アメリカン航空は、アメリカ運輸省がデルタ航空の東京/羽田〜ミネアポリス線の開設を暫定的に認めた事に対して異議を申し立てた。
アメリカン航空は、デルタ航空の開設が暫定的に認められたアメリカ北西部のミネアポリスを結ぶ路線は、全日空(ANA)が同じく北西部のシカゴ線を開設することや、以前に深夜早朝枠としてデルタ航空への割当が行われたデトロイト・シアトル線で失敗したことを挙げ、公共の利益を考慮するならば、アメリカン航空が開設を申請している中西部のダラス/フォートワース線を認めるのが妥当と主張。さらに、デルタ航空は中国に戦略的パートナーがいる一方で、ユナイテッド航空とアメリカン航空はそれぞれANA、日本航空(JAL)が共同事業パートナーであることから、アメリカン航空は今後、東京に焦点を当てた路線展開を行うとして、発着枠の割り当てを求めている。
アメリカン航空が提示した、デルタ航空が現在運航している東京/成田〜ミネアポリス・アトランタ・シアトル・デトロイトの4路線の乗客の割合によると、東京/成田での乗継客、東京/成田とアメリカの両都市での乗継客の合計は東京/成田〜ミネアポリス線では65%にものぼっている。東京/羽田〜ミネアポリス線を開設した場合、東京/羽田以遠の運航便がパートナーの大韓航空や中国東方航空など一部の航空会社に限られるため、日本国内や東南アジアからの乗り継ぎの利便性が悪く、充分な需要がない可能性があるとした。アメリカン航空は、東京/成田〜ダラス/フォートワース線を現在1日3便運航しており、1便を東京/羽田〜ダラス/フォートワース線に振り分けるのは合理的としている。
アメリカン航空は、2011年2月に、羽田空港の国際線拡張に伴い、東京/羽田〜ニューヨーク線の深夜早朝便の運航を開始。直後に起きた東日本大震災の影響で2011年9月から2012年6月まで運休。その後、東京/成田〜ニューヨーク線を運休する形で運航を再開したものの、時間帯の悪さから利用者は伸びずに撤退した。2016年2月に、デルタ航空が東京/羽田〜シアトル線から2015年9月をもって撤退したことに伴い、希望していたロサンゼルス線の発着枠が割り当てられたため、2016年2月に東京/羽田〜ロサンゼルス線に乗り入れを行った。
アメリカ運輸省が暫定的に開設を認めたのは、昼間発着枠はデルタ航空のロサンゼルスとミネアポリス線、ハワイアン航空のホノルル線、アメリカン航空のロサンゼルス線、ユナイテッド航空のサンフランシスコ線。深夜早朝発着枠はハワイアン航空のホノルルとコナ線。ミネアポリスとコナ線が新設路線となる。
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