もしも少しでもバレエに興味があるなら、2023年はバレエ鑑賞にチャレンジしてみませんか?
「バレエ鑑賞は、バレエに詳しい人だけが行くもの」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、案外、鑑賞初心者さんでも楽しめるんです。仮に、主役ダンサーの名前を知らなくても、バレエの技(バレエ用語ではパといいます)が分からなくても、素晴らしい舞台は観る人の心を揺さぶります。
とはいえ、鑑賞マナーなどの基礎知識がなければ十分にバレエ鑑賞を楽しめないかもしれません。本稿では、バレエ公演のチケットの取り方、席種、服装、鑑賞マナーなど、バレエ鑑賞が初めての人に知ってほしい知識をギュッと詰めこみました。
■ バレエ公演のチケットはどうやって取る?
基本的に、プロのダンサーが行うバレエ公演は指定席です。事前にチケットを購入する必要があります。主なチケット購入方法は以下のとおりです。
▼ チケットの取り方
・バレエ団の公式サイトから購入する
・チケット販売サイトから購入する
・バレエ鑑賞好きな友人にお願いする
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最も一般的な購入方法は、バレエ団の公式サイトまたはチケット販売サイトからの購入です。一つ一つ解説していきます。
バレエ団の公式サイトから購入する
観たい演目やバレエ団が決まっている場合は、バレエ団の公式サイトからチケットを購入しましょう。
バレエ団の公式サイトには「公演情報」のページがあり、チケット購入方法が記載してあるはずです。(公式サイトから、後述のチケット販売サイトに飛ぶこともあります)
通常、公演の2~3か月前に誰でも購入できる「一般発売」が始まります。公演情報ページには、チケットの購入方法のほか、予定キャストやストーリー、公演時間などの記載もあるため、必ず目を通しておきましょう。
チケット販売サイトから購入する
チケット販売サイト(プレイガイド)でもバレエ公演のチケットを多数取り扱っています。
観たい作品が決まっている場合はもちろんのこと、演目やバレエ団が特に決まっていない場合でも、チケット販売サイトで「バレエ」と検索すれば、取り扱いのあるバレエ公演が一覧で見られるのでおすすめです。
バレエ鑑賞初心者におすすめの作品は、過去の記事「バレエ初鑑賞ならこれを観て!おすすめ3作品をあらすじ・見どころとともに紹介」で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
バレエ鑑賞好きな友人にお願いする
バレエ鑑賞好きな友人がいるなら、友人にチケットを取ってもらうとよいでしょう。あなたの希望を聞きながら、おすすめの演目や席を選んでくれるはずです。(人気の演目だと希望をすべて叶えることが難しいかもしれませんが……)
座席選択できる場合、並びの席を取ってもらえば、開演前にストーリーや見どころを聞けるので安心です。
■ バレエ公演の席種・チケット代
チケットを購入する際に、選ばないといけないのが「席種」です。
会場やバレエ団によっても異なりますが、一般的なバレエ公演では、S席・A席・B席・C席と席種が別れています。S席が最も観やすく、A席・B席となるにつれて、ステージからの距離が遠くなったり、サイドの席だったりと観づらい席になります。
2022年12月以降、東京で行われる直近10公演(プロの公演のみ)をもとに、おおよその料金を算出してみました。料金は、おおむね下記のとおりです。
▼ バレエ公演の平均的なチケット代
・SS席……18000円~(※)
・S席……11000円~16000円
・A席……8800円~13000円
・B席……6000円~9000円
・C席……3000円~7000円
・D席……3000円~5000円(※)
※SS席、D席はバレエ団、公演によっては設けられていないことも多い
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海外バレエ団の公演だと、上記よりもチケット代が高くなり、S席が2万円を超えることもあります。
初めてのバレエ鑑賞が観づらい席だと、バレエの魅力を存分に感じられないかもしれません。料金は高いですが、まずは王道に観やすい席である「S席」の購入をおすすめします。中でも、1階の前方・中央ブロックは最も観やすいです。座席選択ができる場合は、なるべく1階の前方・中央ブロックを購入しましょう。
なお「観にくくてもいいからバレエ鑑賞の雰囲気をつかみたい」とお考えであれば、B席やC席もアリです。舞台の一部が見えなかったり、遠くてオペラグラスがないと見えなかったりしますが、安いぶん気軽にバレエ鑑賞にチャレンジできます。
