2021年6月21日、ホンダ・ヨーロッパは新型モンキー125(欧州仕様)の詳細を発表。ユーロ5レベルの排出ガス規制に対応したNEWエンジンは、ボア径×ストローク長をΦ50.0mm×63.1mmにロングストローク化し(現行モデルはΦ52.4x57.9mm)、ミッションは4速から5速に進化し、スポーティなより走りに対応。リヤショックのスプリングは2段レートを採用し、ホイールベースは1155mmから1145mmに短縮。ボディのグラフィックは現行の日本仕様を反転させた、新しいツートン仕様にチェンジ。カラーは青、赤、黄の3色をラインナップ。国内での発売が待ち遠しい。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)


※写真はすべて欧州仕様車

新型グロムに搭載の新設計エンジン。ボア径×ストローク長をΦ50.0mm×63.1mmにロングストローク化

パールグリッターブルー

パールネビュラレッド

バナナイエロー

 2018年に登場したモンキー125。前身の超ロングセラーモデル、50ccのモンキーは、1961年にモンキーの第1号とも呼ぶべき「Z100」が登場し、1967年に公道用の量産モデルが市販化。2017年、モンキーの発売50周年を記念して発売された「モンキー・50周年スペシャル」をもって、生産終了となった。

 2018年に登場したモンキー125は、かつてのモンキーのイメージはそのままに、8インチホイールから12インチホイールに大径化するなど、二回り大きな外観にアレンジ。エンジンの排気量は、原付一種の50ccから、世界基準の125ccクラス(国内では原付二種)にアップされ、余裕の走りを獲得。




 国内はもちろん、タイなどのアセアン諸国、欧州(ヨーロッパ)でも人気のモンキー125が、このたび初めてのマイナーチェンジ。2021年4月、マイナーチェンジされたタイ仕様の新型モンキーが発表。そして今回(2021年6月21日)、欧州仕様の詳細が明らかになった。




 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ124ccエンジンは、新型グロムにも搭載の新設計タイプ。ボア径×ストローク長は、「現行モデル:Φ52.4x57.9mm」から「新型:Φ50.0mm×63.1mm」に変更され、ロングストローク率をアップ。




 圧縮比は「現行モデル:9.3」から「新型:10.0」にアップ。ミッションは「現行モデル:4速」から「新型:5速」に変更して、スポーツ特性やクルージング性能を向上。最高速度は91km(メーカー発表値)。




 最高出力は「現行モデル:9.38ps(6.9kW)/7000rpm」から「新型:9.38ps(6.9kW)/6750rpm」とし、MAXパワーをキープしつつ、発生回転数を抑制。また、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームの採用で、フリクションを大幅に軽減。これらにより、66km/L(WMTCモード)の低燃費性能を達成している。




 エアボックスの形状は見直され、吸気フローを改善してトルク特性を向上。また、サイレンサーは膨張室を3つから1つに減らすことで、パフォーマンスアップとエキゾーストノート(排気音)のクオリティ向上を実現。厳しい排ガス規制に適合するため、キャタライザーも改良済みだ。

前後ホイールは機動性の高い12インチに設定。

空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ124ccエンジン。

サイレンサーは膨張室を3つ→1つに減らすことで、パフォーマンスアップと排気音質の向上を実現。

リヤショックはダブルレートのスプリングを採用

 ブラックアウトされたフレームは、現行モデルと共通。足周りの変更点としては、リヤサスペンションにダブルレートのスプリング(巻きピッチ=巻きの間隔を2種類に設定)を採用したこと。これにより、直進安定性やコーナリング特性の向上が期待できそうだ。




 前後ブレーキは、抜群の制動力を誇るディスク式。新型のモンキー125には、CB125Rなどにも採用の、IMU(慣性計測装置)を搭載し、テールリフトを抑えるABS(アンチロックブレーキ)も標準装備。




 ホイールベースは「現行モデル:1155mm」から「新型:1145mm」に10mmショート化。最低地上高は「現行モデル:160mm」から「新型:175mm」とし、15mm引き上げられている。




 今回発表された新型モンキー125の国内での発売時期は、コロナ禍などの影響(工場の稼働停止、部品調達の遅れなど)により、現在のところ未定。発表となり次第、随時レポートするのでお楽しみに!

リヤサスペンションはダブルレートのスプリングを新採用。

倒立型フロントフォークのアウター部は、ガソリンタンクと同色にカラーリング。

前後ブレーキはディスク式。新型の欧州仕様車は、IMU制御のABSが標準装備。

現行モデルをチェック

新型のホンダ・モンキー125(欧州仕様) 主要スペック

全長×全幅×全高:1710mm × 755mm × 1030mm


最低地上高:175mm


軸距:1145mm


シート高:775mm


車重:104kg


エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ


排気量:124cc


ボア径×ストローク長:Φ50.0mm × 63.1mm


圧縮比:10.0:1


最高出力:9.38ps/6750rpm


最大トルク:1.12kg-m/5500rpm


変速機:5段


燃料タンク容量:5.6L


キャスター角 / トレール:25° / 82mm


ブレーキ:前 Φ220mmディスク+2ポットキャリパー 後 Φ190mmディスク+1ポットキャリパー


タイヤサイズ:前120/80-12 後130/80-12 

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【欧州で発表】ホンダ・モンキー125に新型エンジンを搭載&4速から5速に進化。