すべての出発点となるのは、モデナのヴィアーレ・チロ・メノッティ通りにある歴史的な工場だ。モデナ工場は、80年以上にわたってマセラティの本拠地であり続け、ブランドのDNAである「メイド・イン・イタリー」とその伝統を守りながら、未来への抑えきれない情熱と革新性が融合した場所だ。
MC20は、未来への新たな道を切り拓く、新時代の第一歩となるモデルだ。クラフツマンシップとエンジニアリング、エレガンスとパフォーマンス、レーシングスピリット、そしてクルマを駆る喜びという、アンビバレントな要素を絶妙にバランスさせることで、このスーパーカーの唯一のエレガントなデザインを実現している。
モデナにあるマセラティ・イノベーション・ラボでは、デジタル・プロセスの導入により製品開発をより効率化させている一方、初期段階からドライバーを優先した統合的なアプローチを採用するという独自の手法を採用している。このイノベーション・ラボから誕生した第1号となるMC20においては、車両ダイナミクスの90%以上は、ラボ内の「バーチャル・ビークルダイナミクス開発」と呼ばれる革新的なアプローチを用いて、バーチャルモデルを用いて開発している。
マセラティ・イノベーション・ラボは、マセラティの未来を語るのに最適な場所であり、ここではフォルゴーレ、新しい小型のSUV「グレカーレ」が生み出されている。
フォルゴーレは、マセラティの電動化のための新たな戦略であり、新たなエネルギーの炎に火を灯すものだ。この新たなエネルギーとは、未来に向けてマセラティの姿を投影するエネルギーに他ならない。
新型マセラティ グラントゥーリズモとグランカブリオは、マセラティ初の100%電気自動車となるモデルで、モデナで設計され、トリノの生産拠点で生産される。また、モデナのマセラティ工場では、MC20の電気バージョンも用意されている。
モデル全体におよぶ電動化の第一歩は、7月に発売されたギブリ ハイブリッドだ。電動化においてマセラティが直面した課題は、ブランドの核となる哲学や価値観を犠牲にすることなく、電動化の世界に参入することだった。その結果として生まれたのは、可能な限り最高のハイブリッド。マセラティは、そのDNAに忠実に、主にパフォーマンスを向上させることに重点を置いたハイブリッド・ソリューションを選択するとともに、燃料の節約と排出ガスの削減も実現している。
新たなマセラティのSUVは、レヴァンテに続き風の名を冠している。それは地中海の猛烈な北東の風にちなんで「グレカーレ」と名付けられ、このデビューとともにマセラティのビジネスを更に拡大する役割を担う。
マセラティには、そのモデル名に伝統的に風にちなんだ車名を付けてきた。1963年、伝説のミストラルから始まり、ギブリ、ボーラ、メラク、カムシンが登場、そして2016年には、マセラティ史上初のSUVとなるレヴァンテが登場している。
そして、ブランドの新時代において、新たなカスタマイズプログラム「フオリセリエ」が誕生する。このプログラムではすべてのマセラティを顧客の好みに合わせてカスタマイズすることが可能となり、モデナ本社に新設される新しい「カー・テーラリング」ショップでユニークな体験をする機会が提供される。何千通りもの組み合わせの中から、3つの基本的なコレクションを出発点に、コルセ、ユニカ、フューチュラという3つのコレクションを用意している。
このように未来に向けたプロジェクトが進行する一方で、新たなクラシケ・プログラムの提供を開始し、情熱とパフォーマンス、そして大胆さの中心であるモデナから生まれてきたさまざまな名車に宿るDNAが守られていく。
これらのプログラムは、MC20に始まるイベント内で発表された。
ギランディーナ塔の下にあるピアッツァ・グランデではMC20が、さらにピアッツァ・ローマではレヴァンテ、ギブリ、クアトロポルテのトロフェオコレクションが展示される。
2018年に発売されたSUVの中で最も過激でパワフルなバージョン「レヴァンテ トロフェオ」に続き、新たに580馬力のV8エンジンを搭載した「クアトロポルテ トロフェオ」と「ギブリ トロフェオ」が登場したことで完成したトロフェオコレクションは、パフォーマンス、スポーティさ、ラグジュアリーの最高峰を達成し、マセラティ史上最もパワフルなセダンとなっている。
また、イベント期間中、モデナの解剖劇場では、マセラティ製の新型エンジン「ネットゥーノ」の「解剖セッション」が行われ、技術的な宝石を細部に至るまで検証することができる。