猫って乳製品を食べることはできるの?
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猫にミルクをあげるとぺろぺろとおいしそうに舐めることがあります。乳製品が好きな猫は珍しくありません。個体差もありますが、割と頻繁に口にする子も多いことでしょう。実際以下のような飼い主の声もあります。
「私用の北海道牛乳を猫が勝手に口付けて少し飲んでいました!とてもおいしそうでした。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10182063030)
「実家にいる猫は牛乳が好きみたいで、私や弟がコップで飲んでると、近づいてコップに首を突っ込んでピチャピチャ飲んじゃいますけど」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134625971?page=2)
これらの例にあるように、幸せそうにミルクを飲む姿を見ていると飼い主の方も幸せな気持ちになります。でも人間用の牛乳をあげることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
またチーズやヨーグルトなどの乳製品に関しても同様です。それらの食材も猫が好んで食べることがありますが、猫にとって乳製品は健康面での問題がないか気になっている方がいらっしゃるでしょう。
この記事では、猫が乳製品を食べたり飲んだりすることに問題がないのかという点について解説していきたいと思います。
猫に牛乳は大丈夫!
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結論から言うと、猫に牛乳をあげても毒にはなりません。牛乳は文字通り牛のミルクであり、もともと子牛のためのものです。人間のためでもなければ猫のためでもありません。
とはいえ人間が牛乳を楽しむことができるように、猫も牛乳を口にすることができます。危険をもたらすような大きな問題はないとされているので、仮に目を離したすきに飲んでしまっても問題ありません。
とはいえ猫にとっては「牛乳=栄養がある飲み物」というわけではありません。猫の母乳と牛の母乳はやはり違うからです。猫の母乳には牛のそれよりも多くのタンパク質と脂肪分が含まれています。そのため「牛乳から栄養をしっかり摂取できる」と考えて母猫の母乳の代替品のようにはしないようにしましょう。
さらに牛乳についてはいくつか注意点があります。
猫には乳糖が厄介者
牛乳には猫の母乳よりも多くの乳糖が含有されています。これを分解するためには「ラクターゼ」という酵素が必要です。しかし猫の中にはこのラクターゼをあまり持っていない個体もいます。
そのため個体によっては乳糖の分解不全がおきて、結果的に下痢が発生することがあります。もし牛乳を飲んで下痢をするようであれば、この分解不全が原因になっている恐れがあります。この点については以下のようなコメントがありました。
「牛乳自体が猫によくないわけではなく個体や状況によってはよくないだけです。・・・個体によっては下痢をします。下痢は体力を奪うので、あわないようなら、便秘の時の奥の手に取っておく、とかでいいと思います。
それより私が心配になるのは牛乳を与えたがる人は多くが『衰弱した拾った子猫』に与えようとすることです。衰弱しているときには体温を下げる冷たいもの、下痢を起こすものは厳禁です。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134625971)
「僕の家の猫は夜中に拾ってきたのですがコンビニにも猫用がなくてしかたなく牛乳をあげました。結果、下痢をしてしまいました。下痢は人間同様、症状が続くと衰弱してしまいます。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134625971)
このように下痢をしてしまう子は少なくないようです。いくらおいしそうに飲んでいるとしても、最終的に体調を悪くしてしまうのであれば意味がありません。ですから牛乳をあげる場合は慎重になりましょう。
牛乳は水分補給に良い?
上記のように個体によって乳糖の問題が起きる可能性はありますが、「水分補給という意味で牛乳をあげても良い」という意見も見られます。例えば以下のようなコメントがありました。
「牛乳は猫乳には含まれていない乳糖を含むため、猫も基本的には乳糖不耐症です。お腹を下さない大人の猫にたまにならおやつとして悪くないと思います。冬場は水分が不足する猫もいますから。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134625971)
このように牛乳を飲んだら必ずお腹を壊すというわけではないので、最終的に与えるかどうかは体調次第で決めても良いでしょう。他の食物に関しても言えることですが、「これを食べるのは絶対NG」と必ずしも断定できないので、飼い主は状況に応じて判断しましょう。
アレルギーに注意
乳製品でアレルギーを起こす子もいるようです。その場合ミルクを飲んでから5分か10分くらいすると下痢や嘔吐の症状が現れることがあります。あるいはしばらく経ってから湿疹がでたりかゆそうにすることもありますが、これもアレルギーの症状かもしれません。実際に「アレルギーが疑われた」という以下のようなコメントがあります。
「シニア猫用の牛乳を買ってきて飲ませたところ、数分後にめちゃくちゃはきました…吐くものがなくなっても胃液だけ吐いている感じで、結構戻すことは年のせいかよくあるのですが、今回の吐き方はヤバそうで…回数もそうですが、本当に苦しそうに吐いて心配です…」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10205611425)
このケースの場合は、単にミルクを飲み過ぎて気持ちが悪くなったという可能性も考えられますが、アレルギーの可能性も推測できます。場合によっては猫も乳製品でアレルギーを起こすことがあるので注意が必要です。一度もミルクを口にしたことがないのであれば、最初は少量だけ与えて様子を見るようにしましょう。
飲み過ぎにも注意
乳糖やアレルギー以外にもあげすぎの問題があります。牛乳をあげすぎるとカロリー摂取量や脂肪分が気になってしまいます。肥満の問題が発生するかもしれません。この点については以下のようなコメントがありました。
「牛乳と猫の母乳では乳糖の成分比率が違います。牛乳のほうが多いんですね。私の見た資料では牛乳のほうが倍近く多かったです。乳糖をうまく消化できないと下痢になりますが、本来猫が飲むはずの猫乳と比べ乳糖が多い牛の乳、下痢を起しやすい飲み物と言えるでしょう。個体差があるので平気な猫もいますけどね(^^;
加えて結構なカロリーがある牛乳、水代わりに与えていたら太りやすいと思います。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134625971)
「牛乳がダメと言われるのは乳糖のせいです。猫は乳糖を分解するのが苦手なので、下痢を起しやすいから。逆に言えば、下痢をしないのなら大丈夫だと思っていますよ。羊はわかりませんが、ヤギミルクはほとんど下痢はないと思うし、ヨーグルトなどの発酵製品も乳糖は含まれないので大丈夫でしょう。
でもハイカロリーだし、意外と炭水化物が多かったりするので他の食事とのバランスを考えながら与える必要があると思います。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1267576032)
肥満気味の子にはミルクをあえてあげる必要はないでしょう。この場合も個体によって判断を調整しましょう。
カルシウムにも注意
カルシウムなど牛乳のミネラル分が猫にとってリスキーになることもあるようです。この点については以下のような意見が見られます。
「牛乳は駄目なのは猫が分解できない乳糖が多く、下痢をする猫もいるからなのと、尿石症の原因になるカルシウムを多く含んでいるからです。乳製品を与えるなら、カッテージチーズとかヨーグルトなら少しは大丈夫ですが、脂肪が高いので肥満気味の猫ちゃんにはお勧めしません。」(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1267576032)
「先日,獣医さんに聞いたのですが、特に尿路結石(猫がなりやすい病気)の猫には牛乳はよくないそうです。牛乳に含まれるミネラルが×とのこと。」
このようにカルシウムを多く含む牛乳のあげ過ぎには要注意です。