2025年、私たちの「技術の常識」は、確実に書き換えられてきました。
注目すべきは、それらが単なる実験室のアイデアではなく、実際に動き、使われ始めている技術だという点です。
戦場のルールを変えかねない新型兵器、エネルギーの概念を覆す超小型ロボット。
そして「金属は生きていない」という前提すら揺さぶる新素材。
一見するとSFのようですが、これらはすべて現実の研究成果です。
今回は、2025年に登場した数々の研究・技術ニュースの中から、世界の安全保障、産業、そして未来の暮らしに大きな影響を与えかねない発明を厳選し、ランキング形式で紹介します。
単に「すごい」だけで終わらない、“世界がどう変わるか”まで考えさせられるTOP5を、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 第5位:レーザー兵器「ドラゴンファイア」が時速650キロの高速ドローンを撃墜
- 第4位:液体金属とバクテリアを融合させた「生きたメタル」を開発
- 第3位:一撃でドローン49機を撃墜するマイクロ波兵器“レオニダス”が登場
- 第2位:【バッテリー無しでもなぜか飛ぶ】世界最小の無線飛行ロボットが誕生!
- 第1位:“引っ張ると「縮む」構造”が開発される
第5位:レーザー兵器「ドラゴンファイア」が時速650キロの高速ドローンを撃墜
レーザー兵器「ドラゴンファイア」は、新しいエネルギー兵器が実戦レベルに近づいていることを示す象徴的な成果です。
試験では、時速650キロで飛行する小型ドローンに対し、レーザーを正確に追尾して照射し、短時間で無力化しました。
高速で動く目標に照射を維持できた点が大きな意味を持ちます。
出力が約50キロワット級であることや、1キロ先の1ポンド硬貨ほどの小さな目標に照準できる精度、照射1回あたりのコストが約10ポンド(約2000円)とされる点も強調されています。
電力さえ確保できれば弾薬を補給する必要がなく、繰り返し運用できることが大きな利点です。
安価なドローンを大量に使った攻撃に対して、ミサイル迎撃の負担を減らせる可能性もあります。
今回の成功は、新しいレーザー兵器が研究段階から実用へ進みつつあることを示しており、2027年の配備予定です。
今後、防空システムや戦場のあり方に大きな影響を与える可能性があります。
第4位:液体金属とバクテリアを融合させた「生きたメタル」を開発
この研究が示したのは、「金属は無生物」という常識を揺さぶる新しい材料観です。
研究チームは、常温で液体状態を保つガリウムとインジウムの合金(液体金属)と、枯草菌(Bacillus subtilis)の芽胞を組み合わせることで、自己修復能力をもつ導電材料を作り出しました。
金属に「生物のしぶとさ」を混ぜ込むような発想です。
液体金属は柔軟で導電性が高い一方、表面に酸化膜ができると電気が流れにくくなります。
ここで芽胞が重要な役割を果たします。
芽胞が酸化膜を壊し、断たれた電気経路を再びつなぎ直すように働くことで、導電路が自己修復されるのです。
さらに芽胞が発芽して活動状態になると、電子を生み出す「発電性」の働きによって導電性が大きく高まることも示されました。
つまりこの材料は、損傷を修復するだけでなく、条件次第では性能が強まるような、生物的なふるまいを見せます。
自己修復回路や長寿命センサー、柔らかく伸び縮みするデバイスなどへの応用が期待されています。
第3位:一撃でドローン49機を撃墜するマイクロ波兵器“レオニダス”が登場
マイクロ波兵器「レオニダス」は、従来の迎撃兵器とは発想が大きく異なります。
ミサイルや機関砲のように「物理的に当てて壊す」のではなく、強力なマイクロ波を照射して、ドローン内部の電子回路そのものを機能不全に陥らせます。
狙うのは機体の外側ではなく、頭脳に当たる電子機器です。
この方式の最大の特徴は、一度の照射で複数のドローンを同時に無力化できる点です。
実証試験では、ドローンを対象にした実演が行われ、49機を同時に一撃で墜落させる場面も示されました。
また、左右から同時に迫るドローン群への対処や、複数機のうち特定の1機だけを狙うような使い方、落下地点を安全な区域に誘導する狙い方なども可能です。
つまりレオニダスは、「群れをまとめて止める」だけでなく、「状況に合わせて無力化の方法を選択する」ことが可能な兵器なのです。
ドローン戦争の時代に、防衛の考え方そのものを変えかねない技術として注目されています。
第2位:【バッテリー無しでもなぜか飛ぶ】世界最小の無線飛行ロボットが誕生!
このロボットの最大の特徴は、「飛行体なのにバッテリー(電源)も電子回路も持たない」という点です。
翼の直径は9.4ミリメートル、重さは21ミリグラムという極小サイズで、外部から与えられた磁場を利用して飛行します。
自分でエネルギーを生み出すのではなく、外の環境を動力源に変えてしまう発想がポイントです。
仕組みは、外部の交流磁場と機体内部の永久磁石の相互作用で回転力を生み、回転翼が回って揚力を作るというものです。
制御信号も外部磁場の調整で与えられるため、機体側に複雑な装置を載せる必要がありません。
さらに、安定した飛行を支える工夫として、バランスリングによるジャイロ効果も重要な役割を果たします。
飛行距離や自由度には制限がありますが、この研究の意義は「飛ぶために必ずしもバッテリーが要らない」ことを実証した点にあります。
将来的には、狭い場所や入り組んだ環境での観測、植物の隙間のような空間での調査、農業や環境モニタリングなどへの展開が期待されています。
第1位:“引っ張ると「縮む」構造”が開発される
この研究が注目される理由は、「力のかかり方」と「形の変化」が私たちの直感と正反対だからです。
通常、物体は引っ張れば伸び、押せば縮みます。
しかし今回開発された構造体は、外から引っ張る力を加えると、ある条件を超えた瞬間に全体が急激に縮む挙動を示します。
この不思議な動きは、複数の非線形バネや可動要素を組み合わせ、内部にエネルギーが蓄積される仕組みを精密に設計することで実現されました。
力が一定値を超えると、構造内部の安定状態が切り替わり、一気に別の形へ「スナップ」するのです。
重要なのは、素材そのものが特殊なのではなく、「構造の組み方」によって性質を反転させている点です。
応用先として、義肢やウェアラブルスーツのように必要な瞬間だけ挙動を切り替えたい装置、飛行機や風力タービンの振動を抑える仕組み、耐震建築などが挙げられています。
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部
