TEXT●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)
欧米では「キャンピングカーなんて老人の乗り物だ」と思っている若者は少ないようだ。日本では老若男女憧れのクルマになっているが、それでもキャブコン1台で生活の全部をまかなうのはなかなか難しいものがある。何よりも高価だし、場合によっては駐車場所の確保にも困ることも。
“クルマは変えたくないけれど、オートキャンプに行きたい!”と思っている人の福音になるのが、キャンピングトレーラーだ。欧米ではすでにキャンピングトレーラーはベーシックな存在だが、日本ではようやくその良さが広まりつつある。
まずメリット1だが、自走式キャンピングカーに比べると圧倒的に安いということだ。エンジンや駆動系を持たないのだから当然と言えば当然だが、カムロードをベースとしたキャブコンの半額以下で買えるモデルも少なくない。
メリット2は、スペースユーティリティに優れ、装備も豪華なこと。自走式は走行時のことを考えてシートをレイアウトしなければならないが、そういった縛りがないキャンピングトレーラーは、快適性を追求した空間設計がなされている。さらに価格は自走式よりも安いのに、装備は豪華という点が特に見逃せない。多くの場合、常設ベッドにシンク&ガスコンロ、トイレ、FFヒーターなどが標準装備になっている。
メリット3は、現地での機動性だ。ヘッドと呼ばれる牽引車で引っ張るトレーラーは、駐める場所が決まれば切り離すことができる。あとは牽引車、つまりいつも愛車で観光地を巡ったり、ドライブを自由に楽しむことができるのだ。
「でもトレーラーって牽引免許な必要なのでは?」という方、心配はご無用。重量が750kg以下のトレーラーは、牽引免許が不要なのである。愛車にトレーラーにトレーラーヒッチを付けて、ちょっとした運転のコツさえ習得すれば、明日からキャンピングトレーラーのオーナーになれるのだ。
キャンピングトレーラーは市場に多種多様あるが、オススメしたいのはインディアナRVが輸入しているトリガノ社の「エメロード376Vエディション・プレミアム」だ。インディアナRVはキャンピングトレーラーの輸入では老舗で、日本のコンプランスや使用実態をふまえて、トリガノ社に特注したのが同モデルなのである。
例えばどんなところが特注なのかというと、寒暖の差が大きい日本でも快適に過ごせるように、断熱材を変えて断熱効果を20%もアップさせている。また日本では取り扱いや入手が面倒なプロパンガスを廃して、入手が容易なカセットコンロ式に変更している。さらにレイアウトも2ダイネット、4〜5名という日本人の使用実態に合わせたものに変えている。
シャシー部分がないだけにコンパクトなサイズだが、中に入るとミドルクラスのキャブコンなみの広さが確保されている。運転席とセカンドシートの位置という呪縛から解放されているため、レイアウトも実に合理的だ。
まずエントランスからアプローチすると、左手後方にダイネットがひとつ。左手前方にギャレー、右手前方にトイレ&洗面所が設置される、さらに先端にもダイネットがひとつ。いずれのダイネットもベッド化することが可能だが、2人旅であれば、後方をダイネット、前方を常設ダブルベッドにしておけば、寝食分離の快適な生活が可能だ。
装備も実に充実しており、灯油式FFヒーターにカセットガス供給装置、バッテリーにソーラーパネルなどなど、車中泊を快適にしてくれるものが勢揃い。これでいて300万円(税別)を切る価格は、かなりそそる。
駐車場はヘッド車を含めると2台分確保しなければならないが、自動車税や重量税は安いし、事故の保険もヘッド車のものでカバーできる。デメリットがあるとすれば、高速料金が1ランク上がることくらい。
ちなみに引っ張る方のクルマだが、欧米あたりでは小さなクルマで牽引している様子などが見られるが、安全性を考えれば、牽引ためにシャシーが補強されているクルマが望ましい。四輪駆動車やSUVなどだ。国産ミニバンは、ボディサイズは大きくても、シャシー後部が牽引用に補強されていないため、長年牽引していると車体にダメージを受ける可能性あるという。購入時には、ぜひインディアナRVに確認していただきたい。
家の庭に置けるようであれば、離れや仕事部屋としても使えるキャンピングトレーラー。価格もランニングコストも安いため、いま注目しているユーザーは多い。あなたもぜひ、一度チェックしてみてはどうだろうか。
インディアナRV http://www.indiana-rv.net/