マニュライフ生命がAI導入、顧客に応じた保障や資産形成を提案

マニュライフ生命保険は2024年11月12日、営業職員が顧客に最適な提案を行うための新しい営業サポートツールを開発し、運用を開始したと発表しました。この革新的なツールは、生成AI技術を活用して営業プロセスを進化させ、顧客サービスを一層向上させることを目的としています。新ツールは2024年11月より3つの営業支社で試験運用を開始し、2025年上半期には全営業支社へ展開される予定です。

今回の生成AI導入は、マニュライフ生命の親会社であるマニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーションがアジア全域で優先的に進めているAI技術開発の取り組みの一環です。同社は、世界的なAIのベストプラクティス、自社の分析チームの専門知識、そしてマイクロソフト社の生成AI技術を融合させ、顧客一人ひとりのニーズに対応した提案を可能にするソリューションを構築しました。この新しい営業サポートツールは、生成AIをはじめとする自動化技術を活用して、膨大な顧客データを分析し、個々のニーズに合わせた提案を営業職員に提供します。これにより、営業職員は顧客の属性や行動パターンを深く理解し、より的確なサービスを提供することが可能となります。

マニュライフ生命のCEOブノワ・メスレ氏は、「生成AIへの投資は、当社の変革を加速させ、デジタル化と顧客中心の取り組みを推進する大きな一歩です。当社の営業職員を支援することで、顧客とステークホルダーの双方により大きな利益をもたらすことを目指しています」と述べています。マニュライフ生命のチーフ・マーケティング・オフィサー、カーラ・ハートライト氏は、生成AIの導入が営業職員に新たな力を与え、顧客とのコミュニケーションを深めるだけでなく、顧客が安心して意思決定を行えるよう支援する重要な役割を果たすと強調しました。また、同氏はマイクロソフトとのパートナーシップについて、最先端の技術を活用した顧客体験の向上を継続する同社の取り組みの証としています。マイクロソフト社のジャクリーン・オフラナガン氏は、今回のツール導入がAI技術による金融サービス業界の変革を示すものであると述べ、マニュライフ生命との協力が顧客エンゲージメントの向上や業務効率化に寄与すると評価しました。同氏は、このパートナーシップがAIを活用した意義あるソリューションの創出に向けた共通のビジョンを体現していると述べています。

マニュライフ生命は、生成AI技術を通じてデジタルと顧客サービスのリーダーとしての地位を強化し、保険業界におけるイノベーションを加速していく方針です。この取り組みは、顧客体験の向上だけでなく、営業職員の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。さらに、2024年の「トップ・エンプロイヤー・ジャパン」に認定された同社は、優れた雇用環境とともに、AI技術を駆使して顧客と従業員双方に価値を提供することを目指しています。

レポート／DXマガジン編集部折川