老化していくにつれて、身体にも変化があらわれます。そうした老化現象も意識的な行動によって、進行を遅らせたり、若く健康な状態に保つことができたりするものです。
ワンちゃんの体中には無数の血管が張り巡らされており、特に心臓と脳の付近には重要な血管があります。それらの血管もワンちゃんの年齢に応じて衰えが生じます。
今回はワンちゃんの血管年齢をどのように若く保つことができるかをご紹介したいと思います。
ワンちゃんと血管年齢
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ワンちゃんの年齢と共に血管も老化していきます。血管が老化するとはどのような症状なのでしょうか?
心臓は鼓動によって血液を全身に送り出します。その時の通路となっているものが血管です。この血管は心臓の郡津と共に伸縮を繰り返しているのです。また血液を流すために圧力もかかっています。
老化が原因で病気にかかりやすくなる
血管が老化してくるなら弾力がなくなり固くなってきてしまいます。動脈硬化です。血管が老化によって固くなるとどうなるのでしょうか?血管が詰まったり破れやすくなったりします。
血管が詰まったり破れやすくなったりすることで様々な病気に発展することがあります。そうしたものはワンちゃんの命にかかわるものが多いでしょう。
ワンちゃんの血管年齢を若く保つことはワンちゃんの長生きに大きく関係してくる部分なのです。
また血液の流れが悪くなるなら、体中に大きな影響を及ぼします。身体の各部分が弱まっていき、疾患へとつながるでしょう。
血管年齢を若返らせるための方法
血管年齢を若く保つためには日々の規則正しい生活が大切です。またそうした生活をサポートするための栄養を取り入れることも大切です。
食生活の改善
栄養バランスがしっかりと取れたごはんを用意してあげるようにしましょう。ワンちゃんには高タンパク・低脂質のごはんを与えることを心得るようにしてあげましょう。
また年齢や状況に合った栄養を考えてあげることも大切です。ワンちゃんが成長期や妊娠・授乳期のときにはたくさんのカロリーが必要です。その時には脂質もいつもより多く与えることが大切でしょう。
しかし。成犬である維持期、また高齢期に同じようなごはんを与え続けているなら栄養過多になってしまいます。特に必要以上の脂質はワンちゃんの血管に悪影響を与えてしまうでしょう。
コレステロールや中性脂肪が多くなってしまうと血管が狭くなってしまい、血流が悪くなってしまいます。そうした状況は血管のつまりをさらに増長させてしまいます。
偏りのないその時期にあった食生活が大切なのです。
適度な運動
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ワンちゃんの血管年齢を若く保つためには適度な運動が欠かせません。毎日しっかりと散歩に連れて行ってあげるようにしましょう。散歩によって体を動かすことで血液の循環を正常に保つことができるでしょう。
また散歩以外の運動も非常に大切です。できるなら週に1度以上、ワンちゃんが走り回れる環境に連れて行ってあげるようにしましょう。
ワンちゃんにとって全力で走ったり、ジャンプしたり、方向転換したりすることはとても大切です。そうすることで、全身の筋肉を使い、体中の血液をしっかりと巡らせることができるのです。
心肺機能に適度な負荷が掛かることによっても血管は弾力性のある若い状態を保つことができるようになるのです。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めてしまわないことも血管年齢を若く保つための助けとなります。人間でもそうですが、強いストレス環境下に置かれてしまうと、血管系の病気にかかりやすくなってしまいます。
ですから、ワンちゃんのストレスを発散させることと、ストレスを溜めないようにすることを心がけるようにしましょう。
そのために日々の散歩を欠かさないことは大切です。また引っ越しなどの急な環境の変化があったときにはワンちゃんのストレスはたまりやすいものです。
そのような機会は避けることができないことが多いのですが、なるべくワンちゃんと一緒の時間を過ごしてあげたり、遊んであげたりすることでストレスを解消させることを意識することができます。
