ターキー(七面鳥)とは
正直、ターキー(七面鳥)のお肉を食べる習慣は、昔から現代に至るまで存在していません。飼育しているのを見かけることも少ないですし、スーパーでもレストランでもほとんど見かけません。
ただ海外では、ターキー(七面鳥)の肉は、身近な存在であり、ヘルシーなお肉として人気があります。家族が集まるイベントに、母親特製の七面鳥の丸焼きがドンと食卓に置かれている光景を映画などでみたことがあることでしょう。
ですから、大事な家族の一員であるペットにも、ターキー肉を食べさせることはごく自然なことで、ペットフード先進国で作成されるキャットフフードの多くは、ターキー(七面鳥)のお肉を主原料ににしているものもあります。
今日は、そんなターキー肉の特徴や魅力や、またターキー肉を主原材料にしている、愛猫に安心して食べさせることのできるおすすめのキャットフードをご紹介していきたいと思います。
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冒頭でも触れたように、七面鳥は日本人にとって馴染みがない鳥ですので、まずはどんな姿をしているどんな鳥なのかを、ざっとおさらいしたいと思います。
キジ科の最大種で、オスは全長122cm、体重9kgほど、メスは全長60cmほど大きさがあります。光沢感のある黒い羽毛で覆われており、頭部や頚部は羽がなくて、赤い皮膚が露出し、発達した肉垂があります。
アメリカ合衆国やカナダ南部、メキシコなどに生息し、オス一羽に対しメス数羽からなる小規模な群を形成して生活しています。食事は雑食で、果物・種子・昆虫・両生類・爬虫類などを食べます。
生息地であるアメリカやカナダ、またイギリスなどのヨーロッパでも、食用として一般家庭で飼育されていることも多く、日本のニワトリのような身近な存在です。
ですからターキーで作られたハムやベーコンなども一年を通じて食べられますし、感謝祭やクリスマスなどのお祝いの日には、詰め物をしたターキーの丸焼きを食べる習慣が定着しています。
ターキー(七面鳥)肉の特徴
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日本では馴染みがないとはいえ、世界中で食べられているターキーには、魅力的な幾つかの特徴があります。
それらの特徴は、人間が食べるときにも、キャットフードとして猫が食べるときにもメリットになるものですので、代表的な4つをご紹介したいと思います。
脂肪分が少ない
他の肉は、皮以外の身と身の間にも脂肪があるのに対し、ターキーは、皮を除くとほとんど脂肪がありません。
ヘルシーで猫が好む味ということで、キャットフードに鶏肉が使用されていることが多いですが、その鶏肉よりももっと低脂肪なのがターキー肉です。
もちろん脂肪分は、炭水化物・タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つであり、エネルギー源として活躍してくれる大事な栄養素です。ただ、摂取しすぎると肥満を招いてしまうので、毎日の食生活で脂質の量に気を配らなければなりません。
昔は、猫はスリムで身軽というイメージがありましたが、現代の猫は、飼育環境の変化や運動不足、食事内容の変化などによって、飼育されている猫の3割は肥満もしくは予備軍とされています。
ですから、日常食として食べさせるキャットフードは、できるだけ脂質が少ないヘルシーな原材料をメインにしている方が好ましいのです。
高タンパク
運動量が多く、良質な筋肉を維持することが求められるアスリートは、食事にも細かくこだわっていますが、彼らがターキー肉を好んで食べるのをご存知でしょうか?なぜなら、低脂肪でありながら高タンパクだからです。
例えば、同じくヘルシーかつ高タンパクな肉として評判の鶏胸肉と比べてみると、100gあたりのカロリーは、鶏胸肉が108kcalなのに対し、七面鳥は106kcal、タンパク質は鶏胸肉が22.3gに対して、七面鳥は23.5gです。
このように比較すると、ターキー肉が、低カロリーなのに高タンパクであることが際立ちますよね。なんと牛肉・豚肉・馬肉と比べても、ターキーが一番の高タンパク質のお肉になっています。
アミノ酸が鎖状に繋がって構成されるタンパク質は、猫にとっても必須の栄養素です。猫の臓器や筋肉、皮膚や被毛を作る元になったり、ホルモンや酵素、抗体を作るのにも使われる、まさに猫の体づくりの要になる栄養素なのです。
万が一タンパク質が不足すると、発育が遅れたり、体の機能が低下するなど、深刻な影響を与えかねません。
しかも、ネズミや鳥などを餌とする肉食動物である猫には、動物性タンパク質が必要で、猫の消化器官も、動物性タンパク質からスムーズにエネルギーを吸収できるようになっています。
一方、同じタンパク質でも、大豆などから得られる植物性タンパク質は、肉食動物の体の構造の猫にとてっては消化に適していません。ですから、あくまでも動物の肉や、魚から取れる動物性タンパク質が必要なのです。
