キャセイパシフィック航空は3月11日、2020年上半期に大きな損失を計上することが避けられないと警告した。
2019年後半からの香港政情不安に加え、冬スケジュールでの減便により、供給座席数が減少していたものに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。旅客便の大幅な減便といった短期的な措置を行っているものの、「影響は甚大で、状況を一層悪化させている」という。
長距離線エコノミークラスでの競争激化により、旅客単価は下方圧力が加わるものの、米中貿易摩擦の緩和により、貨物の見通しは楽観的だという。
現状では機材の導入計画に変更はなく、プロダクトやサービスに対する投資は継続するとしており、パトリック・ヒーリー会長は、「業界をリードするサービスと世界有数の国際航空輸送拠点である香港の地位向上に向けて多額の投資を継続していく」と、今後の成長に自信を示した。
11日に発表した2019年度決算は、売上高が1,069億7,300万香港ドル、純利益が16億9,100万香港ドルだった。香港での政情不安による需要減少により、特に中国本土線や短距離線で影響を受けた。買収した香港エクスプレス航空も損失を計上した。