猫の気持ちは鳴き声から分かる?
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猫をいざ飼ってみると、さまざまな鳴き声をすることに気づかれるでしょう。声の調子でどんな気持ちなのかを察することもできます。
猫がひとりになったときによく鳴くことがあるようです。それはなぜでしょうか?この記事では、猫がひとりになると鳴く理由やその対処法などについて解説していきます。さっそくみていきましょう。
猫がひとりになると鳴く理由とは?
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猫がひとりになったときに鳴く理由には、次のようなことが考えられます。
理由①寂しいから
猫はひとりでいることに慣れていないと、ひとりで留守番をすることになると寂しさのあまり鳴くことがあります。
玄関の周りをウロウロして、飼い主さんを探しているかのように鳴きます。
理由②不安だから
ひとりでいることに不安を感じ、鳴いてしまう子がいます。これもひとりで留守番することに慣れていないことが理由として考えられます。
また、幼少期に捨てられた経験をしたことがある猫の場合、”また捨てられてしまったのだろうか・・”というトラウマのような記憶がよみがえり、不安から鳴く子がいるようです。
理由③退屈だから
猫はひとりでいることに退屈したときに鳴くこともあります。遊び相手を探しているのにだれも遊んでくれないと、退屈さから鳴くようです。
理由④何かを探している
猫は何かを探しているときに鳴くことがあります。特にひとりでいるときに鳴く場合は、飼い主さんを探して”どこにいるの~”と鳴いて探しているようです。
理由⑤分離不安症
猫がひとりでいることに慣れていないのは、分離不安が関係していることもあります。
分離不安症とは?
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分離不安症とは何でしょうか?猫の分離不安症とは、親しい仲間と離れてしまうことで極度の不安に陥る症状のことです。これは猫だけでなくわたしたち人間にも見られる症状で、動物の世界では広く認められています。
特に別れに伴う苦悩が極端にひどいと、それが病的な行動にまで発展してしまうこともあります。猫の場合は、飼い主さんと愛猫との関係性が影響して起こる場合があるようです。
飼い主が常に愛猫がそばにいる状態だったり、常に愛猫を構ってべったりしていることが原因で生じます。猫が人間に懐くのはいいことですが、猫が人間に依存しすぎてしまうとそれがストレスの原因にもつながるので、ほどよい距離感をもった関係を築くことが大切です。
分離不安になる猫の特徴とは?
猫の中でも外に出ない完全室内飼いの猫や1匹で飼われている猫、飼い主さんとの距離がとても近い猫は分離不安になりやすいと言われています。
なぜなら、猫は人間としか接触しておらず、ほかの猫や動物と触れ合わずに毎日を過ごしているからです。そのため猫本来の自立心がどんどん低下してしまい、猫は人間だけしか興味を持たなくなってしまいます。愛猫が分離不安にならないよう、甘やかしすぎたり可愛がりすぎたりすることには注意が必要です。
あなたの愛猫は大丈夫?分離不安症をチェックする方法
あなたの愛猫は分離不安症の兆候がありませんか?以下のチェック項目と照らし合わせて、愛猫が分離不安症ではないかどうかをチェックしてみましょう。
- 愛猫の愛着の対象者はだれか?
- 愛猫は対象者の後をよく追いかけているか?
- 対象者が外出するとストレスをためているか?
- ひとりで留守番をしているとき、どのような行動(鳴いたり走り回ったり・・)をしているか?
- 対象者が帰宅すると、興奮状態になってお迎えをしているか?
愛猫が分離不安症なら
もし愛猫が分離不安症と感じるなら、飼い主さんと愛猫との距離やその関係を見直してみましょう。
猫が分離不安症を発症すると、ストレスから体調を崩したり、血圧が上がって呼吸が早くなったりするなど、体調に悪影響を及ぼすことがあります。さらに症状が悪化すると、うつ状態のような精神病を発症してしまう子もいます。
かかりつけの獣医師さんに相談し、必要であれば薬物療法も併用しながら環境を見直していくようにしましょう。
猫がひとりになったときに鳴かないようにするには
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愛猫がひとりになったときに鳴かないようにするために、次の対処法をしてみましょう。
対処法①愛猫と過剰に接しない
愛猫と適度な距離を持つようにしましょう。愛猫が自然に寄ってきたときだけスキンシップをとり、それ以外は過剰に接しないことです。いつも一定の距離を保つようにしましょう。
対処法②寂しさをなくす
愛猫がひとりに慣れるように、少しずつひとりになる時間を増やしてみましょう。室内飼いをしていても、ケージの中に入れるなどして、ひとりの時間を作ってみるのもひとつの方法です。そうすることで、猫もひとりになることに慣れていくでしょう。
ひとりに慣れれば、寂しさをや不安などの感情を抑えることもつながります。
猫の鳴き声から分かる猫の気持ち
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猫の鳴き声と言えば、”ニャーニャー”というイメージを多くの方がお持ちのことでしょう。しかし実際に猫を飼ってみると、ニャーニャー以外の鳴き声をすることに気づいた飼い主さんもいるのではないでしょうか?