マッサージ
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血管に定期的に刺激を与えることは血管年齢を若く保つための助けとなります。特に老犬になって活動量が少なくなってきたワンちゃんには有効でしょう。
短い時間でも良いので、ワンちゃんとのコミュニケーションを兼ねて全身をマッサージしてあげましょう。そうすることで血行が良くなり、ワンちゃんの体調も向上するでしょう。
オメガ3脂肪酸の摂取
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オメガ3脂肪酸とは「EPA(エイコサペンタエン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)「ALA(α-リノレン酸)から構成されている必須脂肪酸の事です。
EPAやDHAは海水業の魚油に多く含まれています。体内で作り出すことが難しいため食事から摂取することが大切です。
これらには抗凝結作用や血管拡張による降圧作用などの様々な作用が確認されており、心臓および肝臓期を保護すると言われています。
心臓病のワンちゃんは血中のEPA・DHA濃度が低いことが報告されており、これらの成分の補給により、不整脈による突然死を抑制したという報告もあるようです。
またフィッシュオイルを摂取することで全身の動脈血圧を下げ、血中コレステロール濃度を低下させたという報告もあります。
ワンちゃんやその他の動物における高脂血症や動脈硬化に対する効果も示されています。
オメガ3脂肪酸を定期的に摂取することで血管年齢を若く保つための生活をサポートすることができるのです。
血管年齢を若く保つためのサプリメント
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血管を若く保つためには正しい食事と運動などが大切です。そうした規則正しい生活に加えて、サプリメントを用いることで血管年齢を若く保つサポートができるでしょう。
特にEPAやDHAを摂取するサプリメントが血管年齢にはおすすめできます。大切な点は、サプリメントだけに頼らないということです。あくまでも健康的な生活の補助的なものだと考えてください。
また過剰摂取は健康上に問題を与えるものですから、しっかりと用法用量を守ることが大切です。それでは血管年齢を若く保つためのサプリメントをいくつか紹介しますね。
DHC 犬用 国産 DHA+EPA
DHCからワンちゃんのための健康サプリメントとして販売されているものです。シニア犬から子犬まで、幅広く使用できるオイルサプリメントです。
成分
1粒618㎎当たり
DHA:68㎎
EPA:31㎎
亜麻仁油:59㎎(α-リノレン酸として26㎎)
月見油:49㎎(γ-リノレン酸として4㎎、リノール酸として30㎎)
テアニン:9㎎
総トコトリエノール:0.4㎎
主要原材料
精製魚油、食用アマニ油、月見草油
特徴
ワンちゃんの健康のために不飽和脂肪酸のうちオメガ3系脂肪酸のDHAやEPA、α-リノレン酸が含まれています。またアレルギー対策に役立つオメガ6系脂肪酸のγ-リノレン酸が含まれている点もうれしいです。
抗酸化作用でDHA・EPAをサポートするビタミンEや、リラックスをサポートするテアニンが含まれているようです。
与え方も非常に簡単です。そのままカプセルをとして与えることも出来ますし、カプセルの先端をちぎってオイルのみを与えることも出来ます。
オイルのみをいつものごはんにかけたり、スプーンなどで直接飲んでもらったりすることもできます。
安全性に関しても高い基準が採用されています。すべての製品は国内で生産されており、厳しい検査が実施されています。
安全性が確認されていない産地の原料は使用しないという「DHCの安全基準」が独自に設置されており、徹底した品質管理がなされています。
ワンちゃんの健康の事を考えた上で与えるサプリメントですから、安全面で高い基準であることは本当に大切です。
高品質で安価なので、ワンちゃんの血管年齢を若く保つために、日々の生活に安心してプラスすることができるのではないでしょうか?
