神奈川県南足柄市、災害に強いバックアップ体制の構築へ

神奈川県南足柄市では、2024年度のシステム更改に伴い、バックアップ専用アプライアンスサーバ「Arcserve UDP Appliance 9400」を新たに導入しました。これは、前回の導入に続くもので、南足柄市では既にこのアプライアンスを使っていた実績があります。新しいモデルの導入により、さらなる災害への耐性と業務の効率化を図ることが期待されています。

南足柄市においては、データのバックアップが急務となっていました。特に自然災害やインフラ障害といったリスクがある中で、情報を安全に保護する必要性が増しています。これまでのバックアップ方法では、データ量の増加に伴い、時間がかかり、効率が悪いという課題がありました。そこで、Arcserve UDP Applianceの導入が大きな転換点となったのです。

以前のバックアップシステムでは、具体的には従来の磁気テープ技術「Linear Tape-Open（LTO）」を用いてデータの保管を行っていましたが、データ量の増加により、そのバックアップにかかる時間が問題視されていました。そのため、市では迅速なデータ保護を実現するために、データ専用のハードウェアであるArcserve UDP Applianceを選定しました。これにより、毎日の一次バックアップにかかる時間を約5分に短縮し、故障時のデータ復旧速度を劇的に改善することが可能になりました。

また、Arcserve UDP Applianceを導入することで、バックアップ対象のサーバ台数や容量に関わらず、追加ライセンスが不要となる点も大きなメリットです。この機能により、南足柄市は予算の制約を気にすることなく、バックアップ環境を柔軟に管理できるようになりました。

新しいArcserve UDP Applianceは、VMware、Hyper-V、AHVなどの複数のハイパーバイザに対応しているため、直前に運用していたシステムに手を加えることなく、さまざまな仮想マシンを保護できる柔軟性も持っています。データ容量においても、同市の特定要件に対応する40TBのモデルを選択しており、急激なデータ増加にもしっかりと対応できる体制が整っています。

製品の保守契約も重要な要素です。南足柄市では、導入と同時に6年間のメンテナンス契約を結んでいます。この契約により、将来的な保守手続きの煩雑さを避けることができ、市の情報管理部門の負担軽減にも寄与しています。

南足柄市の企画部企画課情報統計班に所属する長谷川誠氏は、Arcserve UDP Applianceについて、バックアップの取得が迅速で、日次バックアップの所要時間がわずか5分であると評価しています。特に、バックアップが迅速に行えることで、テープバックアップの時間を気にかけずに済むため、業務運用の自動化が進み、管理業務への注力が促されるとのことです。

このように、神奈川県南足柄市のArcserve UDP Appliance導入は、災害に強いバックアップ体制と業務の効率化を実現するための重要なステップとなっています。今後、このような取り組みが他の自治体や企業にとっても一つのモデルケースとして機能することが期待されます。

執筆：DXマガジン編集部