台湾のカメラメーカー、エッジAIで車両やナンバープレートを瞬時に識別

台湾のセキュリティカメラ―メーカーのLILINは2024年9月9日、ナンバープレートや車両認識システムの強化を発表しました。AI技術を用いたエッジ処理をカメラ内で実行し、ナンバープレート認識や車両認識の精度を大幅に向上させました。これにより、法執行機関や駐車管理、アクセス制御などのさまざまな分野での活用が期待されています。

LILINのナンバープレート認識カメラは、特にスマート交通システムの分野で広く採用されています。AIを活用したこのカメラは、標準的な車両だけでなく、オートバイ、大型バイク、トラック、軍用車両、外交車両、テストプレートなど、さまざまな車両を正確に識別できます。さらに、ナンバープレートだけでなく、車両の種類、色、ブランドの認識もサポートしており、地元の自動車局が発行するほぼすべてのプレートに対応しています。

(PRNewsfoto/LILIN)

特筆すべきは、複数の車両が同時に動いている状況でも高精度な認識を実現する点です。これにより、交通量の多い環境でも正確なデータ取得が可能です。

Even with multiple vehicles in motion, the system still performs accurate recognition. (PRNewsfoto/LILIN)

LILINのナンバープレート認識システムは、単なる認識機能にとどまらず、同社の行動分析システムと連携することで、法執行や駐車管理におけるイベントトリガーとしても活用されています。例えば、赤信号無視や違法な右折を自動的に検出し、違反車両の特定や罰金処理が容易に行えるようになります。これにより、交通違反の監視が効率化され、公共の安全が向上します。

さらに、駐車場管理においては、カメラ内に搭載されたアクセス制御リストを使用し、車両タイプや時間、ナンバープレートに基づいてアクセスを制限したり、駐車料金を統合管理したりすることが可能です。

LILINのシステムは、すべての処理をカメラ内で行うエッジコンピューティング技術を採用しており、追加のコンピュータや複雑なインフラを必要としません。これにより、システムのセットアップや運用コストが大幅に削減され、導入企業にとってもメンテナンスが容易になる利点があります。さらに、LILINのオープンソースSDKを使用することで、認識結果をカスタマイズし、特定のニーズに合わせたシステム構築が可能です。

LILINのAIソリューションは、交通だけでなく、建設現場や軍事施設、港湾、海事、小売、学校など、さまざまな業界での応用が可能です。これらの環境において、ビデオ監視やイベント分析に基づく高度なソリューションを提供しており、公共インフラにおける法的要件や安全基準にも対応しています。

また、ナンバープレート認識だけでなく、LILINのカメラは顔認識、車両および人の流れの検出、仮想フェンシング、マスク着用検出、紛失物検出といった機能も備えており、非常に多用途な監視システムを構築することができます。特に、建設現場や公共施設での安全管理や監視においては、信頼性の高い製品として評価されています。

LILINのナンバープレート認識システムは、AI技術を駆使した高精度な認識能力と多様な応用分野を備えています。法執行、駐車管理、アクセス制御などの用途において、効率的かつコスト効果の高いソリューションを提供しており、今後もさまざまな産業での導入が進むことが期待されています。

執筆：海道理彩