春秋航空日本が3・4路線目の中国大陸路線として開設した東京/成田~天津・ハルビン線。中華圏における旧正月である春節に合わせ、天津線は1月28日から月・水・土曜の週3便、ハルビン線は1月29日から火・木・金・日曜の週4便で運航を開始した。航空券の販売開始日には、片道500円からの就航記念セールが実施され話題となった。天津線は午後0時20分に東京/成田発、午後4時35分に天津発、ハルビン線は午前10時40分に東京/成田発、午後1時50分(金曜のみ午後1時55分)にハルビン発と、いずれも日本からの旅行にも使いやすいスケジュールとなっている。
今回レポートするのは東京/成田発、ハルビン行きのIJ1051便。春節の一般的な休日期間(1月28日から2月2日まで)を過ぎた2月某日に搭乗した。
搭乗当日、成田空港第3ターミナルには午前9時30分頃に到着。オンラインチェックインには対応していないため、空港でのチェックインが必要となる。手続きは出発の2時間15分前の午前8時25分から開始している。
チェックイン列は「団体専用」と「個人専用」に分かれており、個人客は右側の列に並ぶ。春節時期を過ぎているものの、個人・団体列ともに多くの中国人旅行客が並んでおり、日本人の姿は多くはない。後に機内で客室乗務員に伺ったところ、この日の日本人の乗客は「10名程度で、普段より少し多い」とのことだった。個人列に並んだ筆者の前には15名ほどが順番を待っており、チェックインまで20分ほどを要した。
なお、セール運賃の「ラッキースプリング」では手荷物の無料受託はなく、5キロ以下の手荷物の機内持込のみが許容されている。チェックインカウンターの正面壁側に荷物はかりが設置されているので、チェックイン前に調整しておきたい。
チェックインを終えたころには搭乗開始時刻の午前10時が迫っており、そのまま搭乗ゲート150Aに向かう。ゲートから航空機まではランプバスでの移動となった。
機材は189席配置のボーイング737-800型機(機体記号:JA01GR)。東京/成田~ハルビン線と1月28日に就航した東京/成田~天津線では初便からこのJA01GRが使用されており、この時点ではJA01GRが実質的にこの2路線の専用機材となっていたようだ。
今回は事前の座席指定をしていなかったが、この日は満席ということもあり、通常は有料での座席指定が必要となるレッグシートがアサインされていた。座席間隔は通常座席と比較してかなり余裕があり、窮屈さを感じさせない。
午前11時7分、IJ1051便は定刻から25分ほど遅れて出発。滑走路34Lから離陸し、北北西方向のハルビンへ向けて左右に大きく旋回することなく真っすぐ進んでいく。
出発からおよそ1時間後、新潟市上空付近から日本海へ抜けた頃に機内販売が開始された。天津・ハルビン線の就航を機に刷新された国際線限定の食事メニューは「具材たっぷり!すきやき弁当」と「鶏肉とキクラゲの中華炒め」(各800円)の2種類。その他、3種類のカップ麺(各400円)や各種飲み物などがメニューに並ぶ。日本円のほか、人民元・米ドル紙幣での支払いが可能となっている。乗客の9割以上が日本人以外だったためであろうか、「食事メニューの材料は日本産です。日本円を使い切っていないお客様は是非機内販売をご利用ください」という機内放送が中国語で繰り返し行われていた。
日本海上を1時間ほど飛行すると、眼下に寒々としたロシア沿海地方の大地が広がってきた。機長のアナウンスによれば、この後ウラジオストクの上空を通過し、現地時間の午後1時25分にハルビンに着陸する予定だという。機長は英語でも同じ内容を繰り返し、最後に中国語で挨拶した。
現地時間午後1時25分、出発から3時間20分ほどでハルビン太平国際空港に到着。足元の広いレッグシートだったこともあり、疲れはほとんど感じなかった。通常座席でもこのような短時間のフライトであれば大きな問題はないだろう。機体は到着ゲートの目の前で沖止めとなり、ランプバスで移動した。徒歩でも移動できるほどの距離だったため、乗車時間は15秒ほどだった。
春秋航空日本の就航により、中国東北部は首都圏からより気軽に出かけられる場所となった。火・木・金・日曜の運航スケジュールを活かし、週末などを利用して、中国文化とロシア文化が融合した都市・ハルビンへ出かけてみてはいかがだろうか。