お腹を見せてゴロン!どういう意味??
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愛犬があなたの前でお腹を見せて仰向けに寝転がることがありますよね。 お腹を見せて仰向けになるというのは、実は様々な意味があるのです。
その様々な犬の理由を解説していきましょう。
本来犬が仰向けになるのは珍しい事!
犬は人間とともに生活して人間の生活に適応するよう進化してきた動物なので、よく「オオカミ時代の名残が…」と言われることがありますが、よっぽど原種に近い犬種でない限り、現在の愛玩犬達はその説にはあまり当てはまらないこともあります。
しかし 全ての動物で今現在も共通しているのは、首・お腹・手足は急所であるということです。 首には太い血管や神経が通っており、首を傷つけられたら命にかかわります。お腹は皮膚が薄く、傷つけられると傷はすぐ内臓に到達してしまい、命にかかわります。
さらに手足は、怪我をしたり失っては歩けなくなるため、ご飯が食べられなくなり命にかかわります。そのため、本来動物たちは無意識に急所を守るような恰好をとるのです。
ですから、犬が仰向けになり急所のお腹を見せるという事は 本当は「珍しいこと」であると言えます。
犬が仰向けになりお腹を見せているときは、その原因と注意点をしっかり理解して接してあげましょう。
犬が仰向けになる理由
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あなたに降参しているとき
犬が仰向けになっている時で、犬の気持ちとして考えられる原因の一つ目はごめんなさいをしているときです。仰向けになり、急所のお腹を見せることで「ごめんなさい、あなたには降参しました…」と伝えています。
そういう時はたいてい、あなたが叱った後などに仰向けになりお腹を見せた場合や悪いことをした後だったりします。 仰向けになりお腹を見せた場合は、あなたの愛犬の気持ちとしては「ごめんなさい、怒らないで」と言っています。
耳や目、尻尾を見てみると…そんな時は耳を寝かせて、目はしょぼしょぼしていると思います。尻尾は控えめに振るか、足の間にしまっているでしょう。
注意点ですが、この時に更に怒ったり嫌なことをしてはいけません。 怖がっているときにそのような行為をすると、犬があなたのことを嫌いになって噛む・うなるなどの問題行動の原因になる事があります。
一方で仰向けになっている姿がかわいそうだから、あるいは可愛いからと撫でたりおやつをあげることをしてはいけません。
犬の「ごめんなさい」には反省の気持ちはありません。 ただ単に優しい飼い主さんを望んでいるだけなので、叱られる原因となった行動をイケナイとは学ばず、仰向けになれば飼い主さんのご機嫌が取れるものと学習してしまいます。
あなたを信用し、甘えているとき。
犬が仰向けになっている時に考えられる犬の気持ちとして、二つ目の原因はあなたを信用して甘えているときです。これは嬉しいですよね。
犬種や性格にもよりますが、犬は人間にかまってもらったり撫でてもらうのが大好きな動物です。また、足が短い犬の場合はお腹は自分で上手く掻くことができないので、飼い主に掻いてもらおうとすることもあります。
仰向けになりお腹をさすってもらうことは、信用している人にしかお願いできないことなので、あなたの事を信用していると同時に大好きでかまってほしいことを表しています。
耳や目、尻尾を見てみると…そんな時は耳は人間のほうを向けて立ち、目はしっかりと開いて、ウキウキしたように尻尾を振っているでしょう。
注意点ですが、このときに犬が嫌がることはやめましょう!
