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相手に理解されるには、まず自分を理解せよ!


「どれだけ話しても相手が私のことを理解してくれない」。こう嘆く人は少なくありません。そもそも相手の理解を得られない理由は何か。その答えの1つが「自分の理解」です。なぜ、自分を理解することが相手の理解を得るきっかけになるのか。自分を正しく理解するためにはどんな取り組みが必要か。自分自身を理解することの大切さについて考えます。【週刊SUZUKI #134】

「外交」とは相手との心理的距離を縮め、共感と学び合いの関係を築くこと。その出発点となるのが、「自分自身を深く理解する」ことです。自分が何者であるかを理解していない状態で、他人に自分を理解してもらおうとするのは、当たり前ですが非常に困難です。

自分自身が明確でない状態で相手と話をすると、相手に伝えたいことが曖昧になりがちです。自分の考えや価値観、興味や強みが不明瞭なら、相手はあなたという人間をどのように捉えれば良いのか迷ってしまいます。結果として、相手はあなたに対して興味を抱きにくくなり、深い関係を築くことが難しくなります。つまり、外交を通じて良好な人間関係を築くには、「自分は何者なのか?」の答えを導き出すことを最優先で取り組まなければなりません。

では具体的に、「自分」をどう分析すればよいのか。さまざまなアプローチや取り組み方がありますが、共通しているのは「自分はこうである」と、言葉で明確に表せるようにすること。表すものは何でも構いません。「私は歴史が好きです」、「私は流通に興味があります」など、興味や嗜好を明確にするだけでも十分です。就職活動中に好きなことや興味、関心事を履歴書に記載した人もいるでしょう。転職活動中に自分の経歴を整理する「自分史」を作成した人もいるでしょう。これらと同様に、自分が何を考え、何を目指そうとしているのか、そのために何に取り組んでいる(取り組んできた)のかなどを明確に示すことが、「自分は何者なのか?」と答えとなります。

言葉で表すものは興味や嗜好だけでなく、さまざまな分野・領域を探ることも必要です。日本や世界の動向、政治、法律、経済、仕事、教育、テクノロジーなどの各分野・領域について、自分はどう考えているのかを整理します。そもそも興味があるのかどうか。あるなら具体的にどんなことに関心を寄せ、その関心事に対する自分の考えをまとめます。こうした取り組みを繰り返すことで、「自分」を深く理解できるようになります。ちなみに、興味がない分野・領域があって構いません。「これまで歴史に興味がなかったから急いで歴史を学ぼう」と知識を習得しても、すぐには歴史好きになれません。自分を正しく理解するためには、興味があるものとないものを明確に区分することも必要です。

自分の理解は、興味や関心事を一度整理すれば終わりというわけではありません。日々の気持ちや興味の変化に関心を寄せ、理解しようと努力し続けることが大切です。例えば、1日の仕事を振り返って何を感じたのかを考える時間を就寝前に設けてもよいでしょう。本やWebの記事を読み終えた後に感想を考えるよう心掛けてもよいでしょう。こうした振り返りが、「自分」を明確にします。「自分」への理解を深めます。「自分は何者なのか?」の答えを表現できるようになることで、相手は初めてあなたを理解するのです。

【外交の心得 その11】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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