ちなみに、会場によってはオペラグラスのレンタルが可能です。レンタル料+保証金(現金で5000円程度が多い)を支払えば、利用できます。
※オペラグラスのレンタルについて:会場や公演によってレンタルの有無が異なるほか、感染症対策としてレンタルを休止している場合もあります。事前の問い合わせがおすすめです。
■ これさえ守れば大丈夫!バレエ鑑賞の基本マナー
続いて知っておきたいのが、バレエ鑑賞の基本マナーです。自分も周囲の人も気持ち良く鑑賞できるよう、下記のマナーは知っておきましょう。
▼ バレエ鑑賞の基本マナー
・電子機器の電源はオフまたは音・光を発しない状態にする
・上演中はできるだけ音を立てない
・座席から背中を離さない(前のめりな体勢で鑑賞しない)
※電子機器について:商業演劇では聴覚障がい者の方へ向けて字幕端末(主にタブレット)を貸し出すことが増えています。バレエに台詞はありませんが、今後何らかの形で聴覚障がい者の方の観劇をサポートする目的で活用される可能性があります。その場合は電源オフの対象には含みません。
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バレエ公演は、通常、客席の照明が落とされ、シーンとした状態で始まります。荷物を漁ってガサゴソと音を立てたり、隣の人と話したりするのはNG。極力音を立てないように注意しましょう。
携帯電話やスマートウォッチなどの電子機器は電源をオフにするか、音や光を発しない状態に。暗い客席で携帯電話やスマートウォッチが光ると、かなり目立ちます。音や光を発すると、場合によってはダンサーの集中を妨げる可能性も。絶対にやめましょう。
バレエに限らず、舞台鑑賞初心者さんに多いのが、座席から背中を離して前のめりな体勢で鑑賞してしまうことです。座席から背中を離して鑑賞すると、後ろの席の人の視界を妨げてしまいます。背中は座席から離さないよう注意しましょう。
基本的には、周囲の人の邪魔をしないことを意識しておけばOKです。ほかにも、開演直前に慌てて席に着くと、すでに着席している人に迷惑をかけます。開場時間(通常、開演時間の30分前)を目安に会場に着くようにしましょう。開演前にトイレを済ませておくことも忘れずに!
■ 服装は「普段より少しおしゃれする」くらいでOK!
バレエ鑑賞初心者さんにとって、服装選びも鑑賞のハードルを上げる1つの要因ではないでしょうか。「華やかな服装じゃないとダメ?」「ネクタイは着用すべき?」など、迷ってしまいますよね。
実は、日本国内におけるバレエ公演では、特にこれといったドレスコードはありません。ビーチサンダルやスウェットなど、あまりにもカジュアルな格好だと浮いてしまいますが、特別にかしこまった格好をする必要もないのです。
とはいえ、バレエ鑑賞は非日常を感じられる世界。「いつもより少しおしゃれする」くらいの意識がちょうどよいと思います。女性であればキレイめのワンピース、男性であればシャツやジャケットなどがおすすめです。もちろん、特別な一着で決めるのもOK。筆者はバレエ鑑賞をするとき、お気に入りのワンピースを着るなど、いつもより少し気合いを入れて服装を選んでいます。
ただし、アップスタイルの髪型や音が出やすい服装やアクセサリーは、周囲の人の鑑賞を邪魔する可能性もあります。周囲の人への配慮も忘れないようにしましょう。
また、会場は空調が効いています。夏場でもカーディガンやストールなど体温調整できるアイテムがあると安心です。
■ ストーリーの予習は欠かさずに!
観に行く公演が決まったら、ストーリーの予習をしておきましょう。バレエは、声を発さずに身体の動きや表情でストーリーが進んでいきます。ストーリーを知らないと十分に楽しめないかもしれません。
バレエ団の公演情報を見たり、ネットで「〇〇(作品名) ストーリー」と検索したりすれば、あらすじや登場人物を予習できます。
なお、演出によっては、ネットで調べたストーリーと細かい設定が異なる可能性も。会場で購入できる公演パンフレットに細かい設定や見どころなどが記載してあるため、ぜひチェックしてみてください。
■ バレエ鑑賞に出かけてみよう!
バレエ鑑賞初心者さんに知ってほしい鑑賞の基礎知識やマナーを解説しました。読者のみなさんの「バレエ鑑賞のハードル」を少しでも低くできていたら幸いです。
バレエの専門的なことが分からなくても「あのダンサーかっこいい!」「あの動きすごかった!」「音楽や会場の雰囲気にうっとりした!」……こんな楽しみ方でもいいんです。言葉のないバレエだからこそ、受け取り方、楽しみ方は自由!
少しでもバレエ鑑賞に興味をお持ちいただけたら、ぜひバレエ公演に出かけてみてください!
(上村舞)