また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回は、2012年10月に国内デビューしたスバルのCセグメントクロスオーバーSUV「インプレッサXV」の二代目をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●SUBARU
だが、そのわずか2年後にフルモデルチェンジされ2012年9月にデビューした二代目インプレッサXVは違う。ベース車の四代目「インプレッサスポーツ」よりも50mm高い200mmの最低地上高を確保しつつ、ルーフレール未装着車の全高を1550mmに抑えることで立体駐車場への入庫にも配慮。ラフロードでの走破性と日常での使い勝手をより高次元で兼ね備えた、「都市型クロスオーバーSUV」と自ら名乗るに相応しい一台に仕上げている。
なお、四代目インプレッサスポーツには1.6L水平対向4気筒NAエンジンに5速MT、FFも設定されていたが、二代目インプレッサXVはエンジンが2.0Lの水平対向4気筒NA(2013年6月にハイブリッド車を追加)、トランスミッションはCVT、駆動方式は4WDのみに絞られている。
では、そんな二代目インプレッサXVがどのように進化していったのか、モデルの変遷を以下に記す(価格はいずれも発表時点のもの(当時の税率における消費税込み))。
エンジンは2.0L、トランスミッションはCVT、駆動方式は4WDのみ。最上級グレードの「2.0i-Lアイサイト」には、ステレオカメラによるADAS「アイサイト(Ver.2)」を標準装備する。グレード構成と価格は下記の通り。
2.0i…219万4500円
2.0i-L…236万2500円
2.0i-Lアイサイト…246万7500円
スバル初のパラレル式AWDハイブリッドシステムを採用した「XVハイブリッド」を追加。エンジンは2.0L、トランスミッションは駆動用モーターを一体化した専用リニアトロニック(CVT)のみを設定し、JC08モード燃費20.0km/Lを実現した。
これに合わせ、フリクションを抑えたダンパーを採用しつつ、ステアリングギヤ比をクイック化、アルミホイールの剛性を高めるなど、シャシーセッティングを変更。遮音材・吸音材の追加や大型フロアアンダーカバーの採用などで静粛性も高めている。
外装には専用の前後ランプ、室内にはブルーのメーターを装着。そのほか、最上級グレードの「2.0i-Lアイサイト」には、ハイブリッドシステムとアイサイトを協調制御する「ECOクルーズコントロール」を実装した「アイサイト(Ver.2)」を標準装備した。
グレード構成と価格は下記の通り。なお、この際に車名から「インプレッサ」の名が外れ「XV」となっている。
ハイブリッド2.0i…249万9000円
ハイブリッド2.0i-L…267万7500円
ハイブリッド2.0i-Lアイサイト…278万2500円
ステアリングまわりのデザインを変更したほか、助手席パワーシートを新たに設定。遮音材の強化やエンジンの作動音低減により静粛性を高めつつ、電動パワーステアリングのチューニングを変更によって、より軽快で安心感のあるハンドリングを実現した。
グレード構成と価格は下記の通り。
2.0i…219万4500円
2.0i-L…238万3500円
2.0i-Lアイサイト…248万8500円
室内に金属調の加飾を入れ、ピアノブラック調パネルやシルバーステッチを採用することで質感を高めつつ、メーター中央に3.5インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイ、フロントセンタートレイ内USB電源(×2)、SDナビを新たに設定し、利便性をアップ。アイサイトをVer.3にアップデートした。
また、サスペンションセッティングを変更し、ステアリングギヤ比を15.5:1から14.0:1にクイック化。ボディ各部への吸音材の追加やガラス周りの構造変更などにより静粛性を向上させた。さらに、エンジンのフリクションを低減したほか、走行モードを切り替えられる「SI-DRIVE」を新たに採用している。
ガソリン車をベースとした特別仕様車「ポップスター」は、専用ボディカラーのサンライズイエローを採用し、サンルーフを標準装備。室内には専用のカーボン調加飾パネルとオレンジ色のステッチを施しつつ、サイド&カーテンエアバッグを標準装備して安全性を高めている。
グレード構成と価格は下記の通り。
2.0i…225万7200円
2.0i-L…245万1600円
2.0i-Lアイサイト…255万9600円
ポップスター…264万6000円
ハイブリッド2.0i…257万400円
ハイブリッド2.0i-L…275万4000円
ハイブリッド2.0i-Lアイサイト…286万2000円
2.0iアイサイト・プラウドエディション…236万5200円
ハイブリッド2.0iアイサイト・プラウドエディション…267万8400円
全車のフロントマスクをシャープなデザインに一新したほか、ガソリン車の17インチアルミホイールを新デザインに変更。室内にはガソリン車にオレンジ、ハイブリッドにシルバーのステッチを施すとともに、ピアノブラック調パネルや金属調アクセントを装着して、質感を高めている。
また、斜め後方の車両を検知する「スバルリヤビークルディテクション」と、自動でハイ/ロービームの切り替えを行う「ハイビームアシスト」を組み合わせた「アドバンスドセーフティパッケージ」を新たに設定。サイド&カーテンエアバッグを全車標準装備した。
グレード構成と価格は下記の通り。
2.0i…228万9600円
2.0i-L…239万7600円
2.0i-Lアイサイト…259万2000円
ハイブリッド2.0i…257万400円
ハイブリッド2.0i-L…267万8400円
ハイブリッド2.0i-Lアイサイト…286万2000円
スバルテクニカインターナショナル(STI)が開発したコンプリートカー「XVハイブリッドtS」(332万6400円)を設定。
専用のダンパー&スプリングに加え、STI製フレキシブルタワーバーフロント、フレキシブルドロースティフナーフロントを装着して、ハンドリング性能と乗り心地を高い次元で両立した。
エクステリアには専用のフロントスポイラーとサイドアンダースポイラーを装着し、両パーツとルーフエンドスポイラーにオレンジのピンストライプを採用。インテリアにはSTIロゴ入りの本革、黒のウルトラスエード、オレンジの合成皮革、アイボリーのトリコット、オレンジ色のステッチを組み合わせたシート表皮を用いることで、鮮やかな内外装に仕上げている。
■スバルXV2.0i-Lアイサイト(F-AWD)*2015年10月発売モデル
全長×全幅×全高:4450×1780×1550mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1410kg
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1995cc
最高出力:110kW(150ps)/6200rpm
最大トルク:196Nm/4200rpm
トランスミッション:CVT
サスペンション形式 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:225/55R17
乗車定員:5名
車両価格(当時):259万2000円