エキゾチックロングヘアの特徴
atiger/shutterstock.com
アメリカンショートヘアのシルバーの毛色やバーミーズのブラウンカラーの猫を作出しようとして短毛種の猫とペルシャ猫を交配したところ、意図せずに生まれたのがエキゾチックショートヘアです。
個性的な姿が魅力的だったので、そのまま特徴を活かして改良を繰り返し、いろいろな猫を交配させてショートヘアの固定を目指しましたが、どうしてもロングヘアの子猫も生まれてしまいます。
そのためアメリカの猫血統登録団体であるCFAは「エキゾチック」という一つのカテゴリーとして認定し、「ショートヘア」と「ロングヘア」に登録の表記を分けることにしました。
ただし、「エキゾチック」全体または「エキゾチックロングヘア」だけを認めていない血統登録団体もいます。
ペルシャ猫を基礎猫にしているため、劣性遺伝の長毛同士をかけ合わせて生まれた長毛種は戻し交配だという考えからです。
このように複雑な事情がまじりあっているエキゾチックロングヘアですが、まだ作出されて60年ほどと新しいので、これからどうなるか楽しみですね。
ブサ可愛いエキゾチックのロングヘアとして人気上昇中ですが、体型や身体的特徴、寿命などについて説明します。
エキゾチックロングヘアの体型と身体的な特徴
エキゾチックロングヘアは平均体重が約3.5kg~6kgほどのコビータイプです。
筋肉質で骨太、そして足や胴体は短めでがっしりとした体つきをしています。
基礎猫となったペルシャも同じコビータイプですが、エキゾチックロングヘアのほうがしっぽが短くて太いため、タヌキのようにぽっちゃりと見えます。
特徴的なのは潰れた顔で、頭部は丸くて頬はふっくらとしています。
小さくて低い鼻が顔の特徴を引き立てていて、「鼻ペチャ」などと呼ばれることがあります。
また顔に比べて小さめのつぶらな瞳は、どこか困っているような、またはムスっとしているようにも見えて、思わず笑ってしまいそうです。
中には「困ったおじさんのよう」という人もいます。
丸くて小さな耳は間隔をおいてちょこんと付いています。
ペルシャ猫と似ていますが、尻尾は太くて短いので見分けることができます。
毛色はいろいろな色とパターンがあり非常に豊富で、目の色もバラエティに富んでいます。
見ていて飽きない特徴的な潰れた顔は、まるでぬいぐるみのように可愛いため、これからどんどんと人気が出そうですね。
エキゾチックロングヘアの寿命
エキゾチックロングヘアの平均寿命はおよそ10歳から13歳くらいだと言われています。
猫全体の平均寿命が15歳くらいとされているので、少し短めだということがわかります。
基礎猫となっているペルシャ猫がかかりやすい病気も引き継いでいるので、異常があったらすぐに動物病院に連れて行くなどして早期発見に努めたいものです。
これらの病気に加えて、室内飼育か室外飼育かによっても寿命がかわってきます。
完全室内飼育を徹底すれば、それだけでも寿命を延ばすことができますよ。
危険防止で怪我をしないようにし、健康管理、スキンシップなどで愛情をたっぷり注ぐなどして、できるだけ長く健やかに生きてほしいですね。
エキゾチックロングヘアの歴史は?
shutterstock.com
エキゾチックロングヘアの歴史を語るうえで、エキゾチックショートヘアの歴史を無視することはできません。
それは、エキゾチックショートヘアの作出、固定の途中で長毛の子猫が産まれたため、それがエキゾチックロングヘアとなったからです。
エキゾチックショートヘアですが、その誕生は1950年代後半と比較的新しい猫種だということがわかります。
アメリカンショートヘアのシルバーの毛色の長毛猫とバーミーズのブラウンカラーの猫を作出しようとしてペルシャ猫と交配しようとしたのがきっかけでした。
ブリーダーの意図に反して生まれたショートヘアの子猫が個性的で魅力的だったため、そのまま独立して改良したのがエキゾチックショートヘアでした。
ブリティッシュショートヘアやロシアンブルーなどの猫種とも交配して、ショートヘアを固定化しようとしましたが、どうしてもロングヘアの子猫が生まれてしまいました。
このためにアメリカの猫血統管理団体の1つで、TICAとも並ぶ大きさのCFAは、「エキゾチック」という一つのカテゴリーで猫種として認定し、登録表記は「ショートヘア」と「ロングヘア」で分けることにしました。
2009年にエキゾチックロングヘアとしてキャットショーに参加することが許可されましたが、他の猫血統登録団体はエキゾチックロングヘアをペルシャとして登録しています。