日本はなぜ遅れている？STEM人材の意識調査から見えてくるものとは

最近の調査によると、STEM（科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学）分野の人材がAIに対する認識を大きく変化させていることが明らかになりました。これまで多くのSTEM人材は、AIを脅威として捉え、雇用の安定を揺るがす存在と考えていました。しかし、近年の調査結果は、彼らがAIの利点を理解し、積極的に活用しようとする姿勢に変わってきていることを示しています。

具体的な調査データでは、STEM人材を対象にした2024年の調査で、回答者の60%が最新のAIツールを導入している職場を魅力的だと感じていると回答しました。この数値は、昨年の34%と比べて大幅な増加を示しています。この意識の変化は、AIがもたらす生産性向上のメリットが広く認識され始めたからだと考えられます。

また、SThree社のCEOティモ・レーネ氏が指摘するように、多くの国でSTEM人材がAIの利点に目を向け、前向きな姿勢を確立している一方で、日本のSTEM人材が同じようにAIを受け入れているペースは他国に比べて緩やかです。調査によると、オランダでは67%、英国では62%の回答者が最新のAIツールを用いる組織に魅力を感じている一方で、日本は53%と最下位に位置しています。この結果は、日本における文化的背景や雇用形態の違いが影響している可能性があると考えられます。

さらに、調査では従業員と経営層の間でAIに対する意識にも違いが見られました。多くの回答者が自らを経営層よりもAI活用に前向きだと感じており、特にドイツや米国ではこの傾向が顕著です。日本でもこれに似た動きはありますが、全体的にはAI活用に対する意識が経営層に比べて低いことが明らかになっています。

これらの結果を通して、STEM分野の人材におけるAIに対する意識の転換は、今後の労働市場や企業戦略において重要な要素となるでしょう。AIを単なる脅威ではなく、共存し、活用すべきツールとして受け入れることが、これからの時代に求められています。これが実現すれば、各業界での生産性向上や新たな雇用創出につながる可能性が大いにあると言えます。詳しくは「SThree株式会社」の公式ページまで。

レポート／DXマガジン編集部海道