JR東日本は3月24日、旅行プランの提案や「えきねっと」などウェブ予約のサポートを担う新たな窓口店舗「駅たびコンシェルジュ」を開業した。「びゅうプラザ」にかわる顧客接点型の店舗として、川崎駅・秋田駅を皮切りに24駅25店を展開する。
同社は2019年、びゅうトラベルサービスが扱う旅行商品を従来の店舗販売からウェブ販売へシフトする方針を発表。駅で旅行商品の対面販売を担っていた「びゅうプラザ」は、2022年3月末までに全店の営業終了が決まっている。
今般開業した「駅たびコンシェルジュ」は、ウェブ予約方法の説明や旅のコンサルティング、地域の情報発信などが主なサービス内容となる。基本的に旅行商品の販売は行わず(団体旅行商品等は一部販売)、主にウェブに不慣れなシニア層や訪日外国人旅行者をターゲットとした「案内店舗」として観光流動の創出を目指す。
地域情報を効果的に発信するため、店舗間をオンラインでつないで地元のコンシェルジュが担当地域について直接案内するほか、一部店舗ではVR(仮想現実)も活用する。このほか、旅行や移住、ウェブサービス利用法などの各種セミナーも店舗内で不定期的に開催する。
JR東日本 鉄道事業本部営業部の内川秀人課長は、「ウェブ特化を進める中で、誰もがウェブに慣れているわけではないため、リアルで丁寧なサポートが必要と考えた」と背景を説明する。「駅たびコンシェルジュ」では旅行商品を扱わないため直接的な販売力強化にはならないが、「丁寧な案内で間接的に利用(収益)につなげていければ」と話し、「案内を通して、旅行者にも地域の皆さまにも愛される店舗にしていきたい」と意気込んだ。
同社は今後、東京・浜松町・品川・渋谷・新宿東口・新宿新南口・池袋・上野・柏・横浜・立川・大宮・船橋・成田空港・空港第2ビル・福島・仙台・山形・盛岡・青森・新潟・長野・羽田空港第3ターミナルの各駅でも、既存の「びゅうプラザ」を「駅たびコンシェルジュ」に転換していく計画だという。