2003年の初代デビューから18年、5代目となったCBR600RRはトータルバランスに優れた1台に生まれ変わった。

ホンダ・CBR600RR.......1,606,000円

 ライディングポジションの見直しや、随所で徹底された軽量化設計。スロットルボディ大径化等でパワーアップされたエンジン、クラス最小のCD値(空気抵抗係数)0.555を達成したエアロダイナミクスの追求。動的なフロント荷重を増すウイングレットの採用、最先端電子制御技術が折り込まれるなどトピックは多い。

 車両に跨がると、少しボリュームアップしたかの様な重厚感を覚えた。サイズ的にはほとんど変わっていないはずだが、タンクを膝で抱え、ハンドルを握った感触からそう感じられたもよう。


 市街地走行しても視線が低くなり過ぎることが無く、下半身で上体を支えやすい事も相まって、意外と疲れない。ライダーが自然と筋力を活かした乗り方になる感じで、いかにもスポーティである。




 エンジンを始動する。メーターの回転計はブロックが積み重なり伸びていく一般的な表示の他に、かなり敏感に反応するデジタル表示がある。注目して見ると、クランクマスが小さいだけに、100rpm程度の範囲で細かく上下動を繰り返しているのがわかる。


 試乗車にはクイックシフターが装備されていたので、発進後はクラッチ操作無しでシフトチェンジが可能。2速へのシフトはタッチが硬い事があったので、クラッチを使う事が多かったが、それ意外は小気味よいシフトワークが楽しめた。

 3,000rpmを超える領域なら、どんな場面でもスロットルレスポンスは十分に強力。8,000rpmを超えると衝撃的なパンチ力を発揮。回転は衰えることなく一気に15,000rpmからのレッドゾーンへと向かう。最高出力発生回転数の14,000rpmで120km/hに到達してしまうポテンシャルの凄さは侮れない。


 ワインディング路でも気持ち良く程良いスポーツライディングが楽しめるCBR600RRのポテンシャルと扱いやすさは好印象。市街地でもその柔軟な出力特性故にストレスを感じることもなく、バランスの取れた性能の高さに大きな魅力を感じた。



エンジン音もイイ感じ! 動画で解説、ホンダCBR600RR試乗

◼️主要諸元◼️

車名・型式:ホンダ・2BL-PC40


全長(mm):2,030


全幅(mm):685


全高(mm):1,140


軸距(mm):1,375


最低地上高(mm):125


シート高(mm):820


車両重量(kg):194


乗車定員(人):2


燃料消費率(km/L)国土交通省届出値:23.5(60km/h)〈2名乗車時〉


WMTCモード値(km/L):17.3〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):3.2




エンジン型式:PC40E


エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒


総排気量(㎤):599


内径×行程(mm):67.0×42.5


圧縮比:12.2:1


最高出力(kW [PS] /rpm):89[121]/14,000


最大トルク(N・m [kgf・m] /rpm):64[6.5]/11,500


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI)〉


使用燃料種類:無鉛プレミアムガソリン


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式


潤滑油全容量(L):3.5


燃料タンク容量(L):18


クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン


変速比:


 1速…2.615


 2速…2.000


 3速…1.666


 4速…1.444


 5速…1.304


 6速…1.208


減速比(1次/2次):2.111/2.562


キャスター角(度):24°06′


トレール量(mm):100


タイヤ(前/後):120/70ZR17M/C(58W)/ 180/55ZR17M/C(73W)


ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク


懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス ビッグ・ピストン・フロントフォーク)/スイングアーム式(ユニットプロリンク)


フレーム形式:ダイヤモンド
情報提供元: MotorFan
記事名:「 このライポジは意外と疲れない! ホンダCBR600RR試乗