日本精工(NSK)はdmN=180万以上の高速回転を可能とする、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受Gen3を開発した。

 本製品はグリース潤滑用の深溝玉軸受では世界最高回転を実現。電動車駆動モータの小型・軽量化と高速回転化による高出力化が可能となり、電動車の航続距離延長や車内スペースの確保、環境負荷の低減に貢献する。NSKは、本製品の売り上げとして2030年に120億円を目指す。




※ dmN ——「軸受のピッチ円径(dm)」と「回転数(n)」の積で、軸受の高速回転性能を示す指標

本製品の特徴

 極限まで軽量化を図る設計手法(トポロジー最適化技術)を活用し、高速回転に最適な保持器形状を導き出した。さらに、機能や生産面での課題に対し、実態に即した最先端のシミュレーション技術を効果的に駆使して短期間での開発に成功した。

 NSKが独自に開発したオリジナルグリースと剛性に優れた樹脂材料を採用した。本グリースの採用により、攪拌抵抗低減による低フリクションと発熱の抑制による耐焼付き性向上が可能になる。また、高剛性樹脂材料の効果により、高速回転時の保持器の変形を低減する。結果、本製品は遠心力による保持器の変形を約70%低減し、dmN=180万以上の高速回転を達成した。

新しい保持器形状の開発手法

情報提供元: MotorFan
記事名:「 日本精工:電動車駆動モータ用「高速回転玉軸受Gen3」を開発