猫が鼻を『フガフガ』鳴らしているときの原因3つ 受診が必要な場合も

猫は基本的に鼻はフガフガさせない

猫は基本的に、鼻を「フガフガ」と鳴らすことはありません。猫の呼吸は基本的に静かで、健康な状態であれば特に音を立てることはないのです（※短頭種の猫は、健康でも鼻が鳴る子がいます）。そのため猫が「フガフガ」と音を立てる場合には、何らかの原因が存在すると考えてもよいでしょう。

原因については後述しますが、生理的なものだけでなく、病的なものが原因となるケースもあるため、それに合わせた対処が必要です。

1.逆くしゃみ

猫が鼻を『フガフガ』と鳴らしている原因の一つが「逆くしゃみ」です。発作性呼吸ともいいます。通常のくしゃみとは逆で、鼻から急激に空気を吸い込むことにより「フガフガ」といった音が生じるというもの。

突然起こる反射的な現象で、鼻腔に刺激を感じたときに発生し、とくに昼寝や食事、遊びのあとに起こりやすいといわれます。

個体差はありますが、一般的に数秒から1分程度で収まり、猫自身もけろっとした様子である場合がほとんど。生理現象のひとつなので、とくに病院を受診する必要はありません。

2.鼻づまり

猫が鼻を「フガフガ」鳴らしている原因のひとつに「鼻づまり」があります。鼻づまりは猫の鼻腔が何らかの理由で詰まってしまう状態で、主な原因は、猫風邪や感染症、異物の吸入などです。鼻づまりが続くと、猫は呼吸がしづらくなり、鼻が「フガフガ」鳴ります。

そしてこの状態が長引くと、食欲不振や元気がなくなるなどの二次的な問題が発生する場合もあるので、たかが鼻づまりと思わず、猫の体調に注意しましょう。

程度が悪化すると開口呼吸などにつながる危険性もあります。愛猫の呼吸の様子をよく観察してあげてください。

3.病気

猫の鼻フガフガは、病気が原因である場合もあります。この場合は専門的な治療が必要であるため、なるべく早めに動物病院につれていきましょう。

猫が鼻をフガフガする病気には、おもに次のようなものがあります。

猫風邪

猫が鼻を『フガフガ』させる原因のひとつに、猫風邪があります。

猫風邪は、ヘルペスウイルスやカリシウイルス、その他の細菌などにより引き起こされる感染症で、とくに子猫や免疫力の低下した猫がかかりやすい病気です。非常に感染力が高い疾患で、発症すると、鼻水・くしゃみ・鼻づまり・フガフガといった呼吸音・発熱・食欲不振などの症状があらわれます。

風邪とはいえ重症化すると、肺炎などの深刻な合併症を引き起こすリスクもあるので注意が必要です。ワクチン接種が最大の予防策となりますが、感染した場合は獣医師による専門的な治療が必要となります。

余談ですが、わたしの愛猫も先日猫風邪になりました…。フガフガ＋鼻水の症状があったものの、処方された薬を飲んで回復しました。

鼻炎

鼻炎は鼻腔内の粘膜が炎症を起こした状態で、アレルギーや感染症、異物の侵入などが主な原因となります。

鼻炎になると鼻腔炎症で空気の通り道が狭くなって、鼻をフガフガさせたり、鼻水やくしゃみを頻繁にしたり、食欲不振や元気の低下といった全身症状を伴ったりする場合も…。

早期に適切な治療が必要であり、原因によっては抗生物質や抗炎症剤、アレルギー対策が行われます。また環境要因を見直し、清潔な生活空間を整えることも予防や改善に役立ちます。

歯周病

猫が鼻を『フガフガ』させる原因に、歯周病も挙げられます。「鼻なのに歯が関係するの？」と思いますが、口と鼻はつながっているので、歯周病が鼻に影響を与えることもあるのです。歯周病は歯茎や歯の周りの組織が炎症を起こす病気で、細菌の感染が主な原因。この病気が進行すると、口腔内の炎症が鼻腔にまで及ぶことがあります。

その結果、鼻腔内の組織が腫れたり、膿が溜まることで呼吸が妨げられ、鼻を鳴らすような音が発生するのです。

猫は歯周病になると口臭やよだれ、歯茎の赤み、食欲不振、顔の腫れといった他の症状を伴うケースが多く、とくに高齢猫のほとんどは歯周病に罹患しているといわれます。そのため猫の歯周病が目立つようになったら、早めに獣医師に相談しましょう。

腫瘍

猫が鼻を『フガフガ』と鳴らす原因のひとつに、鼻腔内や副鼻腔内に発生する腫瘍が挙げられます。

これらは鼻腔を物理的に狭めたり、空気の流れを妨げたりするので、猫が呼吸をする際に異音を発生させるのです。また鼻の中にできるものは悪性のものが多く、時間とともに症状が悪化する場合もあります。

正確な診断には、画像検査や組織の検査が必要で、早期発見と適切な治療が回復の鍵。定期的な健康診断や、長引く鼻炎や顔面の変形に気づいたら、早めに獣医師に相談しましょう。

まとめ

猫が「フガフガ」と鼻を鳴らす原因は、生理現象から深刻な病気のサインなど、さまざまです。

一見、見分けるのは難しいでしょう。ただなかなか治らなかったり、苦しそうなどほかの症状があらわれたときは、早めに動物病院を受診してださい。

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