はじめに


東京都内の神社やお寺では、ここ数年でカフェが急増中。施設デザインもおしゃれなところが多いんです。今回は厳かな雰囲気にひたりながら楽しめる、洗練された社寺カフェを厳選してみました。社寺カフェめぐりに出かけて心安らぐひとときを過ごしてみませんか。

Text:アントレース

緑を感じながら精進料理ベースのランチを楽しむ「赤門テラス なゆた」(豊島区長崎)


西武池袋線の椎名町駅からすぐの金剛院は、500年前に開創された弘法大師の教えを伝えるお寺です。入口には文化財に指定されている大きな朱塗りの山門が鎮座し、“赤門寺”と呼ばれていたこともあります。境内には、手塚治虫さんなどが住んでいたマンガの聖地「トキワ荘」(現・豊島区立トキワ荘マンガミュージアム)を見つめるマンガ地蔵や、“木石”と呼ばれる1億年前の木の化石など見どころがたくさん。

山門をくぐって、参道の右手に見えるガラス張りの建物がお寺カフェ「赤門テラス なゆた」です。
訪れる人たちのお目当ては日替わりの「本日のお寺ごはん」(1,100円)。栄養バランスを考えたマクロビ料理をベースに、体に優しいおかずが並び、ボリュームもたっぷり。店内は大きな窓から境内を彩る木々や草花を眺められ、あたたかな日差しが降り注ぎます。テラスもあるので、今の時期は外でいただくのも気持ちよさそうですね。ゆったりと心癒されるひとときを。


◆赤門テラス なゆた
住所:東京都豊島区長崎1-9-2 金剛院内
TEL:03-3530-8824
営業時間:10:00~16:00(フードLO15:00、ドリンクLO15:30)
定休日:火曜(祝日の場合は営業)
アクセス:西武池袋線椎名町駅から徒歩すぐ

アニメの聖地として有名な神社のカフェでゲン担ぎメニューを『EDOCCO CAFE 「MASU MASU」』(神田)


秋葉原駅と御茶ノ水駅のちょうど中間あたりに建ち、商売繁盛や縁結び、勝負事の神様が祀られる神田明神。創建は730年と古く、近年はアニメの聖地としても知られています。

境内にある文化交流館の中に2018年に誕生した『EDOCCO CAFE 「MASU MASU」』は、カフェやランチ、和のデザートをメインにしたお店です。
お昼のカフェでは縁起のよいメニューがずらり。ポーク神社(ジンジャー)と書かれた「生姜焼きプレート」(1,100円)、「勝(カツ)カレー」(1,540円)といったゲン担ぎに効きそうなメニューが揃います。ランチタイムはプラス300円でドリンクセットも用意され、お土産には「神社声援(ジンジャーエール)」(3本1,200円)が人気です。


◆EDOCCO CAFE 「MASU MASU」(エドッコ カフェ マスマス)
住所:東京都千代田区外神田2-16-2 神田明神 文化交流館内
TEL:03-6811-6622
営業時間:10:00~17:00(LO16:45)、土日祝10:00~18:00(LO17:45)
定休日:無休
アクセス:東京メトロ各線御茶ノ水駅から徒歩約5分

18品目のおかずが並んだ朝食が人気の「築地本願寺カフェ Tsumugi」


築地場外市場からほど近くにある築地本願寺は、江戸時代に浅草から移転してきた歴史があります。境内で目を引くのは1934年に完成したユニークな形の本堂。古代インドの仏教建築を模した異国情緒あふれる本堂の脇には、カフェやブックストアが入るインフォメーションセンターがあります。
2017年、創建400年事業として和をコンセプトにしたカフェがオープン。人気は、小皿に色とりどりのおかずが並んだ「18品の朝ごはん」(1,980円)。お粥とお味噌汁に加え、煮物、焼き物、香の物、さらには場外市場で人気の惣菜など、16品のおかずが付き、見た目のインパクトもあります。18品という数は、築地本願寺のご本尊である阿弥陀如来が立てた誓願に由来しているのだそう。48の誓願の内18番目の誓願“あなたを決して見捨てない”が築地本願寺の本願であり、これにちなんでいます。一日110食限定なので、頑張って早起きして訪れてみては。


◆築地本願寺カフェ Tsumugi(ツムギ)
住所:東京都中央区築地3-15-1 インフォメーションセンター内
TEL:03-5565-5581
営業時間:8:00~21:00(朝食は8:00~10:30)※当面の間8:00~18:00の短縮営業中
定休日:無休
アクセス:東京メトロ日比谷線築地駅出口直結

コーヒーを片手に僧侶とじっくり対話できる「寺カフェ代官山」


神奈川県川崎市の信行寺が手掛けるカフェ。お店に入ると400年前ほど前につくられたという阿弥陀如来像や大きな阿弥陀如来のイラストが目に飛び込んできます。

お店は毎日決まった時間帯にお坊さんが常駐し、客の悩みを聞いたり相談に乗ってくれたりと“現代人のための駆け込み寺”的な立ち位置で運営。また、写経や数珠づくりなどの講座も開かれています。
こちらでは“お粥には十の功徳がある”をコンセプトに、手作りのおかずがセットになった「寺カフェの朝粥」(1,430円)をいただけます。胃に優しく、1日の活力を付けてくれると昔から言われる朝粥で1日を清々しくスタートさせてみましょう。


◆寺カフェ代官山
※「寺カフェの朝粥」は事前予約制。当面の間、日曜8:00~9:30、9:30~11:00、月曜7:00~8:30、8:30~10:00のみの提供 
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-33-15 EN代官山ビル1F
TEL:03-6455-3276
営業時間:11:00~22:00(LO21:00)
定休日:無休
アクセス:‎東急東横線代官山駅から徒歩約3分

昨年オープンのシックな喫茶では贅沢カツサンドを「attic room 靖國外苑」


都内有数のお出かけスポットとして親しまれている靖國神社。2019年に創立150年を迎え、外苑に食堂とカフェ、ショップを内包する商業施設がオープンしました。アンティーク調のテーブルやイスが置かれた店内は、シックで味のある大人の喫茶店といった雰囲気です。
季節の食材をふんだんに使用したフードメニューやカフェメニューに加え、アルコールなども販売。なかでも、希少部位・牛カイノミのカットステーキを練り込んだ和牛100%の「メンチカツサンド」(1,300円)は早くも名物との呼び声が。11:00~17:00のランチタイムには、週替わりで多彩なランチプレートを用意しています。


◆attic room 靖國外苑(アティック ルーム ヤスクニ ガイエン)
住所:東京都千代田区九段北3-1-1 靖國神社外苑休憩所
TEL:03-6910-0490
営業時間:10:00~17:00(LO16:00)
定休日:無休
アクセス:東京メトロ各線九段下駅から徒歩約5分

おわりに


境内などにあるカフェとはいえ、どのカフェもフードメニューが充実しています。心静まる社寺カフェでゆったり落ち着いた雰囲気を楽しむのも、これからの新しい時間の過ごし方かもしれません。

※価格は全て税込み表記です。
情報提供元: 旅色プラス