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名称:グレート・ピレニーズ
性格:穏やか、独立心強い
寿命:10~12歳
体重:39~45kg
体高:65~80cm
毛色:白、グレー、薄いイエロー、ウルフカラー、オレンジ色の斑が頭部・耳・尾の付け根にある白
値段相場:ペットショップ13万~23万、ブリーダー25万~30万、ブリーダー直販のペットショップ17万~38万
グレート・ピレニーズの性格
グレート・ピレニーズは、ピレネー山脈で家畜を守る警護犬として働いていました。
起元前6世紀ごろに、中央アジアまたはシベリアから持ち込まれた、チベタン・マスティフがルーツという説があります。
17世紀に入ると、ルイ14世やマリー・アントワネットによってフランス宮廷の警護犬として飼育され、フランス国内で人気の犬種になりました。
その後、人気は低迷して絶滅寸前にまで数が減ったこともありましたが、愛好家たちによって繁殖が行われ、1923年にはフランスで公式スタンダードが登録申請されました。
純粋犬種の保護と質的向上のため血統証明書を発行している ジャパンケネルクラブ(JKC)によると、グレート・ピレニーズは穏やかな性格をしています。
ただし、護衛するものに対する意識が高いので、知らない人間や犬がテリトリーに入ろうとすると吠えることもあります。
グレート・ピレニーズの平均寿命
グレート・ピレニーズは超大型犬です。グレート・ピレニーズの平均寿命は、10~12年ほどです。
2018年のデータによると大型犬の平均寿命は13年ほどなので、グレート・ピレニーズは平均より少し短命と言えます。
グレート・ピレニーズの平均体重
グレート・ピレニーズの平均体重は39~45kgほどです。
個体差はありますがオスは約45kg、メスは約39kgが理想的な体重と言えます。
グレート・ピレニーズの平均体高
ジャパンケネルクラブによると、グレート・ピレニーズの体高はオスが70~80cm、メスが65~75cmとされています。バランスが取れている完全なタイプの場合は、上限を2cmまで上回ることが認めれられています。
グレート・ピレニーズの人気カット
グレート・ピレニーズは、毛量が多く熱がこもりやすいので、サマーカットをする飼い主もいます。
サマーカットは以下のようなメリットがあります。
- 暑さ対策
- 見た目がかわいくなる
- お手入れが楽になる
などです。しかし毛を短くしすぎた場合、紫外線が皮膚にダイレクトに届いてしまって身体に悪い影響がでてしまったり、皮膚炎のリスクが高まってしまったりといったデメリットもあります。
素人にカットは難しいので、ペットサロンでトリミングしてもらいます。
グレート・ピレニーズの毛色(カラー)
ジャパンケネルクラブで認められている毛色は、白、グレー、薄いイエロー、ウルフカラー、オレンジ色の斑が頭部・耳・尾の付け根にある白です。身体に班が見られる場合もあります。
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- 白
- グレー
- 薄いイエロー
- ウルフカラー
- オレンジ色の班が頭部、耳、尾の付け根にある白
グレート・ピレニーズが成犬になるまでの期間
犬の成長期は、身体が大きいほど長くなる傾向があります。
超大型犬のグレート・ピレニーズは、約18~24か月ほどかけて成犬になります。
※成犬とは身体的な成長が止まることです。
グレート・ピレニーズの鳴き声
グレート・ピレニーズは穏やかな性格をしていますが、警護犬のルーツがあり警戒心が強いので、見知らぬ人や犬に対して吠えることもあります。
無駄吠えをさせないためには、子犬のころからしっかりとしつけをする必要があります。
グレート・ピレニーズがかかりやすい病気
グレート・ピレニーズの子犬がかかりやすい病気病名 | 時期や症状 | 治療費 |
---|---|---|
