空間で、わざわざ読書したいか?…そう思った人もいるんじゃないだろうか?
何を隠そう、筆者は最初にそう思った人間だ。
VRを使うんだったら、動画かゲームにしてくれればいいのに…と、生意気にも思った。
だが、本作を体験した結果、それが自分の間違いだと思い知った!生意気なこと思っちゃって本当に申し訳ない!!
本作の魅力は、最高の環境で読書ができる…ということなのだ。
そもそも動画と読書とゲームの魅力は、それぞれ違うものだ。
CGや役者さんの演技といったビジュアル表現をメインで楽しむのが映画、自分の行動によって作品世界に影響を及ぼす楽しさが魅力のゲーム。
そして読書は、自分の内面にある想像力や心理と向き合う楽しさを提供してくれる。
この「読書の楽しさ」に強く影響を与えるのが、読書をする環境だ。
怪談物語やホラー小説を最大限楽しむために、夜遅くなるまで待って、部屋を暗くして読んだ…なんてことはないだろうか?
あるいは、恋愛小説の雰囲気に浸るため、お洒落な喫茶店でコーヒーと共に小説を読んだ…なんてことは?
実際に行ったことはなくとも、作品世界に近い環境で読書をしたら、より作品世界に没入できるんじゃないかな…と思ったことは、あるのではないだろうか。
本作の魅力と書いた「最高の環境での読書」が示しているのはこのこと。
本作は、VRによって作品内の世界観を再現してくれるので、物語内のシーンを感じるためにこれ以上ないほど最高の環境が用意されるのだ。
特に筆者が魅力に感じたのは、森を進み、目の前に一面の花畑が広がるというシーン。
物語の中の主人公が感じた思いと、読者として物語を楽しんでいる自分の思いとがシンクロしている!そう感じずにはいられなかった。
VR動画の没入感とも、VRゲームの没入感ともまた違った、本作だけの没入感といえる。
読書体験が変わる可能性!さらなる作品をもっと読みたい
体験する前はVRと読書という組み合わせに懐疑的だった筆者も、体験した後は「VR×ライトノベル」ならではの魅力にやみつきだ。
これは、読書体験を変える可能性を持っていると感じた。
この物語以外にも、VRで本の内容に相応しい空間を再現する…という形式で作られた作品が読みたい…と強く思っている。
本作は7月25日(火)にGear VR向けにリリース!無料なので、読書好きもそうでない方もぜひ、一度体験してみてほしい。
■「FullDive novel: Innocent Forest」トレーラー
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