ベトジェットエアは、大阪/関西〜ハノイ線を11月8日に開設した。1日1便を運航する。
ハノイ発初便となるVJ938便が放水に迎えられて到着した後、関西国際空港の2番搭乗口でセレモニーを開催。関西エアポートのジェレミ・ゴールドストリッチ専務執行役員兼最高運用責任者や日本航空(JAL)の岡裕次関西空港支店長が来賓として登壇し、鏡開きで就航を祝った。
関西国際空港発初便となるVJ939便は、定刻の午前9時20分に出発。機内は非常口座席など一部の有料座席を除くとほぼ満席だった。機材はエアバスA321neo(機体記号:VN-A674)で、荷物棚や座席には装飾を施し、乗客を歓迎した。
座席数はエコノミークラス230席で、「3-3」配列。最前方は「エクストラレッグルームシート」、その後ろが「ホットシート」で足下が広めの座席、後方は通常のシートピッチとなる。飛行時間は約5時間、筆者は後方の通路側に着席したが、前後の圧迫感はともかく、見知らぬ人に挟まれると耐え難い時間だと感じた。前席にリクライニングされると、ほぼ自由になるスペースはないと言っていい。
離陸後にはベトナムの民族衣装を纏った女性が伝統舞踊を披露。乗客にはベトジェットエアのイメージカラーである赤色の帽子とベトナムの少数民族が制作したパスポート大サイズのポーチを配布した。
民族衣装を着た女性は各座席で記念撮影に応じ、テディベアのぬいぐるみもプレゼントしていた。ビキニショーを期待していた筆者はひどくがっかりしたが、同行の記者も同様の感想を持ったという。プロモーション担当者は、乗客も一緒に踊って盛り上がっていることを期待していたそうだ。
機内では、「ビーフ・ボローニャ・スパゲッティ」、「タイ風チャーハン」、「シンガポール風ヌードル」、「ベトナムの豚肉入り蒸しケーキ」などの多種多様な機内食を販売しており、機内から東南アジアの本格的な味を楽しめる。ホットミールはいずれも5米ドルもしくは100,000ベトナムドン。日本円で支払うこともできるが、お釣りはベトナムドンとなる。クレジットカードの利用はできない。ベトナム国内線では同様の機内食を55,000ベトナムドンで販売していることから割高な設定。事前予約では若干割安となる。往路はランチ時を挟むので、ぜひとも試してほしい。
今回搭乗した航空券は上級サービスの「Skyboss(スカイボス)」で、預け入れ手荷物30キロ、機内持ち込み手荷物10キロ、優先チェックインやラウンジの利用、優先搭乗のサービスのほか、ペットボトルの水とナッツのサービス、機内食とドリンク各1つの無料提供のサービスもある。関西国際空港では飛鳥ラウンジが利用できる。機内食は選択制で「タイ風チャーハン」と「ネスカフェ カフェ ベト」を注文。タイ風チャーハンは味付けが本格的で、ボリューム満点。コーヒーは念のため甘くないことを確認したが、とても甘かった。
Skybossのほかに、セール運賃の「Promo(プロモ)」、通常運賃の「Eco(エコ)」の設定がある。Ecoの最低価格は4,700円(44米ドル)で、諸税などを含めると、往復25,000円が通常運賃の最安値となる。
大阪/関西〜ハノイ線は、ベトナム航空が1日1便、ジェットスター・パシフィック航空が週4便を運航しており、ベトジェットエアを含めると週18便体制となる。ベトジェットエアは、12月14日より大阪/関西〜ホーチミン線、2019年1月11日より東京/成田〜ハノイ線に就航するほか、東京/成田〜ホーチミン線の開設を目指しており、関係者は名古屋/中部や福岡への就航を検討していることを明言した。
現在は日本や中東を経由している、ベトナムと北米間の渡航需要も取り込むことも目指しているとしているが、ベトジェットエアが現在保有、発注済みの機材では、アメリカ西海岸への直行もしくは日本経由での運航は難しい。大阪/関西〜ハノイ線より共同運航(コードシェア)を開始したJALとの北米路線へのコードシェアの拡大は否定した。
大阪/関西〜ハノイ線の就航で、ベトジェットエアの国際線ネットワークは11カ国64路線に拡大した。平均機齢は2.7年で、120機のエアバス機、100機のボーイング737MAXを導入することを計画している。さらに今週、エアバスに対して50機を確定発注するなど、急拡大を見据える。ベトナムのコングロマリットが設立したバンブー・エアウェイズやベトスター・エアラインズなど、就航を表明しているベトナムの新興航空会社が運航許可を得るには数年かかることから、当面は対抗馬が現れないとみているようだ。
VJ939 大阪/関西(09:20)〜ハノイ(13:10)
VJ938 ハノイ(01:45)〜大阪/関西(07:50)