全国4地点のドローン5機体を1人で同時に遠隔操縦、多数機同時運航の実用に期待

NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）とKDDIと日本航空株式会社（JAL）は2024年11月15日、1人の遠隔操縦者が全国4地点に配置されたドローン5機を同時に運航する実証実験に成功したと発表しました。この実証は、NEDOの「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト（ReAMoプロジェクト）」の一環として、ドローンの複数機同時運航を実現するための技術と運用体制を検証するために行われました。

図1：1人の操縦者による5機体同時運航の様子

本実証では、KDDIが開発した多数機同時運航対応の運航管理システムと、JALの航空安全に関する知見に基づいた運用手順を組み合わせて検証を実施。運航管理システムには、予期せぬ状況が発生した際に操縦者を支援する音声通知や操作アドバイス機能が追加されており、これにより操縦者は複数のドローンを効率的かつ安全に管理することができました。

図2：システムと運用手順の前提となる実証シナリオ

実証の結果、運航管理システムと運用手順の有効性が確認され、複数機を同時に安全に運航するための基盤技術が一歩前進しました。また、イレギュラー発生時の対応における課題も浮き彫りになり、今後の改善に向けた貴重なデータが得られました。

図3：多数機同時運航に対応した運航管理システム（イレギュラー時の様子）

図4：リスク評価と対応手順イメージ

この技術は、物流、インフラ監視、災害対応などの分野で、少ない人的リソースで効率的なドローン運用を可能にするものです。NEDO、KDDI、JALは、今回の成果を踏まえてさらなる技術開発を進め、ドローンの社会実装を加速させるとともに、多数機同時運航に関する制度設計にも知見を提供していく予定です。

【関連リンク】
NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）
https://www.nedo.go.jp/

プレスリリース
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101793.html

執筆：DXマガジン編集部