JR東日本びゅうツーリズム&セールス(VTS)と日本航空(JAL)は12月21日、「成田エクスプレス号で行く! JAL成田航空機整備センター見学と成田空港スペシャルバスツアー」を開催した。

ツアーは成田市の市制70周年を記念したもので、午前9時5分新宿発の「成田エクスプレス13号」に各駅から乗車して、成田空港第2ターミナルに直結する空港第2ビル駅へ。空港では飛行機が離着陸する様子を滑走路のすぐそばで見学したり、地上を走行する航空機の誘導などを行うランプセントラルタワー内を見学。その後、JAL Agriportが運営する古民家風レストラン「DINING PORT 御料鶴」で、国際線エコノミークラスで提供されている機内食のランチを楽しみ、午後はJALの成田航空機整備センターで整備士が飛行機を整備している様子を見学するという行程。

旅行代金は大人39,500円、小学生36,500円。先着40名限定で発売したところ、1週間足らずで完売し、「20〜30人のキャンセル待ちが発生した」(VTS担当者)という。

往路の成田エクスプレスでは、ツアー専用の貸し切り車両となった1号車にJALの客室乗務員1名が同乗。機内に搭載されているトレイを使って軽食のサンドイッチと飲み物を配ったり、車内アナウンスでツアーの内容を案内したりと、機内さながらのサービスで参加者をもてなし、一人ひとりと会話を楽しんでいた。

“車内サービス”を担当した客室乗務員の齋藤綾花さんは、「普段とは違った場所で皆さんにお目にかかれて楽しかった」と振り返り、「乗務員の中でも成田エクスプレスの車内でサービスをさせていただいたのは私一人では」と笑った。

一方で、飛行機とは違う鉄道特有の横揺れに苦戦する場面もあったといい、「(飛行機に多い)上下の揺れの場合は重心を低くすれば体勢を保てるが、左右の揺れでよろけてしまうことがあった」と不慣れな場所でのサービスの難しさを実感した様子だった。

[caption id="attachment_324013" align="alignnone" width="900"] ▲成田エクスプレスに同乗したJAL客室乗務員の齋藤綾花さん[/caption]

また、客室内を歩いていた齋藤さんが、荷棚からリュックの肩紐が垂れ下がっていることに気付き、丁寧に収納する場面もあった。「いつも機内で手荷物収納は意識しているので」と齋藤さん。「棚から荷物が落下すると怪我につながるので、気になってしまった」と本来の保安要員らしい一面も見せていた。

今回のツアーを発案したのは、VTS ツーリズム推進本部エスコート商品部の徳井貴志さん。成田市市制70周年記念にちなみ、同じく国際線就航70周年の節目を迎えるJALとのタイアップを考え、今年の春頃に話を持ちかけた。相談を受けたJAL 東京支社法人販売部の野村瑛斗さんは、「初めての試みだったので、手探りの状態から始めた」といい、約半年かけて実現に漕ぎ着けた。

[caption id="attachment_324016" align="alignnone" width="900"] ▲JAL 東京支社法人販売部 野村瑛斗さん(左)、VTS ツーリズム推進本部エスコート商品部 徳井貴志さん[/caption]

列車内で航空会社の客室乗務員が乗客をもてなすイベントは、VTSとしては初めての試みだった。徳井さんは「車内販売などの車内サービスが減ってきていることもあり、移動だけでない感動体験が提供できないかと考えた」と狙いを説明する。野村さんは「より機内に搭乗している雰囲気を出せるようにこだわった」といい、機内サービスの手順から、お辞儀など一つひとつの所作に至るまで意見を出したという。

タイアップのきっかけの一つには、成田エクスプレスに使用されるE259系とJALの客室乗務員の制服のカラーリングが似ていることもあったようで、徳井さんは「赤と黒の色がJALさんとマッチしていると思った」と言及。「今後も(JAL側に)相談できることがあればどんどん相談していきたい」と新たな展開への意欲も見せていた。

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情報提供元: Traicy
記事名:「 JALのCA、成田エクスプレスで機内さながらサービス びゅうとのコラボツアーで