このエンジンは、従来と異なり、ターボチャージャーとエキゾーストマニフォールドがエンジン後方に、インテークマニフォールドなどの吸気系がエンジンの前方に位置する。これにより、エンジン搭載位置を下げることにより、操縦性能に貢献するだけでなく、空力的にも有利なものとすることができたという。
シリンダーブロックはクローズドデッキ構造を採用し、最大160barの燃焼圧を可能にしている。シリンダーライナーにはピストンとシリンダーの間に発生する摩擦を低減する目的で、特許技術のNANOSLIDEのコーティングを施している。この コーティングはAMGのM156エンジンに初めて使われて以来、メルセデスのエンジンに広範に採用されているほか、F1用のエンジンにも採用されている。
ターボチャージャーのコンプレッサーとタービンのシャフトには、AMG GT 4ドアクーペの63 Sに採用されている、ローラーベアリングを採用した。これにより、ターボチャージャー内の機械的摩擦が低減され、ターボチャージャーのレスポンスが向上し、短時間で最高回転数に到達するようになった。また、電子制御ウェイストゲートによって過給圧をより正確かつ柔軟に制御することが可能になり、最大過給圧2.1barと、クラス最高の値を実現している。ターボチャージャーの冷却にはオイルと冷却水だけではなく、外気も利用するため、エンジンカバーをエアディフレクター として働くよう設計するとともに、ボンネット下にダクトを設けている。
なお、エンジンはメルセデスAMG本社があるドイツ、アファルターバッハで“One man - one engine”という哲学のもと、厳格な品質基準に従って、ひとりのマイスターが一基のエンジンを最初から最後まで責任を持って手作業で組み上げるという 生産方式を採用している。
メルセデスAMG GLA 35 4MATIC:707万円
メルセデスAMG GLA 45 S 4MATIC+:900万円