ペットヘルス ARA+DHA
10歳を超えた高齢犬のために販売されているサプリメントです。
成分
2粒(450㎎)あたりの成分
ARA:53㎎
DHA:53㎎
アスタキサンチン:0.22g
主要原材料
ARA含有食用油脂、DHA含有精製魚油、ゼラチン、グリセリン、ヘマトコッカス藻色素
特徴
DHAのほかにARA(アラキドン酸)が含まれています。このARAは母乳、卵、レバーなどに多く含まれる成分です。毎日摂取するためにはカロリーやコレステロールの量に注意する必要があります。
ARAは血液の凝固を抑制し、肝機能を向上させてくれます。またアレルギー症状の予防・改善、コレステロール値の低下に役立ちます。
動脈の収縮などの作用もあるようです。血管の健康を保つために役立つ成分といえます。
このARAに加えてDHAがしっかりと含むことで、特に高齢犬の健康をサポートしてくれるものとなっています。
このARAとDHAは酸化しやすいという特徴がありますが、これらを保護する成分としてアスタキサンチンが含まれている点もうれしいですね。
ソフトカプセルなので、そのまま与えたり、ごはんに混ぜたりして簡単に与えることができるでしょう。
国産オメガ3粉末
トッピングに便利な粉末として、「オメガ3粉末」をご紹介します。
成分
100g中
粗たんぱく:20%以上
粗脂肪:25%以上
炭水化物:40%以上
粗灰分:6%以上
水分:7%以下
DHA:5.5%
EPA:1.3%
フィッシュカルシウム:1.5%
粗繊維:3.5%
主要原材料
まぐろ頭部、乾燥おから、r‐シクロデキストリン、トコフェロール(ビタミンE)
特徴
摂取しやすい粉末タイプが特徴的です。天然鉢まぐろの目の周りを中心にペースト状にして、r‐シクロデキストリン(トウモロコシ由来の環状オリゴ糖)と乾燥おから、ビタミンEを配合して製造されています。
粉末タイプですから与え方非常に簡単です。ティースプーン1杯をいつものごはんにかけるだけで簡単に栄養補充することができます。
特にドライフードの中にオメガ3脂肪酸が含まれていないなら、積極的に使用できるでしょう。
このオメガ3粉末には美味しい魚の香りがついています。老犬になって食欲が落ちているワンちゃんにとてもおすすめです。老犬になって嗅覚が弱くなると、それと共に食欲が亡くなってしまうワンちゃんがいます。
ワンちゃんにとって香りと食欲は強く結びついているからです。このオメガ3粉末によって香りが強くなるので、ご飯に対する食いつきが良くなることを期待できます。
そのうえ、血管年齢を若く保つための成分も摂取できるのですから、一石二鳥で非常にお得ですね。
与える分量は1日約スプーン1杯の3gです。しかしオメガ3粉末はまぐろを粉末状にしたものなので、与えすぎても問題がありません。ごはんにプラスするふりかけとして安易に使用することができるのです。
サプリメントとなると少し抵抗がある方には特におすすめできるものとなっています。
まとめ
ワンちゃんの血管年齢について考えることができました。ワンちゃんたちが健康に長生きするためには血管年齢を若くすることが欠かせません。もちろんワンちゃんはどんどん年をとっていくものです。
そんな中でも血管の年齢は若返ることができるのです。血管の老化には怖い命に係わる病気がつきものです。そうした病気を防ぐためにもぜひ、血管年齢若返りにチャレンジしましょう。
大切なのは日々の規則正しい生活です。バランスの取れた食生活を心がけましょう。運動をしっかりと行ないましょう。散歩に欠かさず出かけることで運動不足とストレス解消を同時に行うのはいかがですか?
また可能であればマッサージしてあげることも良いでしょう。EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を積極的に与えるようにしましょう。
ごはんだけでは十分な摂取が難しいかもしれませんから、そんな時はサプリメントを用いることができるでしょう。
サプリメントを補助的な役割として用いることで、これからもワンちゃんが健康的な生活を送ることができるよう助けてあげましょう。