ラサアプソの特徴
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地面までつくほどの長い被毛、ゴージャスな毛並みとその毛から見えるまん丸の瞳。
品格を感じさせるたたずまいが人気の「ラサアプソ」という犬種をご存知でしょうか?
ゴージャスでミステリアスな、その独特の雰囲気とたたずまいはとても魅力的です。
ラサアプソは非常に希少価値が高く、日本ではまだあまり知られていません。
購入するにもブリーダーを探すのに一苦労するでしょう。
しかし、その歴史はとても古くなんと2000年前から存在していたとも言われています。
昔には「魂が宿る犬」とか、「魔よけの犬」として、幸運をもたらす犬として重宝されていたこともあるようです。
なぜラサアプソはそんなに人気があり、希少価値があるのでしょうか?
この希少価値のあるラサアプソについてもっと知り、犬好きが知るべき豆知識を増やしましょう!
ラサアプソの外見的特徴
ラサアプソを見てまず気づくのは、その被毛のゴージャスさでしょう。
頭から足の先まで、全身がゴージャスで見事な被毛に覆われています。
もともとチベットにいた犬種なので、チベットの厳しい寒さにも耐えられるような、ダブルコートになっているんですね。
小型犬なのですが、その姿はとても特徴的なので存在感は抜群です。
全身たっぷりの長い毛でおおわれているので、体型はよくわからないかもしれませんが、がっちしとした体形をしています。
目がくりくりとしていて、丸い少し大きめの黒い鼻がついていて、まるでぬいぐるみのような見た目です。
瞳はアーモンドアイかオパールアイで、暗色です。
くりっとした瞳がとてもチャーミングなのですが、被毛で隠れていることも多いですね。
クリッピングで目が見えるようにしてあげるのも可愛いです。
マズルは長くなく、頭蓋の3分の1程度です。
歯のかみ合わせでは、上下の歯がぴったりと合わさるか、もしくは下の歯が少し出ています。
頬やあごにも長いひげが生えているので、「ライオンのようだ」と言われることもあります。
尻尾もかなり長い豊かな飾り毛があります。
ラサアプソの寿命・体型
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体高は25~28cmと、小型犬の部類になります。
体高よりも体長の方が長いです。
オスよりもメスのほうが少し小さいです。
体重は6~7㎏ほどです。
小型犬の中では胸の幅は広めで、がっちりとした体型をしています。
骨格もしっかりとして、筋肉もしっかりとしているので、小型犬ながらも力があり瞬発力にも優れている犬種です。
寿命は平均で12~14歳と言われています。
比較的長生きしてくれる犬種で、なんと中には20歳、そして最高で29歳まで生きた子もいるそうです!
29歳・・・、ちょっと驚きですが、ストレスなく過ごさせてあげることや、健康管理をしっかりすることなどで、寿命がかなり延びる可能性のある犬種なのかもしれませんね。
聴覚に優れている!
ラサアプソの特徴として、聴覚がとても優れている、という点があります。
人間が気づかない時から来訪者の足音に気づいて知らせてくれたりします。
さらに、雪山の大きな危険である雪崩の前兆さえも気づくことができるようです。
それで、チベットでは今でも、雪山に登る時にはラサアプソを連れていくことがあるそうですよ!
シーズーやペキニーズの祖先
シーズーはシーズー、は中国にラサアプソが渡ったのちに、中国の犬種ペキニーズとラサアプソを交配して作出されたそうです。
それで、シーズとラサアプソってとてもよく似ているんですね!
シーズーとラサアプソを見分けるのが難しいこともありますが、2つの犬種を見分けるポイントは鼻の長さにあります。
シーズーはラサアプソよりもぺちゃんこの鼻をしています。
そして、やや上向きです。
ラサアプソの方が前に伸びている鼻をしているんですね。
ラサアプソの歴史
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ラサアプソの起源は古くチベットにあります。
チベット仏教の聖都が「ラサ」という市で、そこから名前がとられました。
「アプソ」はチベット語の「ラプソ」が変化したものと言われています。
チベット語の「ラプソ」は「ヤギ」の意味があります。
ラサアプソは800年以上昔から、チベットの一般家庭で飼われ、家庭犬として愛されてきました。
主に聖都ラサの市内で繁殖が進み、寺院や住居内でその姿が見られたようです。
家庭犬としては番犬として優れた働きをしました。
耳が良いので危険が迫ったときにもすぐに知らせ、泥棒や敵から家族を守っていたのです。
またチベットの山岳地方では雪山にも連れて行かれ、雪崩を知らせるために働いていました。
チベットの市民の生活に深く根付いて生活していたのです。
ラサアプソの起源ははっきりしていません。
チベットでは、ラサアプソと仏教の信念とが深く関係しています。
「ラマ」という名前はチベット仏教の僧に用いられます。
古代チベットの人達は、死んだラマの魂がラサアプソの中に入り込む、と信じていたようです。
こうして輪廻転生の教えの崇拝対象とされ、ラサアプソ自体が崇拝されていた時期もあったようです。
チベットでは、ラサアプソを神聖なものとして扱う風習があります。
つまり、ラサアプソは聖なる犬の一つとして考えられていたわけです。
チベットで活仏とされている「ダライ・ラマ」は、このラサアプソを中国の皇帝に贈り物として献上していたようです。
中国に渡ったラサアプソは、中国古来からいる犬種と交配し、ペキニーズが作出されました。
のちに、そのペキニーズとラサアプソを交配して、シーズーが作出されて、シーズは獅子犬として神聖なものとして扱われていたそうです。
第二次世界大戦後にはアメリカにも伝わり、繁殖されて広がりました。