そして、健康を維持するために必要とする1日分のタンパク質の量は、体重1kgに対して7gほどと言われています。ですから、キャットフードの成分表には、必ずタンパク質量が表示されていて、計算できるようになっています。
ライフステージによって多少の差はあるとはいえ、必要なタンパク質の量をきちんと補ってあげることは飼い主にとって大事な責任です。ですから、高タンパクなターキーをメインにした良質なキャットフードは飼い主さんにとって大きな助けになります。
ミネラルが豊富
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人間と同じように猫もミネラルが不足すると、骨や筋肉がしっかりと成長できないなどのリスクを抱えてしまいます。
しかもミネラルは、カルシウム・リン・マグネシウムなどの様々要素によって構成されているので、どれか一つの要素を過剰に摂取するのではなく、全体的にバランスよく摂ることが大事です。
特にリンが多すぎると、カルシウムの吸収を阻害して骨が弱くなってしまうこともありますが、ターキー肉の場合、リンの含有量は少ないですし、上記以外の猫の健康維持に特に役立つミネラルの成分である、鉄分・亜鉛・銅・セレンなどもしっかりと含まれています。
つまり、猫にとって最高のバランスになっているミネラルということです。
アレルギーになりにくい
脂肪分が少ないということは、それだけアレルギーになるリスクが少ないと考えられています。ですから鶏肉よりもヘルシーなターキー肉は、より底アレルゲンだと言えるのです。
猫がアレルギーを起こすほとんどの原因は、普段食べているキャットフードです。穀物類を使用しているのはもってのほかですが、肉であっても脂肪分の高いものや、質の悪いものを使用しているとアレルギーを起こしやすいです。
ミートミールなど、肉の種類を特定せず、どんな状態なのかもわからないような表示の場合は、人間では食べないような腐った肉や病気の肉、また、栄養素のない骨や羽、血液などを混ぜ合わせたような部位を使用していることがほとんどです。
ですからしっかりと、生もしくは乾燥ターキー(七面鳥)肉と原材料に表記されれているような良質なキャットフードを選ぶなら、粗悪な肉を食べさせることも防げますし、低脂肪なお肉で、アレルギーを起こしにくい体づくりに貢献できます。
ターキー(七面鳥)使用のおすすめキャットフード
ここまで、「低脂肪」「高タンパク質」「ミネラルが豊富」「アレルギーになりにくい」など、 ターキー肉の魅力的な特徴を考えてきました。
他にも、ビタミンも豊富だったり、独特の香りが猫を魅了するなど、キャットフードに向いているお肉であるポイントがたくさんあります。だからこそ、プレミアムキャットフードと呼ばれる優良な商品は、ターキー肉をメインにすることが主流になってきています。
これから特におすすめの2つのドライキャットフードをご紹介したいと思います。
ナウフレッシュ(NOW FRESH)
商品名の通り、とことん新鮮さにこだわり、キッチンで作りたての料理をつまみ食いするあの美味しさを目指して作られているカナダ発のキャットフードです。
原材料の鮮度を維持するために、地元の契約農家や牧場から、毎日自社キッチンに届けられて、その日のうちに料理されたものだけを使用します。
ナウフレッシュのキャットフードは、子猫用の「キトン」、生猫用の「アダルトキャット」、シニア猫もしくは肥満気味の猫用の「シニアキャット&ウェイトマネジメント」、フィッシュベースの「フィッシュアダルト」の4種類があります。
そのうちフィッシュ以外の3種類とも、新鮮なターキーの生肉をメインの原材料にしたレシピになっています。サーモンやダック(鴨)なども配合はされていますが、全原材料のうち一番多く配合されているのが、今回特集している猫に最適なお肉であるターキーです。
しかも100フレッシュな生肉で、乾燥肉粉や、副産物、4Dミールなどは一切使用していません。ですから先ほどご紹介した、ターキー(七面鳥)肉の魅力的な特徴を、十分に感じつことができます。
その証拠に、「キトン」の脂肪分は24%・タンパク質は38%、「アダルトキャット」の脂肪分は22%・タンパク質は36%、「シニアキャット&ウェイトマネジメント」の脂肪分は15%・タンパク質は34%となっています。
3種類とも、ターキー肉の特徴である、高タンパクというのを見事に表す数字になっていますよね。
脂肪分はヘルシーにこだわっている他のキャットフードと比べると、少し高いと感じるかもしれませんが、成長期の子猫や肉食の生猫にとって、生のターキー肉に含まれる良質な脂肪は、エネルギー源となる必要不可欠の栄養素でもあります。
脂肪分イコール太ると考える必要はありません。ナウフレッシュのように、良質な脂肪分を健全な量配合している場合は、むしろ免疫強化に繋がり、猫の健康を維持するのを助けてくれます。
