生成AI、建設人材不足、インド…2024年の人材採用トレンドを深掘り

デジタル変革（DX）が進む中、企業は新たな人材を求めています。特に、2024年に株式会社ビズリーチが発表した「2024レジュメ検索トレンド」では、企業の採用担当者が注目するキーワードに変化が見られ、生成AIや人材不足、スキルセットの重要性が強く影響を及ぼしています。

企業のAI活用を背景に「生成AI」が1位に。検索数は前年比約5.2倍に急増。

2024年のレジュメ検索トレンドのトップに君臨したのは「生成AI」。検索数は前年に比べ約5.2倍と急増しました。さらに3位にも自然言語処理の技術である「LLM（Large Language Models、大規模言語モデル）」が入りました。生成AIの急激な発達や普及により、さまざまな業界で新たなサービスや新機能の開発ニーズが高まりました。

次に注目すべきは、建設業界における人材の供給不足です。2位の「施工管理 建築」や11位の「建築施工」、14位の「新築」など建設関連の検索ワードが上昇しました。建設業界は長年にわたって人材不足に悩まされており、その影響が色濃く現れています。特に「1級建築施工管理技士」のような有資格者の検索が頻繁に行われており、この資格を有する人材の需要がさらに高まると予想されます。対応しきれない事業の拡大が、採用市場における人材争奪戦を激化させています。

役職名ではなく、スキルセットが重視される傾向も明白です。「マネジメントスキル」のニーズが拡大しており、ビズリーチによるとPM（プロジェクトマネージャー）のレジュメ検索数は3年前に比べて2倍に増加しています。これは企業が役職としての「管理職」よりも、具体的なスキルを求める傾向を反映しています。今後、役職名にとらわれることなく、スキルセットを重視した採用が進むと考えられます。

さらに、2024年には強靭な経済成長を続けるインド市場において、事業企画や経営管理を担当する人材ニーズが拡大しています。13位の「インド」は世界最大の人口を持ち、今後数年で高いGDP成長が見込まれています。そのため、日本企業がインド市場に新規事業を展開するための人材、特に現地法人の営業や事業管理を担う人材が求められています。インド市場に関連する企業は、今後もこの人材ニーズを満たすための戦略を急ぐ必要があります。

このように、2024年の人材採用トレンドを分析すると、生成AIをはじめとするテクノロジー、建設業界の人材不足、マネジメントスキル、そしてインド市場の必要人材に至るまで、様々な分野での変化が見られます。企業は多様なニーズに対応した採用戦略を練る必要があり、2025年に向けてこれらのトレンドを反映した人材戦略の構築が求められています。詳しくは「株式会社ビズリーチ」の公式ページまで。

レポート／DXマガジン編集部小松