ロッカーアームの空振り機構による気筒休止システムも搭載、軽負荷時には左バンクの6気筒分を休ませる。可変長方式のインテークマニフォールドも備え、幅広い出力特性に寄与する構造とした。
M137をターボ過給した仕様がM275シリーズ。SOHCの3バルブ/ツインプラグのシリンダーヘッドや気筒休止システムなどは踏襲され、排気量を5.5ℓまで縮小するとともに左右バンクそれぞれにターボチャージャーを備える。それに伴って運動部品系の強化が図られ、高出力対応としている。また、ほぼ同時にマイバッハブランド用のM285型が登場し、こちらは出力/トルクともにわずかながらパフォーマンスアップされていた。
変わり種としては、パガーニ・ウアイラのために仕立てたドライサンプ/ミッドシップ用のM158型がある。
そして現行のM277/279型へと続く。これらはM275型のリファイン機で、大径ターボやシリンダーヘッドの再設計/エンジンマネージメントの改良による燃焼良化などが施された。機械的な特徴はほぼM275と同じで、ダイムラーのエンジンがほぼすべて直噴であるのに対して本機のみがポート噴射を継続採用する。
M277型がメルセデス・ベンツブランドに、M279型がAMGブランドに搭載されていたが、メルセデスブランドの再構築に伴って、現在はM279型のみが残る状況である。