股関節形成不全 | 股関節の形に異常が起きる。両側の股関節に起きることが多い。4~12か月ごろに特に多く発症。 | 約40万円~ |
皮膚病 | 湿疹やかゆみ、脱毛などの症状を伴う炎症が起こる。原因は、細菌やダニ、アレルギーなどさまざま。 | 約7千円/1回 |
※症状や病院によって金額は変わってきますので、かかりつけの動物病院で確認してください。
グレート・ピレニーズの成犬がかかりやすい病気病名 | 時期や症状 | 治療費 |
---|---|---|
皮膚病 | 湿疹やかゆみ、脱毛などの症状を伴う炎症が起こる。原因は、細菌やダニ、アレルギーなどさまざま。 | 約7千円/1回 |
胃捻転 | 湿疹やかゆみ、胃の中の液体やガスなどが増加することで胃が膨張し、捻じれる。呼吸困難などのショック症状が起きる。3歳以降の成犬に多い。 | 約15万円~約17万円 |
三尖弁閉鎖不全症 | 心臓の弁のかみ合わせが悪くなる病気。血液が逆流し、お腹や胸に水がたまったり心臓が膨らみ咳が出る。内科的治療と食事療法で治療することが多い。 | 約2万6千円~約6万円 |
骨肉腫 | 骨にできる癌のことで、四肢の骨に多く発生する。血液を介して他の部位に転移することもある。初期は患部をかばうような歩き方をする。 | 約20~約30万円(断脚)、約30~約40万円(患肢温存)、約30万円(放射線外科療法) |
※症状や病院によって金額は変わってきますので、かかりつけの動物病院で確認してください。
気温が22~23度、湿度が60%を超えてきたら熱中症に注意する必要があります。グレート・ピレニーズは厚い被毛に覆われているので、特に注意が必要です。
夏場は日中の散歩は避け、朝夕の涼しい時間帯に散歩に行きましょう。散歩中に給水する時間をとるようにしてください。
室内でエアコンを付けずに置いておくことも熱中症を引き起こす原因になります。
もし、熱中症の症状がでてしまったら、日陰に犬を寝かせて、身体に水をかけ風をあててあげましょう。応急処置が済んだら、動物病院に連れて行ってください。
グレート・ピレニーズの体臭
グレート・ピレニーズは耳が垂れているので、耳に汚れが溜まって臭うことがあります。定期的にキレイにしてあげましょう。
また、口まわりにヨダレがつきやすいので、気が付いたら拭き取ってあげてください。ヨダレを放置しておくと臭いが発生しやすいです。
グレート・ピレニーズの飼い方
グレート・ピレニーズは身体が大きく力も強いので、運動時間や各種費用も多くかかります。世話の時間確保や金銭面に不安がある方が飼育するには、難しい犬種と言えます。
独立心が強く、見知らぬの人間や犬に対して攻撃的になることもあるので、犬が興奮したときに制御できる体力も必要になります。
飼育環境は室内外問わず広いスペースが必要になります。室内で飼育する場合は、超大型犬用のケージやサークルを用意しましょう。
グレート・ピレニーズは暑さに弱いので、室内でも熱中症にならないように室温を調整するようにしてください。
ドッグフードの量・回数
ドッグフードは、成長に合わせたものを与えましょう。子犬と成犬、老犬では必要な栄養素やカロリーが異なります。
フードの種類によって給餌量は異なりますが、子犬の場合は1日摂取量を3~4回に分け、ふやかして与えます。
成犬になれば基本的は1日2回与えましょう。グレート・ピレニーズは胃捻転になりやすいので、可能であれば成犬時にも1日3回に分けてフードを与えてください。
フードを与えすぎると肥満になってしまいます。肥満は、グレート・ピレニーズがなりやすい股関節形成不全の原因にもなるので、注意しましょう。
ドッグフードは、必要な栄養素が全てとれる「総合栄養食」の表示があるものを与えてください。
食べさせてはいけないもの
犬が食べてはいけない食べ物 | ネギ類全般(にんにく、ニラ、玉ねぎなど)・ぶどう類全般・チョコレート・キシリトール・生の魚介類(魚、イカ、タコ、エビ、カニ)・鶏の骨・アボガド・ナッツ類全般 |
