TEXT●永福ランプ(EIFUKU Ramp)
史上最高に美しいクルマはどれだ!? と言われると、凄まじく難しい。あまりにも多くのクルマの姿が脳裏に浮かんでは消え、とてもじゃないが順位を付けるなんてムリ! それでも、ムリヤリ付けてみました。細かい部分はすべてスッ飛ばして、総合的・俯瞰的な見地からの独断です。
史上最もシンプルかつ機能的であり、一切の企みのない無心の極致とも言うべきデザイン。初期のワゴンRの機能美は凄まじく、たとえば私は、たまたま箱根で2代目ワゴンRとフェラーリF355が並ぶシーンを目撃したが、2代目ワゴンRのほうが明らかに美しいと感じた。ワゴンRに比べると、F355は余計な造形があまりにも多すぎた!
2代目ですらそれほどの美しさを持っていたのだ。初代はさらにその上を行く。カウンタック等をデザインしたマルチェロ・ガンディーニ氏も絶賛したというが、我が意を得たり。世界の自動車デザイン史上に輝く傑作である。
実は私、つい先日カウンタックを買ったのですよ。いっぱい余計なモンがついてるアニバーサリーですけどね、それでも想像を絶するほどカッコいい。さすがにアニバーサリーを手放しで「美しい!」と言うのは気が引けるけど、初期のLP400は本当に美しい。しかもインパクトはウルトラ絶大! ワゴンRの美しさに気付かない人はいっぱいいるだろうけど、カウンタックのデザインの凄さに気付かない人はいない。
私は現在、フェラーリ328を所有しておるのですが、そのベースとなった308を重武装化したのが288GTOです。
328って、本当に美しいのですよ。今見ると本当にちっちゃくて、本当の美少女なんですよ。でも、やっぱり288GTOと比べるとね...。フェラーリに美しいクルマは数あれど、288GTOほど美しくも迫力に満ちたデザインはない。バランスがウルトラ絶妙なのである。
昔、288GTOのオーナーだったエディ・アーバイン氏(元F1ドライバー)にその魅力を尋ねたところ、「ビューティ。それだけだ」とお答えになりました。心に沁みました。
『美しすぎるクルマ・ベスト3』は毎日更新です!
どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクなクルマには乗りたくない。そう、デザインはクルマの命。ということで、これまで出会ったクルマの中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。