はじめに
愛猫が腕に抱きついてくることはありませんか?とてもかわいくて飼い主もうれしくなってしまいますね。しかしなかなか離してくれなかったり噛みついてきたりすることもあるため、うれしい反面、困ってしまう時もあります。
今回は猫が腕に抱きつく理由について考えてみましょう。そして抱きつきながら噛みつくのはなぜかについても考えたいと思います。
理由が分れば腕に抱きつかれた時にどのように対処すればいいかが分るでしょう。特に、なかなか離してくれない時や噛みついてきたときにどうすればいいのか知りたいですね。
猫が腕に抱きつく理由
RJ22/shutterstock.com
猫が飼い主の腕に抱きつくのはなぜでしょうか?うれしくてそのままにしておきたいですが、仕事中など忙しい時は困ってしまいますね。猫はどんな気持ちで腕に抱きつくのでしょうか?いくつか理由を考えてみましょう。
飼い主が大好きだから
猫は一般的に警戒心が強い動物です。自分から見知らぬ人にくっついてくることはありませんし、近づくことすらしません。そんな猫が飼い主の腕に抱きつくということは、飼い主のことを信頼していることの証拠です。
一緒に生活を始めてから、「この人は信頼できる」と認めたので、腕に抱きついて甘えていると考えることができます。
産まれたばかりの子猫は親猫や兄弟猫にくっついて生活してきました。その時は非常な安心感を抱いていたことでしょう。しかし親元を離れてからは不安や緊張感を持って新しい生活を始めました。
新しい飼い主からエサをもらったり、撫でてもらったりしながら少しずつ信頼関係を築いてきたのです。警戒心が強い猫との信頼関係を築くにはある程度の時間が必要です。
大声を出すなど、猫が嫌がることを習慣的にしていると、飼い主に自分から好んで近づいてくることはありません。ですから猫の気持ちを理解しようと努め、ある程度の距離を保ちながら接するようにしましょう。猫が飼い主の腕に抱きつくのであれば、それは飼い主が猫に信頼されたという証ですよ。
飼い主と遊びたいから
もともと狩猟によって獲物を捕まえる習慣があったため、多くの猫には狩猟本能が残っています。ちょこちょこと動く小動物を見ると追いかけたくなるのも、窓の外を飛ぶ小鳥や虫を見ると反応してしまうのもそのためです。
遊ぶのが好きな猫は飼い主の腕を見ると遊んで欲しくて抱きつくことがあります。飼い主がその腕を使って猫じゃらしで遊んでくれることを知っているのかもしれませんね。または、飼い主の腕がいい感じで動いていたので獲物と仮定して抱きついてきたのかもしれません。
いずれにしても、信頼できる飼い主の腕なので安心して抱きついてきたと言えるでしょう。
猫は1日のかなりの時間を寝るかグルーミングをするかに費やします。そしてほんのたまに思い出したかのように生き生きと遊び始めるのです。普段のんびりしている愛猫がいきなり激しく腕に抱きついてきたら、飼い主さんとしてはビックリしてしまうかもしれませんね。
自分のニオイを飼い主に付けているから
猫が飼い主の腕に抱きつくのは自分のニオイを付けているからかもしれません。猫はテリトリー意識が強い動物でもあります。
飼い猫の場合は家の中が自分のテリトリーになりますが、飼い主を自分のテリトリーと考える子もいます。その場合は飼い主に自分のニオイが付いていないと不安になるので、自分の体をこすりつけてニオイを付けているのです。
飼い主が外出から帰ってきたときは特に腕に抱きついてくることがあるでしょう。自分の知らないニオイが付いていたり、自分のニオイが消えていたりするのでさっそく自分のニオイを付けるのです。
自分のテリトリーとして愛猫がすり寄ってきたり、腕に抱きいてきたりするということは、やはり愛猫に好かれている証拠になります。猫は好きではないものには見向きもしません。
テリトリーとしてマーキングされたとしたらそれは好かれている証拠なので、飼い主さんとしては嬉しいかぎりですね。
寂しいから
寂しいので飼い主の腕に抱きつく子もいます。子猫の時に親猫や兄弟猫と一緒にくっつきあいながら生活してきた延長なのかもしれません。安心感を抱くことのできたあの頃を思い出すために飼い主の腕に抱きつくのかもしれませんね。中には飼い主の腕に抱きつきながら安心感に包まれて眠る子もいますよ。
猫種によっては人懐っこくて寂しがり屋な性格の子もいます。長時間の留守番は苦手で、飼い主が帰ってくると寂しかったのか、すぐに体をすりつけたり腕に抱きついたりして甘えたりします。寂しがり屋のタイプの猫の場合、留守番が多いとストレスになってしまうかもしれませんね。
また、飼い主が忙しくてなかなか相手にしてくれないので、腕に抱きついてきて気を引こうとする猫もいます。寂しいから相手してほしいのでしょう。やることがなくなって暇なのかもしれません。孤高のイメージが強い猫ですが、甘えん坊の猫はとてもかわいくて親近感がわきますね。
猫が腕に抱きつきながら噛む理由
RJ22/shutterstock.com
猫が腕に抱きつくだけならいいのですが、たまに噛むこともあります。甘噛みのつもりかもしれませんが、たまに痛かったりもするので困ってしまいますね。どうして噛みつくのでしょうか?理由を考えてみましょう。
遊びに夢中になり過ぎてエスカレートしたから
腕に抱きついた猫が今度は噛みついてきたとしたら、それは遊びに夢中になり過ぎてエスカレートしたからかもしれません。
飼い主の腕を獲物に仕立てて遊んでいたのでしょう。遊びながら獲物の動きがあまりにもリアルだったのでつい本気を出してしまったのかもしれません。狩猟本能を持っている猫はかき立てられると飼い主が思ってもいないような行動を取ることがあります。
猫は子猫時代に兄弟猫や親猫とじゃれあって遊びながら、どのくらいの強さで噛んだら痛いのかを学びます。そうすることによって遊び仲間を傷付けるようなことはなくなるのです。
しかし子猫の時に親猫や兄弟猫と過ごす時間が少なかった子は、噛むときの加減を知りません。中には思いっきりガブっと噛んで飼い主の腕から血が出てしまうということもあります。
流血するほど強く噛まれると問題ですよね。毎回遊ぶたびに飼い主が強く噛まれるようだと思わぬケガをしてしまいます。噛む力があまりにも強いようでしたら対策が必要です。
歯が生え変わっていて痒いから
子猫の歯が生え変わる時期は、口の中が痒くて何かを噛むということがあります。
中には飼い主の腕に抱きついて痒みを軽減するために噛むことがあります。この場合は一時的な問題ですが、子猫の小さな歯は結構鋭いので何回も噛まれてしまうと痛いですよ。産まれてから3か月から6か月くらいに歯が生え変わるので、この時期には特に注意が必要です。
子猫をよく観察して、歯の生え変わりが理由で飼い主の腕を噛んでいるようでしたら、他に噛んでもいいものを用意してあげましょう。