犬は避けたほうがいい食べ物 | ほうれん草・生肉・香辛料・にぼし・のり・生卵・生野菜・牛乳・ココナッツオイル・干しあんず |
上記は代表的な食べ物を記載していますが、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
また犬が苦手な食べ物として、犬は臭覚が優れているため酸み・辛み・苦みに対する感覚がとても敏感で、においを嫌がります。
- 柑橘類
- 酢類
- スパイス類
- クセのある葉物野菜
上記の食べ物も控えたほうが無難でしょう。
抜け毛の量
グレート・ピレニーズはダブルコートの犬種で、春と秋に1回ずつ換毛期があります。身体が大きいので、小型犬や中型犬に比べてブラッシングが大変ですが、換毛期には毎日行うようにしましょう。
換毛期以外にも抜け毛はあるので、週1回程度のブラッシングで取り除きましょう。
抜け毛を放置しておくと通気性が悪くなるので、臭いが発生したり皮膚病や熱中症に発展するケースもあります。
特に、グレート・ピレニーズは被毛が厚く熱中症になりやすい犬種なので、しっかりブラッシングをしてあげましょう。
お風呂の入れ方
グレート・ピレニーズは、月に1回ほどシャンプーをしてあげましょう。シャンプーは皮膚病の予防と、早期発見につながります。必要以上にシャンプーをすると、皮膚トラブルになる可能性があるので注意してください。
身体が大きく根気が要りますが、丁寧に洗ってあげましょう。
毛量が多いので乾かすのが大変ですが、皮膚まで完全に乾かさないと皮膚病につながることもあるので、丁寧に乾かしましょう。
あらかじめブラッシングをしておくと、抜け毛が取れるのでシャンプーがスムーズに行えます。
成犬と子犬のお風呂の入れ方をそれぞれ紹介します。
グレート・ピレニーズの子犬のお風呂の入れ方
1.子犬はシャンプーの音や水を怖がる場合があるので、まずはお風呂場に慣れさせてあげましょう。
2.38度くらいのぬるま湯で身体から濡らしていきます。顔まわりは敏感なので、水を含ませたタオルなどで優しく濡らしてあげましょう。
3.シャンプーを手で泡立ててから、身体→頭の順に優しく洗っていきます。
4.まず頭のシャンプーを流してから、身体全体を流していきます。シャンプーの流し残しがあると、皮膚炎になる可能性もあるので注意してください。
5.全体的にタオルドライをしたら、ドライヤーで完全に乾かします。ドライヤーは犬の身体から30cmほど離して使用しましょう。
グレート・ピレニーズの成犬のお風呂の入れ方1.身体が大きいので、1人で難しい場合は2人がかりで洗いましょう。
2.38度位のぬるま湯で身体から濡らしていきます。顔まわりを濡らすのを嫌がる場合は、水に含ませたタオルなどで濡らしましょう。
3.シャンプーを手で泡立てて、身体→頭の順に優しく洗っていきます。
4.頭→身体の順でシャンプーを流します。流し残しがないように注意してください。
5.全体的にタオルドライをしたら、ドライヤーで完全に乾かします。ドライヤーは犬の身体から30cmほど離して使用しましょう。
最適な散歩時間
身体が大きいグレート・ピレニーズは、多くの運動量が必要になります。散歩は朝夕1回ずつ、1時間ほど散歩へ連れて行ってあげましょう。
暑さに弱い犬種なので、熱中症には注意してください。特に夏場は日中の散歩を避け、涼しい時間帯に行いましょう。
十分に散歩ができなかった場合には、肥満になってしまう可能性があります。グレート・ピレニーズがかかりやすい股関節形成不全の原因でもあるので、休日にはドッグランや自然豊かな場所へお出かけし、しっかり運動させてあげましょう。
グレート・ピレニーズのしつけ方法
グレート・ピレニーズは、独立心が強い一面があり、しつけは根気よく行う必要があります。身体が大きく力も強いので、興奮したときに制御できないとトラブルになる可能性もあります。
