VRプラットフォームは複数開発されており、それぞれに長所と短所が存在する。
一般的なスマートフォンで利用できるGoogle Caradboardから専用のVRヘッドセットと映像処理の性能が高いパソコンが必要になるOculus RiftやHTC Viveまで、必要なハードウェアも様々だ。
ウェブブラウザさえあればパソコン、スマートフォン、ゲーム機からもVR体験が可能なWebVRは、潜在的なユーザ数という大きな強みを持つプラットフォームである。
このWebVRの開発者が参加するグループに、Appleの開発者も参加している。
VRの普及を促進するWebVR
気軽に体験しにくいVR
ハイエンドVRヘッドセットを使ったVR体験は、本当にバーチャルな世界に入り込んでしまったかのように感じられる。
視覚と聴覚だけでなく触覚フィードバックをもたらすデバイスが一般に利用されるようになれば、その体験はさらにリアルなものになっていくだろう。
だが、ハイエンドVRヘッドセットを利用できる環境を整えるには金銭的コストがかかる。PCや機械の操作が苦手なユーザにとっては、セットアップも不安だろう。
Gear VRやDaydreamのようなモバイルVRならば低価格でセットアップもスマートフォンをゴーグルにはめるだけだが、対応するスマートフォンが必要になる。
気軽に試せないことは、「VRを知っているが体験したことはない」という消費者が多い理由の一つになっているとみられる。
ブラウザだけでVR
WebVRは、環境を選ばずにすぐ体験できることが最大の特徴だ。
高性能なパソコンや専用のデバイスがなくても、インターネットに接続してウェブサイトを表示できる端末があればVR体験が可能になる。
必要なものは対応したウェブブラウザだけだ。Chrome、Safari、Microsoft Edge、FirefoxといったメジャーなブラウザはいずれもWebVRの表示に対応している。
閲覧するブラウザによって表示される内容が一部異なる可能性はあるが、それは一般的なウェブサイトでも同様だ。WebVRを利用できるブラウザであることは間違いない。
ヘッドセット不要
WebVRでVR体験をするために、HTC ViveやOculus Rift、あるいはGear VRやDaydream Viewのようなヘッドセットは必要ない。
ウェブブラウザ上でVRコンテンツが動作するので、ヘッドセットを持っていないユーザや接続するのが面倒なユーザもVR体験ができる。
他のプラットフォームでは、コンテンツをストアからダウンロードしなければならない。その後、VRヘッドセットを用意してようやく体験できる。
ウェブサイトで面白そうなVRコンテンツを見つけたときに、すぐ体験できるのは大きな強みだ。
もちろん、ヘッドセットを使えばさらに質の高い体験ができる。懐が広く、好きなハードウェアで利用できることもWebVRの特徴だ。
Appleの参加
新しいMacOSでSteamVRに対応するApple。
同社のデベロッパーがWebVRの開発コミュニティに参加していることを伝えたのは、GoogleのWebVRデベロッパーであるBrandon Jonesだ。
彼はTwitterでそのことを報告している。
メジャーブラウザ全てがWebVRに対応
Apple has joined the WebVR community group! The WebVR spec now has input from every major browser vendor. https://t.co/nKuE1rO43f
— Brandon Jones (@Tojiro) 2017年7月5日
このニュースは、Appleのファンだけに関係するものではない。むしろWebVRにとっての大きなニュースと言えるだろう。
上のツイートで指摘されているように、Appleの参加によってメジャーなブラウザを開発する全てのベンダーがこのコミュニティに参加していることになる。
コミュニティへの参加が必ずしも機能の実装に繋がるとは限らないが、AppleのSafariを含むブラウザにおけるWebVRの処理がさらに優れたものに進化していくかもしれない。
VRを知っているだけの消費者がVRユーザになる入り口の役割を果たす技術だけに、WebVRの発展はVRに関わる多くの企業にとって好ましい結果をもたらすだろう。
参照元サイト名:UploadVR
URL:https://uploadvr.com/apple-webvr-community-group/
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