信用してくれているのに、不信感を持つ原因になります。 また、犬に要求されるままに撫でることもよくありません。ワガママになってしまいます。
撫でてあげたい気持ちはいったん抑えて、何か命令してください。「お座り」でも「伏せ」でも構いません。 その命令に従ったらお腹を見せるよう(「ゴロン」など)命令し、従ったご褒美として撫でてあげましょう。
また、仰向けになり噛むこともあります。 犬からしたら甘えて甘噛みをして遊んでいるつもりなのですが、噛むことを許してはいけません。きちんと、遊ぶ時には遊ぶ、ダメな時にはダメだと教えましょう。
暑いとき。
犬が仰向けになっているとき、考えられる原因の三つ目は暑い時です。
犬は人間と違い体表に汗腺がないために、汗をかきません。そのため、犬にとっての体温調節は 舌を出して呼吸したり、冷たい場所に身体をつけて身体を冷やします。
毛が少なく皮膚が露出しているお腹を、仰向けになって空間に露出することによってお腹を冷やし体温を下げようとしていることがあります。
そんな時は仰向けになりながら、舌を出してパンティング(ハァハァすること)しているので、冷房をつけたり、タオルを巻いたアイスバッグなどを与えてあげてください。
犬は汗をかけないのですぐに体温が上がってしまい、熱中症の原因になり命に関わるので、注意点として暑い日に仰向けになる行動を見たら身体を冷やしてあげましょう。 そして脱水症状にならないためにも、水分補給も忘れずにしてあげましょう。
犬が仰向けになりくねくねゴロゴロとする場合は?
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その他の場合でも犬が仰向けになることがあります。
背中を床や地面などにこすりつけながら くねくねゴロゴロしている時は、気持ちの良い時やリラックスしてとても満足している時、気分的に嬉しい時です。手で頭をこすったりする子もいます。
また、シャンプーの後や洋服を着させた時にゴロゴロして床に背中をこすりつける時は、自分の身体に着いた臭いを消そうとしているのです。飼い主さんとしては良いにおいになって嬉しいのですが、犬からしたら違うのですね。
犬は本能的に自分のにおいが敵に悟られるのを防ぐため、木や草のにおいを身体にこすりつけて自分のにおいをカモフラージュすることもあります。
それだけでなく、犬にとって身体のにおいは情報源としてとても大切なので、自分をアピールするために必要なにおいが薄いのは問題なのです。
犬同士の好みの判断源にもなるため、犬が地面に体や顔をこすりつけるのは身体についたにおいを取ろうとしていたり、自分の好みのにおいを身体につけようとする行為でもあるのです。
仰向けになるようにしつけることも大切です
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普段からあまり仰向けにならない犬に急に仰向けをさせても、仰向けにはなりません。 今までしたことのない、無理な体勢に驚いてしまうからです。
仰向けにさせるためには、まず側頭部や背中に手を当て、仰向けの体勢を教えることから始めましょう。
その際に暴れたり噛まれることを避けるため、片方の手で前脚を押さえるようにすると良いでしょう。前脚を動けなくすると、反動で起きようとするのを防ぐことがでします。
仰向けになることを覚えさせるのは、飼い主さんがリーダーだと認識させて主従関係を覚えさせること以外に、お腹周りや脚の付け根、脚の側面は異常を発見しにくい場所なので、特にお腹辺りや脚周りの病気の早期発見ができるというメリットもあります。
発見が難しいために重症になってから気がつくことが多いこれらの部位に、皮膚炎や腫瘍による膨らみといった異変が出来ているのを早期に見つけられたりするので、健康管理のためにも仰向けの状態でお腹をなでるさせるぐらいリラックスできるようにできると良いですね。
注意点ですが、子犬の場合は仰向けになりながら甘噛みをすることがありますが、飼い主さんへの完全な甘えですので 可愛くても噛むのを許してはいけません。
しつけ中に仰向けにならず逃げたり暴れることもありますが、飼い主さんをリーダーとして見ることができなくなり自分の方が上!と勘違いしてしまうので、逃げることも暴れることも許さないようにしましょう。
甘噛みをしたり暴れたりしたら「ダメ」と叱るのですが、叱っている時に名前を呼んではいけません。
なぜなら、名前を呼ばれた時に 犬が叱られていると感違いしてしまうのを避けるためです。
警戒心の強い犬は仰向きになりたがらないので、警戒心の強い犬の場合には犬の後ろから覆いかぶさっても平気になるように訓練をしてから仰向けのしつけをすると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?犬が仰向けになる理由は様々ですよね。
表情や耳、目、尻尾などを見てあげると、どうして仰向けになっているか原因と気持ちがわかります。
よく見て、仰向けになっている理由をきちんと理解してあげ、注意点を守って接してあげてください。
犬にも好きな音がある!
\愛犬が喜ぶ音を知ろう!/