グレート・ピレニーズの「トイレ」「吠え」「噛み癖」「待て」「留守番」のしつけ方法を紹介します。
トイレのしつけ方
グレート・ピレニーズのトイレのしつけは、子犬を迎えてすぐに始めましょう。開始時期が遅れると、排泄場所を勝手に決めてしまいます。身体が大きく排泄量も多いので、きちんとしつけをしないと掃除が大変です。
成犬になってからトイレのしつけをし直す場合も、子犬と同様の方法でトレーニングをしますが、子犬よりも習得に時間がかかります。
多頭飼いの場合、トイレを共有する方法がありますが、先住犬のストレスになるようなら、個別のトイレを用意してあげましょう。
- 一頭飼いの場合、専用のトイレを用意します。
- グルグル回ったり床のにおいを嗅いだり、落ち着かない様子が見えたら、排泄したがっています。トイレまで誘導してあげましょう。
- トイレが成功したら、大げさに褒めてあげてください。「決まった場所で排泄することが良いこと」だと覚えます。
- 3週間ほどでトイレを覚えることができます。
無駄吠えのしつけ方法
警護犬のルーツがあるグレート・ピレニーズは、見知らぬ人や犬がテリトリーに入ってくると吠えることがあります。
無駄吠えは近隣トラブルの原因にもなるので、子犬のころからしっかりしつけをしましょう。
- 他人や他の犬に対して吠えないように、子犬のころから人や犬に慣れさせるようにしましょう。
- チャイムなどの音に反応して吠える場合は、原因となる音を鳴らしてご褒美を与えるトレーニングをします。「音が鳴る=ご褒美が貰える」と認識すると吠えなくなります。
- 飼い主に構ってほしくて吠える場合もあります。無視をして要求に応えないようにしましょう。
噛み癖のしつけ方法
グレート・ピレニーズは、基本的には穏やかな性格をしていますが、警戒心が強い面もあり、見知らぬ人に対して攻撃的になってしまうこともあります。
噛み癖がつかないように子犬の甘噛みのころからトレーニングをしましょう。
- 甘噛みをしたら、大きな声で「ダメ」と言います。
- 噛まれた瞬間に犬が嫌がる大きな音を出すのも効果的です。
- 構ってほしくて甘噛みをすることもあります。その場合は、無視をして毅然とした態度でふるまいましょう。
- 歯が生えかけの状態で痒くて甘噛みをする場合には、噛んでもいいおもちゃを与えましょう。
待てのしつけ方法
身体が大きいグレート・ピレニーズが、興奮してしまったときにコントロールできないと大変です。「待て」は犬を制御するのに役立つしつけなので、子犬のころからトレーニングを始めましょう。
- 飼い主の正面にお座りをさせ、「待て」の指示を出してから数秒後に「よし」と言ってご褒美を与えます。
- 「待て」から「よし」の間隔をだんだん伸ばしていきましょう。
- ハンドシグナルを使って指示をする方法もおすすめです。
留守番のしつけ方法
グレート・ピレニーズは独立心が強く、環境を整えれば留守番中の不安分離が起こりにくい犬種です。しかし、留守番中の問題行動をまったく起こさないとは言い切れません。
グレート・ピレニーズは身体が大きいので、いたずらをすれば被害も大きくなります。子犬のころからトレーニングを始めましょう。
また、暑さに弱いので室温には十分注意してください。
- リラックスできるケージやサークルなどを用意します。
- 留守番中に外から聞こえる物音に警戒する場合があるので、あらかじめさまざまな音に慣れさしておきましょう。
- 飼い主がいない状況に慣れさせるために、「待て」をさせ飼い主がしばらく隠れる、といったトレーニングを行います。
- ステップ3の「待て」の時間をすこしづつ伸ばしていきましょう。
犬という生き物は、いい香りがしたりすると食べ物じゃなくても口に入れてしまいます。
でも、犬には食べさせてはいけない食べ物も存在します。食べてしまうと命の危険もあるので要注意です。
今回は、そんな食べ物を食べてしまった時の対処法も合わせてお話していきます。
https://mofmo.jp/article/19619