はじめに


秋以降に行くのもおすすめな石垣島の紹介第2弾。広ーい空の下、とびきり澄んだ海の淵で夕焼けを待つ。他に人はおらず、世界にポツンと取り残された気分……。ロマンチックでしょ。石垣にはそんな夕焼け堪能ビーチがいっぱいあるんです。中でも、独り占め率の高い、ニッチなビーチをご紹介いたします。

Text&Photo:とまこ

マングローブが茂る嘉良川河口、平久保の浜


石垣島の北端、平久保崎のちょっと手前にある平久保の浜が大好きです。石垣島の一部は亜熱帯気候の地域で、マングローブが自然分布しています。マングローブが生い茂る浜辺に幅の狭い嘉良川が流れ込んでいて、干潮の時なら水辺が二重になるのです。
特に撮影した時は台風1日前。雲の様子が劇的すぎて、リアルな世界とは信じ難かったですよ……。絵の中にいるみたい。

太陽が沈んだ後の、マジックアワーも素敵でしょ。


◆スポット情報
住所:沖縄県石垣市平久保
市街地より206号線を北上し、平久保崎の少し手前の嘉良川河口周辺。目印は、マングローブの景色が見える小さな橋。

茂みを分け進んで行く、秘密基地みたいなガブルマタ川河口のビーチ


こちらのビーチの北側、ガブルマタ川にもマングローブが生い茂っています。川は波打ち際と直角に交わるよう流れ込み、赤い空が海と川の両方に写り込むのです。
ビーチの南には、ツンとした山があるから、南向きもかっこいい。何より、このスポットにたどり着く過程がプチ探検的で気分を高めてくれるのです。茂みに続く道を辿ると現れるビーチだから、秘密基地に来ちゃったみたいでしょ。


◆スポット情報
住所:石垣市野底
市街地より79号線を北上、「兼城公民館」が左手に現れたら次の角を左折。奥まで行くとマリンショップ「宝島」(石垣市野底891-3)が。そこからさらに奥にある、茂みに続く道を進む。

ビーチの狭さが“自分用”みたい。素朴な情景の「伊土名ビーチ」


この神秘的な日の入りの直後、台風が荒れに荒れたんです。嵐の前後は、とにかく劇的な空が拝めます。
信じられない色でしょう。台風が去った直後も最高ですよ。もしも滞在中に嵐がくるなら、その前後の雲の形と、太陽の色を十二分に楽しんでください。もちろん、十分に注意して! このビーチはとっても狭く、プライベート感が高まりますよ。


◆伊土名ビーチ
住所:石垣市桴海
市街地より79号線を北に向かって走ると、左の角に「井上シーサー工房」(石垣市桴海337-5)が。そこを海側に曲がって行き着くビーチ。


270度を山に囲まれ、海面がとびきり静か。浦底湾に面した海岸


市街地から79号線を30分ほど北上した、島の中ほどにある浦底湾の海岸です。台風が去って2日後の夕暮れ。海面に、雲の合間から差し込む光が反射して、世界がキラキラしっぱなし。
空の様子がバッチリ写り込んでいます。この時は嵐の後だけど、通常の天候の時でも、かなり静かでキレイです。


◆スポット情報
住所:石垣市桴海
79号線沿い、島のちょうど中ほど。

引き潮なら是非行きたい、遠浅の「底地(すぐち)ビーチ」


底地ビーチは、干潮の時に訪れると、どこまでもバシャバシャと歩いていけるようになる不思議な地形です。雲と光加減によっては、全部がキレイに写り込んで、まるでかの有名な「ウユニ塩湖」!
振り返ると、ずっと向こうの山の中にポツンと一軒。明かりが反射して、妙に絵になるのです。


◆底地ビーチ
住所:石垣市川平185-1
石垣シーサイドホテル(石垣市川平154-12)の前のビーチ方面を目指す。

おわりに


南国石垣は嵐も多いけど、その前後は信じがたいほどキレイな情景に出会えます。もちろん、通常の空模様の時も素晴らしいですよ。正直、教えるのがためらわれるほど魅力的なスポットを取り上げました。ぜひ訪れてみてください。

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド」(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!」(幻冬舎)など既刊12冊。2017年9月20日には新刊『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)発売。



情報提供元: 旅色プラス