他の日系メーカーはどうだったのかというと、北米マツダの21年1月の販売台数は2万5259台で前年同月比+6.9%、北米スバルは4万6400台で前年同月比+0.3%で、いずれも前年実績を上回っている。それらと比べると、北米ホンダの不振が浮き彫りになってくる。
20年12月の北米ホンダは12万0819台(前年同月比+0.3%)を販売し、セールスが回復基調にあることを伺わせたのだが…。
そんな中でも販売が好調だった車が2台ある。両方ともSUVなのだが、1台目はパスポート。北米ホンダの最量販車種であるCR-Vよりも上級に位置するミッドラージSUVだ。4839mmの全長はともかく、1996mmのワイドな全幅がいかにも北米向け。3.5LのV型6気筒エンジンと9速ATが組み合わされている。
もう1台はパスポートの兄貴分であるパイロット。全長4991mm、全幅1996mmとパスポートとよりもわずかに全長が長いが、パワートレーンは3.5L・V6エンジン+9速ATと同じ。スターティングプライスも、パスポートが3万2790ドル(約345万円)で、パイロットが3万2550ドル(約342万円)とほぼ一緒。両車の大きな違いは、パスポートが2列・5人乗りなのに対して、パイロットは3列目シートを備えていることだ。
20年1月の両車の販売台数は、パスポートが3010台(前年同月比+5.8%)、パイロットが8602台(同+10.8%)であった。この2台以外は、すべて前年同月比を下回る販売台数に終わっていた。
2021年の春には新型シビックが正式発表され、2022年モデルとして販売がスタートする。現行型は好評で、2015年の発売以来150万台以上のセールスを記録したヒットモデルとなっている。
またアキュラブランドにおいては、フラッグシップSUVのMDXがフルモデルチェンジを果たし、2月2日から発売が始まったばかり。クイーンの『Tear It Up』をサウンドトラックに起用したキャンペーンフィルムを放送するなど、北米ホンダもプロモーションにかなり力を入れている。
2021年の北米ホンダが新型コロナ禍からのV字回復を実現するための鍵は、11代目となる新型シビックと4代目のMDXが握っているのかもしれない。
北米ホンダ(ホンダ部門)・車種別販売台数【2021年1月】
アコード:1万3330台(−11.7%)
シビック:1台5475台(−22.8%)
クラリティ:263台(−44.6%)
フィット:1954台(−22.9%)
インサイト:960台(−33.0%)
CR-V:2万5806台(−0.8%)
HR-V:6369台(−14.6%)
オデッセイ:5336台(−5.1%)
パスポート:3010台(5.8%)
パイロット:8602台(10.8%)
リッジライン:2616台(−15.1%)
北米ホンダ(アキュラ部門)・車種別販売台数【2021年1月】
ILX:914台(−2.2%)
NSX:6台(−33.3%)
RLX:59台(−6.3%)
TLX:1312台(−25.8%)
MDX:2827台(−4.5%)
RDX:3386台(−3.1%)