猫は枕が好き?
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猫が何かを枕にしている寝ている様子を見るのは珍しくありませんね。前足などの自分の体の一部を枕にしているときもあれば、ティッシュボックスなどを枕にしているときもあります。確かにどこかに頭を置いて安定すると気持ちよく眠れますよね。
「愛猫と一緒に寝ていて、気がついたら枕を愛猫に取られていた」という経験をしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。そんな時は、猫も気持ちいいところが分かっているのかな…と思いますよね。
猫が枕を使うというイメージはあまりないですが、愛猫のために枕を用意した方がいいのでしょうか。
今回は、猫はどうして枕を使うのか、猫のために枕があった方が良いのか、飼い主さんの枕を占領する理由についてご紹介したいと思います。
猫が枕を好む理由
枕を使用するのは人間だけというイメージが強いかもしれませんが、実は猫や犬も何かを枕のようにして寝ることが珍しくありません。猫はその名前の語源が「寝る子」から来ているとされるほどよく寝る動物です。
猫は1日に12時間~16時間ほど寝るとされており、1日のほとんどを寝て過ごしています。ちょっと静かだなと愛猫を除いて見ると寝ていることが多く、寝ている際に頭を何かにのせている姿を見かけることが多いでしょう。猫は何かを枕の代わりにして寝ることを好むという印象は強いかもしれません。
人間も寝るときに枕を使いますが、これは頭が重いために、寝ているときも頭を支える枕があった方が楽に寝られるからですね。猫の頭は人間ほど重いわけではありませんが、人間と違って4足歩行で首は頭の後方にあり、常に頭を持ち上げた状態でいなければなりません。
胴体と後頭部をつなぐ筋肉が発達しているので、頭の下に支えるものがなくても頭を持ち上げらえています。それでも、脱力して寝るとき頭を支えるものがあったほうが楽なので人間と同じように頭を支える枕があると猫は気持ちよく休むことができるでしょう。
猫は寝るときに物を枕の代わりにしなくても自分の足や体を使っていることも珍しくありません。自分の体の一部のほかに枕として使うのにちょうど良いものがそばにあれば、上手に頭をのせて枕のように使います。
このように猫が「枕」を意識して使うことはありませんが、枕の代わりになるいろんなものを使うことは決して珍しいことではありません。猫は枕的なものがあることで楽な姿勢を取ることができるのでしょう。
猫が枕にするもの
人間は「寝るときに頭をのせるものは枕である」という概念があるために枕を使用しますが、猫は特にそのような概念は持っていません。自分が使いたいものを枕の代わりにしているので、様々なものを枕にして寝ていますよね。
枕として使うと心地よさそうなものから、パソコンやティッシュボックスなど一見して「なぜ、それを枕に?」に思うようなものを使っているときもありますよね。猫が枕に使用するものとして好む形状のポイントはいろいろありますが、高さはポイントのひとつです。
頭が乗せやすい高さとして、周囲より一段高くなっているところは猫が頭をのせるのにちょうど良い高さでしょう。テレビのリモコンやティッシュボックスはちょうどいい高さになっているので頭をのせているんですね。
素材としてふわふわした感触のものが猫は大好きです。ふわふわした感触のものを触ると、思わず前足をふみふみしてしまう子が多いのですが、これは子猫が母猫のおっぱいをせがむときの動作です。
ふわふわしたものは母親の温かさを思い出すので安心するのでしょう。それで枕にするものもふわふわした感触のものを好む猫が多いようです。寄り添って寝ているような安心感が心地よさにつながっているのでしょう。
猫の多頭飼育をしていたり、犬などのほかのペットと一緒に飼っていると、ほかの猫や犬を枕にして寝ている姿もよく見ませんか?猫は暖かいところが好きなので、ほかの猫や犬にくっついて寝るのを好みます。ふわふわして暖かいまさに寝心地がいいのは言うまでもありませんね。
もちろん飼い主さんも愛猫にとって枕の代わりとされることがあります。一緒にお昼寝していると飼い主さんの腕を枕にする愛猫の姿にキュンとされる飼い主さんもおられるでしょう。猫が飼い主さんの腕を枕にしてアゴをのせて寝ているということは、信頼と安心の証でしょう。
猫に腕枕を要求されると動けなくて困るという点もあるのですが、腕を枕にして気持ちよさそうに寝ている姿を見ると何も言えなくなってしまいますよね。寝顔の可愛さと無防備な愛猫の姿に心が癒されますね。
なぜ飼い主さんの枕は愛猫に取られてしまうのか?
