国内での発売が待たれる2021年モデルの新型ヤマハNMAX155 ABSは、生産国であるインドネシアやヨーロッパでリリース。ここでは豪華装備&15.4馬力エンジンの新型インドネシア仕様と、15馬力の国内仕様(現行モデル)の諸元や装備の違いを比較。新旧の違いを比べてみた。


REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

NEWモデル・ホンダPCX160の発売に伴い、国内でも新型のNMAX155 ABSが登場!?

2021年1月28日(木)に発売されたライバル車のホンダPCX160。排気量は156cc。パワーは15.8馬力。価格は40万7000円(消費税10%込)。

 ヤマハNMAX155 ABSは、世界各国で人気の「TMAX」「XMAX」の血統を受け継いだ、利便性とスポーツ性を兼ね備えたマルチスクーター。




 エンジンはヤマハ独自の「BLUE CORE(ブル-コア)」と呼ばれる最新テクノロジーを導入した、水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒155ccを搭載。6000rpmを境に低速向けと高速向けカムが切り替わる可変バルブ機構(VVA)を始め、アルミ鍛造ピストン、アルミダイキャクトシリンダーを採用するなど、フリクションロスや高効率燃焼化も徹底追求されているのがポイントだ。




 国内では2021年1月28日(木)、ライバル車となるホンダPCX160が発売。国内仕様のNMAX155 ABSは、最高出力が15馬力。一方、PCX160は15.8馬力を出力。




 またPCX160には、トラクションコントロール(Hondaセレクタブルトルクコントロール)、スマートキーシステム、アイドリングストップ、スマートフォンの充電などに便利なUSBソケットが装備。性能面や装備面では、国内仕様(現行モデル)のNMAX155 ABSをリードしているのが特徴だ。

新型NMAX155 ABSは国内仕様(現行モデル)にはない、豪華な装備がズラリ!

写真は新型に採用されたスマートモータージェネレーター。オンにするとモーターの音がスムーズになるシステムだ。

 インドネシア仕様の新型NMAX155 ABSは、スペック上、国内仕様の15馬力(11kW)から15.4馬力(11.3kW)にパワーアップ(欧州仕様は15.1馬力/11.1kW)。これに加え、




●トラクションコントロール


●スマートキーシステム


●アイドリングストップ


●スマートフォン充電用電源ソケット(左インナーポケット内)


☆デュアルチャンネルABS(PCX160はフロントのみの1チャンネルABS)


☆スマートモータージェネレーター(オンにするとモーターの音がスムーズになる)


☆リザーブタンク付きリヤショック(欧州仕様はリザーブタンク無し)


☆新型マルチメーター(スマートフォンと連携可能)




 を装備するなど、大幅にグレードアップ。電話やメッセージの通知、駐車位置お知らせ機能、メンテ時期や故障通知機能などの情報を、Bluetooth接続によってスマートフォンと連携させ、新型マルチメーターに表示させる「ヤマハモーターサイクルコネクト」を搭載しているのも大きなポイントだ




●はPCX160にも装備済み。☆はPCX160に非装備。




 生産国であるインドネシアの新型は、装備に合わせ、インドネシアではスタンダード(標準モデル)、コネクティッド(中堅モデル)、ABS(最上級モデル)の3グレードをラインナップ。




 新型の国内発売は、2021年1月29日現在未定。もしもリリースされる場合は、PCX160の15.8馬力(12.0kW)と同等、もしくはそれ以上のポテンシャルで市場投入される可能性もあるので期待しよう。

新型に採用されたスマートキーシステム。
新型には停止すると自動的にエンジンをストップしてガソリンの消費を防ぐアイドリングストップ機構を採用。右グリップ側でON/OFF操作可能。
新型の左インナーポケット内にはスマートフォン充電用電源ソケットを装備。Bluetooth接続によってスマートフォンと連携させ、新型マルチメーターに表示させる「ヤマハモーターサイクルコネクト」も搭載。
新型のインドネシア仕様はハイポテンシャルなリザーブタンク付きリヤショックを標準装備(欧州仕様はリザーブタンク無し)。

ヤマハNMAX155(インドネシア仕様/新型)......3375万ルピア ※日本円で約25万円(2020年1月29日現在のレートで換算)

排気量は155cc。パワーは15.4馬力。インドネシア仕様はリザーブタンク付きリヤショックを装備。

ヤマハNMAX155(国内仕様/現行モデル)......38万5000円(消費税10%込)

