REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※写真はすべて欧州仕様車
2018年に登場したモンキー125。前身の超ロングセラーモデル、50ccのモンキーは、1961年にモンキーの第1号とも呼ぶべき「Z100」が登場し、1967年に公道用の量産モデルが市販化。2017年、モンキーの発売50周年を記念して発売された「モンキー・50周年スペシャル」をもって、生産終了となった。
2018年に登場したモンキー125は、かつてのモンキーのイメージはそのままに、8インチホイールから12インチホイールに大径化するなど、二回り大きな外観にアレンジ。エンジンの排気量は、原付一種の50ccから、世界基準の125ccクラス(国内では原付二種)にアップされ、余裕の走りを獲得。
国内はもちろん、タイなどのアセアン諸国、欧州(ヨーロッパ)でも人気のモンキー125が、このたび初めてのマイナーチェンジ。2021年4月、マイナーチェンジされたタイ仕様の新型モンキーが発表。そして今回(2021年6月21日)、欧州仕様の詳細が明らかになった。
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ124ccエンジンは、新型グロムにも搭載の新設計タイプ。ボア径×ストローク長は、「現行モデル:Φ52.4x57.9mm」から「新型:Φ50.0mm×63.1mm」に変更され、ロングストローク率をアップ。
圧縮比は「現行モデル:9.3」から「新型:10.0」にアップ。ミッションは「現行モデル:4速」から「新型:5速」に変更して、スポーツ特性やクルージング性能を向上。最高速度は91km(メーカー発表値)。
最高出力は「現行モデル:9.38ps(6.9kW)/7000rpm」から「新型:9.38ps(6.9kW)/6750rpm」とし、MAXパワーをキープしつつ、発生回転数を抑制。また、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームの採用で、フリクションを大幅に軽減。これらにより、66km/L(WMTCモード)の低燃費性能を達成している。
エアボックスの形状は見直され、吸気フローを改善してトルク特性を向上。また、サイレンサーは膨張室を3つから1つに減らすことで、パフォーマンスアップとエキゾーストノート(排気音)のクオリティ向上を実現。厳しい排ガス規制に適合するため、キャタライザーも改良済みだ。
ブラックアウトされたフレームは、現行モデルと共通。足周りの変更点としては、リヤサスペンションにダブルレートのスプリング(巻きピッチ=巻きの間隔を2種類に設定)を採用したこと。これにより、直進安定性やコーナリング特性の向上が期待できそうだ。
前後ブレーキは、抜群の制動力を誇るディスク式。新型のモンキー125には、CB125Rなどにも採用の、IMU(慣性計測装置)を搭載し、テールリフトを抑えるABS(アンチロックブレーキ)も標準装備。
ホイールベースは「現行モデル:1155mm」から「新型:1145mm」に10mmショート化。最低地上高は「現行モデル:160mm」から「新型:175mm」とし、15mm引き上げられている。
今回発表された新型モンキー125の国内での発売時期は、コロナ禍などの影響(工場の稼働停止、部品調達の遅れなど)により、現在のところ未定。発表となり次第、随時レポートするのでお楽しみに!
全長×全幅×全高:1710mm × 755mm × 1030mm
最低地上高:175mm
軸距:1145mm
シート高:775mm
車重:104kg
エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
排気量:124cc
ボア径×ストローク長:Φ50.0mm × 63.1mm
圧縮比:10.0:1
最高出力:9.38ps/6750rpm
最大トルク:1.12kg-m/5500rpm
変速機:5段
燃料タンク容量:5.6L
キャスター角 / トレール:25° / 82mm
ブレーキ:前 Φ220mmディスク+2ポットキャリパー 後 Φ190mmディスク+1ポットキャリパー
タイヤサイズ:前120/80-12 後130/80-12