メス犬もマーキングすることがある
Monika Chodak/shutterstock.com
足を上げてピュッとオシッコをしている犬を見たら、ほとんどの人はオス犬がマーキングをしていると思うことでしょう。マーキングと言えばオス犬だと思ってしまいがちですが、実はメス犬もマーキングをするんですよ。今回はメス犬がマーキングをする理由について調べてみましょう。
理由が何であれ、あちらこちらにマーキングされては飼い主も困ってしまいますね。対処法についてもまとめました。
メス犬がマーキングする理由
sanjagrujic/shutterstock.com
意外に思う人もいるかもしれませんが、メス犬もマーキングをすることがあります。オス犬のマーキングとメス犬のマーキングには違いがあるのでしょうか?メス犬がマーキングする理由について調べてみましょう。
発情期をオス犬に知らせるため
およそ半年に1度の頻度でメス犬は発情期を迎えます。発情期になるとメス犬はいつもよりも頻繁にマーキングをするようになると言われています。犬のオシッコにはいろいろな情報が詰まっていますが、その中には性別、年齢、発情期にいるかどうかについても含まれています。メス犬がマーキングすることによって、自分が発情期にあることをオス犬に知らせることができるのです。
散歩中に発情中のメス犬がマーキングをすると、「わたしはここを通りましたよ」とオス犬たちに教えていることになります。子孫を残そうとする本能が働いて行うものなので、自然なことだということができるでしょう。
発情期のメスはオシッコによるマーキングだけでなく、お尻の周りから出るフェロモンによってオス犬に自分の居場所を教えています。マーキングをしなくてもオス犬が近寄ってくることでしょう。去勢していないオス犬が近くにいると、ものすごい勢いでメス犬に近づいてくることがあるので注意が必要です。
発情中のメス犬はオス犬が近づくだけでなく、メス犬を奪い合うケンカなど様々な問題行動を引き起こす原因になることがあります。そのためほとんどのドッグランで発情期中の入場が禁止されています。同様の理由から、散歩する際もオス犬との接触を極力避けること、望まない妊娠を防ぐために生理用品を身に着けさせることなどが必要です。
メス犬だってテリトリーの主張をする
オス犬のマーキングの理由はテリトリーの主張だと言われています。そして自分の大きさを主張するために足を上げてできるだけ高い位置にマーキングしようとします。さらに地面を蹴るようにしてニオイを広げようとする行動も見ることができます。こうして自分のテリトリーを主張し、自分を大きな存在に見せるのです。
小型犬が必死に足を上げてマーキングしている姿を見ると笑ってしまいますね。さらに逆立ちをするようにしてマーキングする子もいるようです。必死さが伝わってくるような行動ですね。散歩中は特に、テリトリーの主張のためにマーキングに忙しくなる犬もいます。
テリトリーを主張するのは何もオス犬だけではありません。メス犬も自分のテリトリーを主張するためにマーキングすることがあります。散歩中にマーキングをすることもありますが、主に家の中でマーキングをしてしまうことが多いようです。少量のオシッコをいろいろな場所にピュッとかけているので普段の排尿とは違うことが分るでしょう。
不安やストレスを紛らわしている
家の中や散歩中にはマーキングしないのに、ドッグカフェやドッグランに連れて行くとマーキングしてしまう子がいるようです。ここぞという時にマーキングをされると飼い主は困ってしまいますね。もしかしたら初めての場所、または慣れていない場所にいるので緊張しているのかもしれません。緊張による不安やストレスが原因でマーキングをしていると考えることもできます。
初めての場所や慣れていない場所にいると、自分のニオイがないので不安になってしまうようです。不安を紛らわすためにマーキングをして自分のニオイを付けているのです。何度も同じ場所に通っているうちにだんだんと慣れてきてマーキングをしなくなると考えることができるでしょう。
ストレスが溜まると所かまわずマーキングすることがあります。飼い主が相手にしてくれない、散歩が足りない、食事が合わないなど、愛犬がストレスを感じるような状況はたくさんあります。状況が改善されないと愛犬はストレスを溜めていくことになります。ストレスを溜めるとメス犬でもあちらこちらにマーキングするようになると言われています。
メス犬のマーキングで困ること
ThamKC/shutterstock.com
犬のマーキングは本能による自然なことなので仕方がないことだと考える人もいます。犬を飼っている人や愛犬家にとっては仕方がないことで済まされることかもしれませんが、迷惑に感じる人もいます。メス犬のマーキングで困ることについて考えてみましょう。
オス犬のように足を上げてマーキングする子がいる
足を上げてマーキングするのはオス犬の証だと思うかもしれませんね。テリトリーの主張でできるだけ足を高く上げていると男らしさを感じます。しかし足を上げてマーキングするのはオス犬だけではないんです。中には足を上げてマーキングするメス犬もいると言われています。ある調べによると、3匹につき1匹の割合でメス犬が足を上げてマーキングするとも言われています。
メス犬が足を上げてマーキングしていると、飼い主の中には「女の子なのにはしたない」と感じる人がいます。足を上げる理由として、性格が関係しているという人がいます。気が強いメス犬や、男の子っぽいメス犬は足を上げてマーキングすることがあるようです。さらにダックスフントなど短足犬はお腹の部分を汚さないように足を上げることがあるようです。
トイレの場所が壁に近いため、足を上げてオシッコをする習慣がついてしまったメス犬もいるみたいです。その場合はトイレの場所を壁から少し離すことによって足を上げなくなるという意見もあります。気にならないのであればそのままにしていても問題はありません。
どうしても気になるという場合は、足を上げそうになった時に軽く蹴り払ってみてください。強く蹴ったり叱ったりしてはいけません。足を上げずにオシッコしたら褒めてあげましょう。これを繰り返しているうちに足を上げてマーキングするのをやめる子もいますよ。
本能的なこととはいえニオイがきついので迷惑
本能的な行動なので仕方がないことではありますが、そこら中にマーキングされるとニオイがきついので迷惑になります。散歩中によその家の玄関や玄関近くにマーキングをすると、オシッコのニオイが付いてしまい他人に迷惑をかけることになります。
家の中でもトイレ以外の場所にオシッコをかけられると、家中がオシッコ臭くなってしまいます。飼い主だけでなく、家族にとっても迷惑ですよね。本能による自然な行為だからと言って、そのまま放置しておくわけにはいきません。特にメス犬はテリトリーの主張として家の中でマーキングする傾向にあるようなので注意が必要ですね。
散歩中のマーキングでは木の電柱を腐食させてしまうと言う人もいます。古い電柱が腐食して倒れるようなことがあったら大変ですね。本能的な行動とはいえ、マーキングしていい場所としてはいけない場所をしっかりと教える必要があります。