排気量は155cc。パワーは15馬力。新型とはフロントマスクなど、外観デザインもやや異なる。

新型はホイールベースを40mm短縮!外観・サイズ・足周りの違いをチェック

新型のインドネシア仕様。
現行モデルとなる国内仕様。

【ヤマハNMAX155 ABS(インドネシア仕様/新型)】


全長×全幅×全高:1,935mm×740mm×1,160mm


軸距 :1,310mm


最低地上高:124mm


シート高:765mm


車両重量:132kg


タイヤ:前110/70-13M/C 48P、後130/70-13M/C 63P


ブレーキ:前 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ 後 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ ※ABSは前後に装備


懸架方式:前 テレスコピック 後 ユニットスイング


フレーム:バックボーン




【ヤマハNMAX155 ABS(国内仕様/現行モデル)】


全長×全幅×全高:1,935mm×740mm×1,115mm


軸距 :1,350mm


最低地上高:135mm


シート高:765mm


車両重量:128kg


タイヤ:前110/70-13M/C 48P、後130/70-13M/C 57P


ブレーキ:前 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ 後 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ ※ABSは前後に装備


懸架方式:前 テレスコピック 後 ユニットスイング


フレーム:バックボーン




 新型はホイールベースを40mmショート化して機動性や軽快感を高めている模様だが、ボディサイズは現行モデルとほぼ同じ(全高のみ45mmアップ)。装備を充実させたためか、重量は新型が4kg増。




 ホイール径は前後13インチのまままで、前後のタイヤサイズも変更なし。フレーム形式や前後ブレーキにも大きな変化はないが、インドネシア仕様はリザーブタンク付きリヤショックを装備しているのが大きな特徴。

新型のフロントマスク。ツインアイスタイルのLEDヘッドランプにポジションランプを組み合わせ。テールランプもLED化。前後ウインカーはハザードランプ付き。写真は欧州仕様車。

現行モデルのフロントマスク。ヘッドランプとテールランプにはLEDを採用。

新型のフロント周り。前後に13インチホイール、Φ230mmシングルディスクローター、1ピストンキャリパーを組み合わせる。ABSも前後に装備。写真は欧州仕様車。

現行モデルのフロント周り。新型と同じく、前後に13インチホイール、Φ230mmシングルディスクローター、1ピストンキャリパーを組み合わせる。ABSも前後に装備。

エンジンを比較!新型(インドネシア仕様)は15.4馬力、現行モデル(国内仕様)は15馬力

【ヤマハNMAX155 ABS(インドネシア仕様/新型)】


エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ


排気量:155cc


ボア×ストローク:Φ58.0×58.7mm


圧縮比:11.6


最高出力:11.3kW(15.4ps)/8,000rpm


最大トルク:13.9Nm/6,500rpm


燃料タンク容量:7.1L




【ヤマハNMAX155 ABS(国内仕様/現行モデル)】


エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ


排気量:155cc


ボア×ストローク:Φ58.0×58.7mm


圧縮比:10.5


最高出力:11kW(15ps)/8,000rpm


最大トルク:14Nm/6,000rpm


燃料タンク容量:6.6L




 エンジン形式、排気量、ボア×ストロークは変わらず。インドネシア仕様の新型は、圧縮比を11.6に引き上げ、爆発力をアップ。最高出力は0.4馬力アップされているが、逆に最大トルクは0.1Nmダウン。スペック上、新型の燃料タンク容量は0.5Lアップ。

メーター、シート下収納スペース、メインキーを比較

新型のデジタルメーター。速度・回転・走行距離・燃料計などの基本表示のほか、スマートフォンと連携させた「ヤマハモーターサイクルコネクト」、TCS表示、VVA表示、エンジン温度表示機能なども搭載。写真は欧州仕様車。

現行モデルのデジタルメーターは、丸型シングルの液晶ディスプレイを採用。文字やグラフ表示が大きめでとても見やすい。時計や平均燃費率等、表示内容も豊富。

新型のシート下収納スペース。容量は不明。

現行モデルのシート下収納スペース。容量は24L。

新型にはスマートキーシステムを採用。左インナーポケット内にはスマートフォン充電用電源ソケットを装備。

現行モデルはスタンダードなキーシャッター付きシリンダーを採用。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ヤマハNMAX155 ABS|豪華装備のインドネシア仕様(新型)と国内仕様(現行モデル)を比較