残念ながら、ちょっと太り気味でダイエットをする必要のある猫ちゃんや、シニア期に入って運動量が落ちた猫のためには、脂肪分が少ないシニアキャット&ウェイトマネイジメントを食べさせれば良いのです。
このようにナウフレッシュでは、飼い猫それぞれの体調や、ライフステージに合わせて、シリーズの中からぴったりのキャットフードを選べるようになっているのもおすすめなポイントです。
さらにナウフレッシュは、4種類の新鮮なベリーや、15種類以上のフレッシュな野菜や果物、ココナッツオイルやキャノーラ油などの高品質のオイルなどを配合して、猫に必要な栄養素がバランスよく整った総合栄養食になるように工夫されています。
しかもそれらの厳選された素材の力を壊さないように、製法方法にもこだわって、少量をゆっくりと時間をかけて、90度ほどの低温で調理するSCSB(Slow Cooked in Small Batches)という製法をとっています。
最高の素材が持っている栄養素をそのままキャットフードに閉じ込めて、猫がきちんと吸収できるように最善の方法が取られているわけです。だからこそ、ターキー肉の良いところをギュッと凝縮したドライキャットフードと言えます。
「キトン」「アダルトキャット」「シニア&ウェイトマネジメント」共に、お試しサイズを含め、いくつかのサイズ展開がありますので、飼い猫の頭数やサイズに合わせて、1カ月以内で使い切るものを購入されることをお勧めします。
オリジン(ORIJINN)
次にご紹介したいのは、オリジン「キャット&キティ」です。この商品のメイン原材料は、鶏肉にはなっていますが、新鮮なターキー肉も二番目に多く含まれています。
さらに、七面鳥心臓・ディハイドレート七面鳥・七面鳥軟骨・フリーズドライ七面鳥レバー・など、野生の猫が自然界で食べているように、ターキーを丸ごと食べていると一定もいいほど様々な部位が含まれています。
というのもオリジンでは、ドライキャットフードでありながら、自然界での猫の食事を綿密に模写するようにこだわったレシピを用いているからです。
合成サプリメントなどを配合しているキャットフードも多いですが、自然界に生きている猫は、日によって違う獲物を狙い、捕獲した新鮮な動物を、臓器や軟骨なども丸ごと食べることによって、必要な栄養素を全て補います。
ですから、オリジンのキャットフードは、鶏やターキーだけでなく、合計6種類の肉を、2/3が新鮮(保存料を使わずに冷凍もしくは急速冷凍)、1/3がディハイドレートまたは乾燥肉の状態で、全体の90%をしめるほど使用しています。
その結果、タンパク質を40%の割合で含み、底GI炭水化物を19%に制限することに成功していますし、猫に必要なビタミンやミネラルを含む、自然の栄養源を全て提供することが可能になっています。
もちろん、自然界で野生の猫がが食べないような穀物や野菜などは配合されていません。
猫の体の構造は、自然界で生きていた時と、ペットとして人間に飼われるようになっている現代でもほぼ同じです。ですから生物学な観点から見ても、自然素材をそのまま栄養にするというオリジンの考え方は正しいと言えるでしょう。
オリジンが生物学的に適正としている5原則は、「肉90%とタンパク質40%」、「新鮮肉含有量が2/3」、「豊富な肉の種類」、「肉の比率」、「炭水化物が20%に制限」です。
もちろん、飼育環境や運動量、年齢などによって給餌量や給餌の仕方を変える必要はありますが 、この5つの原則は、全ての猫種で、子猫からシニア猫まで当てはまります。
基本的にはこの原則の元に作られたキャットフードは、猫が健康維持に欠かせないと本能的に判断できる食事と言えます。
好き嫌いが多かったり、飽きぽかったりする猫に、一度オリジンのキャットフードを試して見てください。驚くほどに食いついて、ペロリと食べ切ってくれることでしょう。
まとめ
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ターキー肉の特徴や、上質な七面鳥の肉を使用した優良ドライキャットフードなどをご紹介してまいりましたがいかがだったでしょうか?
ターキー(七面鳥)のお肉は、ヘルシーで高タンパク、しかもビタミンやミネラルも豊富に含む完全肉食の猫にぴったりなお肉であることを再確認することができましたね。
自分にとって馴染みがないからといって避けるのではなく、猫の健康に良いとわかったからには積極的に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
猫は本能的に食べ物を嗅ぎ分ける力が他の動物よりも優れているだけに、新鮮なターキー肉を使用したキャットフードに対する反応をみて、その確信を強めることもできることでしょう。
今日ご紹介した「ナウフレッシュ」や「オリジン」の2種類他にも、「アカナ」や「エボ」など質が良く、猫の健康をサポートしてくれるターキー肉を使用した優良キャットフードはいくつかあります。
詳しくは、それぞれのメーカーの公式ホームページでご確認ください。