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猫は人間の枕を寝るときに使用するものと意識しているわけではないでしょうが、飼い主さんの枕を占領してしまうことがありますよね。愛猫が好む理由を3つ見ていきましょう。
その1:寝ごこちが良い
飼い主さんにとってお気に入りの寝心地であるものは猫にとっても寝心地が良く、落ち着くことが多いです。柔らかめの枕を使うようになってから猫に占領されるという飼い主さんの声もありますので、ふかふかな枕は気持ちいいのでしょうね。
その2:飼い主さんの匂いがする
猫にとって飼い主さんは保護者、つまり母親のようなものです。枕には飼い主さんの匂いがついているので、飼い主さんの枕で寝ると飼い主さんの匂いに包まれて安心することができるのでしょう。
その3:甘えたい気持ち
猫が飼い主さんの顔や頭の周辺で眠っていたり、一緒に枕を使っていたりすることがありますよね。子猫は飼い主さんの頭や顔の周辺で寝たがることが珍しくなく、母親に守られたい甘えたいという気持ちからです。母親といつでも一緒にいたいというのは分かりますよね。
子猫じゃなくても飼い主さんと一緒に枕を使いたがったり、頭や顔の周辺で寝たがったりする猫は、甘えっ子だったりまだ大人になり切れない気持ちの子だったりすることが多いでしょう。猫が飼い主さんの枕を一緒に使いたがるのは、飼い主さんに甘えたいという気持ちの表れでもあるのでしょう。
猫と一緒に寝るときの注意点
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愛猫と一緒に寝るのは暖かいし、可愛い姿にとても幸せな気持ちになりますが、注意した方がよいことがあります。4つご紹介します。
その1:猫の健康を守る
愛猫と一緒に枕を使ったり、一緒の布団で寝るということはかなり愛猫との密着度が高いですよね。そのため猫の健康にいつも気を配り守ることが、飼い主さんの健康を守ることにもつながっていきます。
猫は完全室内飼育が推奨されます。完全室内飼育をすることによって病気を発症するリスクをかなり軽減できますし、寄生虫から猫を守ることもできます。また、完全室内飼育であっても1年に1回はワクチン接種をするようにしましょう。猫は室内から出なくても、飼い主さんが外からウイルスや菌を持ち込むことがあるからです。
その2:猫を清潔に保つ
猫はグルーミングをして自分の体を自分できれいにするので、ほとんど匂いがしません。そして、猫が健康であればシャンプーもほとんど必要ではありません。しかし季節の変わり目などには毛が大量に抜けます。
飼い主さんが抜け毛をブラッシングしてあげることによって、枕や布団に毛がついてしまうことを軽減することができます。ブラッシングを行うことで、さまざまな皮膚や被毛のトラブルに気づくこともできます。
その3:潰さないように注意
大人の猫は人間と一緒に寝てもほぼ潰されるという心配はありませんが、子猫の場合には注意が必要です。母親代わりとして寝るときもそばにいてあげたいですが、ごく小さいうちは潰してしまう危険性を考慮して一緒に寝るのは避けるほうがいいでしょう。ケージをベッドのそばに置いたり、猫を入れたキャリーを足元に置くなどして子猫のそばに寝ることができるでしょう。
子猫が4~5ヵ月程度のなれば、体もだいぶ大きくなってきますので一緒に寝ても大丈夫でしょう。しかし2~3ヵ月の子猫は飼い主さんが寝返りをうったときなど誤って潰されてしまうリスクがありますので、一緒に寝るのは避けた方がお互いのために安全と言えるでしょう。
その4:羽毛布団は避ける
一緒に寝る際に布団に粗相されることは避けたいですよね。一度布団に粗相をしてしまい、それが気持ちいいと感じてしまうと繰り返してしまうようになり、一緒に寝ることどころか寝室に猫を入れることもできなくなるでしょう。
猫が粗相しやすい布団、それは羽毛布団です。羽毛布団はカサカサ音がすることが多く、それが砂をかいた音に似ていることから尿意をもよおすようです。また、羽毛を使用していることから匂いがする可能性があります。布団に粗相してしまうときは他にも理由がありますが、羽毛布団は粗相を誘発する可能性が高いので、猫と一緒に寝る際には使用しない方がいいでしょう。