トイボブの特徴
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ロシア原産のとっても小さな甘えん坊の猫、トイボブ。
シャムネコのような情報や上品なカラーリングと、トイボブの大きな特徴にもなっている子猫のようなサイズの体つきが大変かわいらしいと愛猫家たちから話題を集めています。
かわいいのはサイズだけではなく、その性格も人気の理由になっています。
犬のような従順さと、常に人間と一緒にいることを好む人懐っこくて甘えん坊な性格は多くの人を魅了してきました。
猫種としての正式な名前は「スキフトイボブテイル」ですが、海外では「小さなボブテイル」という意味の「トイボブ」と呼ばれ、親しまれています。
日本でも「トイボブ」と呼ばれることが多いですよ。
「世界一小さな猫」と言われているトイボブの頭数はいまだに少なく、体も小さいので一度の出産でたくさんは生まれてこないことも頭数が増えていかない理由の一つです。
そのため人気はあっても稀少性が高く、なかなか飼えないレアな猫です。
身体的な特徴
トイボブはシールポイントカラーと呼ばれる色合いをしていて、淡いボディーカラーに、顔や手足と耳としっぽに濃いカラーリングのシャム猫のような品のある見た目をしています。
名前の由来にもなっている短いしっぽが特徴的で、成猫になっても一般の猫の生後3~4ヶ月位の子猫と同じくらいサイズの大変小さな猫です。
短いしっぽは3~8センチ程度とかなり短く、ちょこんとしたかわいいしっぽがついています。
短いので、一般の猫よりもしっぽの尾椎の数も比例して少なくなっているそうです。
小さなトイボブは、骨格の造りもコンパクトにできているんですね。
見た目の印象としては、しっぽの短いシャム猫の赤ちゃんのようですよ。
トイボブの体を小型化しているのは未知の劣性遺伝子とのことで、突然変異で誕生したため小さくなる理由はいまだに解明されていないようですが、成猫でも2.5キロ以下の大きさにしかならないそうです。
猫界で最小の猫とされているシンガプーラも3.5キロほどになるそうなので、トイボブはそれよりも小さい猫界最小を更新しました。
丸みのある頭にダークカラーの三角耳、ぱっちりとした大きな目は澄んだブルーの瞳をしていて、まるでぬいぐるみのような愛らしい見た目をしています。
寿命や体型
まだ飼育数が多くないために現在までに飼育されたトイボブの平均でいうと、トイボブの寿命は16~22才と言われており、猫の中では長寿な種類とされています。
トイボブは小さいですが、意外にも筋肉質な体をしています。
頑丈なトイボブは肩幅もあり、胸板も厚めなしっかりとした体型で、「コビー」または「セミコビー」と呼ばれる体型に分類されます。
トイボブの体重は、オスが2キロほど、メスは1.7キロほどです。
一般の猫の赤ちゃんの4ヶ月の頃と同じくらいの体重と聞くと、トイボブの小ささに驚かれるのではないでしょうか。
トイボブの歴史は?
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ボブテイルの起源はシャム猫なので見間違うくらいよく似ていますが、トイボブの小さな体は突然変異で産まれたようです。
1988年ロシアの港町、ロストフ・ナ・ドヌ市に住んでいたメコンボブテイルのブリーダーが捨て猫だった2匹のシャム猫のペアを拾ったことから始まりました。
この2匹はシャム猫ですが、メスは体が小さく、オスは短い尻尾という特徴をもっていて、2匹から生まれた子猫たちも両親の特徴を引き継ぎ、小さい体に短い尻尾をしていたそうです。
このペアの猫の間から生まれた子猫たちは、シャム猫にしては体が小さくしっぽにも欠陥があるということで、当初は知り合いの猫好きにプレゼントしていたそうです。
しかしその頃に彼女がFAR(ロシア猫科動物協会)に加入したこともあり、この小さな猫を協会の人たちに見せたところ、「小さな猫の品種」の繁殖計画が進められることになりました。
モスクワで行われたキャットショーで大評判になったトイボブは、マスコミにも取材され知名度が上がり、ヨーロッパのショーにも出場した時には、なんと名誉ある「インターナショナル・チャンピオン」の称号を獲得しました。
これまでは頭数が少ないため、なかなか猫種としての認可を受けることができませんでしたが、2011年についにWCFで認可をうけ、トイボブは世界で1番小さい猫として猫種登録されました。
また2017年にはTICA(世界的な猫の血統登録団体)でレジストレーションオンリーの猫種として登録されました。
徐々に個体数を増やしているものの、繁殖する際にトイボブ以外の猫と掛け合わせることが禁止されているとのことで、頭数を一気に増やすことが難しい猫種です。
トイボブの飼育数は日本でも2ケタにやっと届いたそうなので、いまだに頭数が少ない稀少な猫であることに変わりはありません。