猫は豊富なバリエーションの鳴き声で気持ちや感情を表現しています。では、猫の鳴き声から分かる猫の気持ちについてご紹介しましょう。
嬉しいときや甘えているときの猫の鳴き声
猫は嬉しいときや飼い主さんに思いっきり甘えたいときは、”ニャーン”、”ミャーオ”という高い声で鳴きます。愛猫が比較的小さく高い声でニャーン、ミャーオと鳴くときは、飼い主さんに対して甘えたり何かおねだりしている証拠です。
シチュエーションによっても異なりますが、空腹時に鳴くなら”お腹空いたよ~、ごはんちょうだい~”、遊びたい時に鳴くなら”遊びたいよ~”、排泄後に鳴くなら”トイレ掃除してね~”などの気持ちを表現しています。
愛猫が飼い主さんに対して喉をゴロゴロ鳴らすのは、気分がいい時やリラックスしている証拠です。信頼している大好きな飼い主さんに撫でられてとても幸せ、という満足の気持ちをあらわしています。
ごはんを食べている最中にウニャウニャと鳴くのは、”とても美味しいよ~”と思わず出てしまう鳴き声です。特に子猫がごはんを食べながら鳴く声は、”うまいっ、うまいっ”と聞こえることもあるようです。
また、猫が声にならない声で”ニャー”と鳴く仕草をすることがあります。おもに子猫に見られる仕草で”サイレントニャー”とも呼ばれている鳴き方です。人間には聞こえない高周波の音を出していると言われています。
特に子猫が母猫に甘えたい時に使う鳴き声ですが、成猫になってもサイレントニャーで鳴く場合は、子猫の頃を思いだして”構って~”と飼い主さんに甘えているサインです。
何かに興味を示しているときにみせる猫の鳴き声
猫は何か興味があるものをみつけたとき、次のような鳴き声をします。
”カカカ”、”ケケケ”などの鳴き声
カカカとかケケケといった鳴き声は”クラッキング”もしくは、”チャタリング”と呼ばれており、猫特有の鳴き声です。歯を弾き合わせて鳴いているように聞こえますが、猫が獲物を見つけて興奮したときに鳴く声と言われています。
猫はハンターとしての本能が残されており、窓の外を飛ぶ鳥や素早く動く虫などを見つけると狩猟本能が発揮し、クラッキングと呼ばれる鳴き声を出します。
不安や不満があるときの猫の鳴き声
猫は不安や不満があるときも、声でその気持ちを表現します。いつも鳴いている高めのニャーではなく、低めでいつもより長めで“ニャーオ”と鳴くときは、飼い主さんに対して不安や不満を訴えている証拠です。
何に不安や不満を抱いているのか、その要因を探って取り除いてあげましょう。
喧嘩や威嚇しているときにみせる猫の鳴き声
喧嘩や威嚇をしているときには、低い声で“ウーッ”という鳴き方をします。いつもとは違う低い声を出したり、唸り声をあげたりして鳴いているときは、猫が周囲の危険を察知して何かに警戒している証拠です。態勢を低くして構え、耳を後ろに倒しているなら、まさに喧嘩の真最中かもしれません。
また、体調が悪いときや飼い主さんに触られたくないときにも、自分を守ろうとして低い声で唸ることがあります。猫の特定の部位に触れたときに唸り声を出したり、触られることを極度に嫌がったりする場合は、病気やケガなどが考えられます。
いつもと様子が違うと感じるなら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
さらには縄張り争いなどで喧嘩が始まると、猫は背中の毛を逆立ててシャーと威嚇しながら鳴き声を上げることがあります。興奮状態で怒りが頂点に達しているときに鳴く声です。
発情期にみせる猫の鳴き声
避妊や去勢手術をしていない猫は、発情期になると大きな声で“アオーン”という鳴き方をします。
避妊や去勢手術を受けていない猫は、生後半年~1年の間に初めての発情期を迎えます。この時特有のアオーンという鳴き声を出すのはメス猫です。
発情期のオス猫を呼ぶために、昼夜を問わず大きな声で鳴き続けます。メス猫の鳴き声を聞いて、返事をするように鳴くオス猫も中にはいます。